>>>>> http://www.ritouki.jp/ ━━━━━━━━【平成20年(2008年) 5月16日】

  ☆★☆★ 日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」 ☆★☆★
          新しい日台交流にあなたの力を!!
<<INDEX>>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[Vol.768]


4>>【新刊紹介】近藤伸二『反中VS親中の台湾』
5>>【新刊紹介】小暮満寿雄『堪能故宮in台北-半日で巡る故宮博物院の精華』
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
4>>【新刊紹介】近藤伸二『

反中vs.親中の台湾 (光文社新書 351)/近藤伸二
¥777
Amazon.co.jp


【5月13日 宮崎正弘の国際ニュース・早読み「今週の書棚」】

なぜ独裁政権の末裔=国民党が執権党に復活できたのか
96年「民主化」以降の台湾政治を丹念に検証、台北ウォッチャーの面目躍如

 近藤さんは毎日新聞初代台北支局長である。

 経済が得意の分野で、それゆえ台湾分析にも企業分析動向が加わり、本書の中味を濃
くしている。

 戦後、蒋介石が台湾へ乗り込んできて、日本の政府と民間の財産をごっそりと差し押
さえ、蒋介石政府と国民党の財産とした。

 台湾本省人の不満が爆発し、二二八事件が起きた。台湾人インテリが殆ど殺された。

 そして半世紀、台湾は民主化され、自由な選挙がおこなわれ、あの恐怖政治、独裁政
治の元凶だった国民党が下野し、八年後に変身して復権した。

 国民党の馬英九が、なぜ民主主義・台湾で蘇ったのか?

 陳水扁政権があまりにも無能であったからか? 原因はどうやらそんな短絡的な現象
ではないらしい。

 近藤氏は、懇切丁寧に戦後台湾史の概略を述べながら、どう統計をとっても統一派の
いう中華主義意識の前に「台湾人アイデンティティ」が深まり、一方で政治意識の国際
化が進み、むしろ国民党が民主化され、近代化され、スリム化したうえで、馬自身が台
湾南部の、従来民進党が圧倒的な地域にロングスティと称して回り、たどたどしい台湾
語を必死で喋り、ついに選挙に勝利できた過程を解きほぐしてゆく。

 社会構造の変化と景気対策、大陸政策で与野党が激突するのは当然にしても、原発や
防衛予算でも与野党は鮮明に対立する反面、尖閣諸島の帰属では「あれは台湾領(つま
り中華民国領土)」という意味で与野党は一致する。

 この台湾には労働力不足と嫁不足で、夥しい外国人が流入している。

 第一は大陸からの花嫁。およそ26万人。これにベトナム花嫁など加えると、じつに40
万が外国からの花嫁である。

 第二は3K労働を嫌う台湾の若者を代替し、インドネシアから12万人、タイから8万6
千人、フィリピンから8万4千人、そしてベトナムから7万人が労働者として台湾社会に
とけ込んでしまったが、多くの台湾人は、これを深刻な問題と考えていない事実。

以下は小生の感想。

 李登輝前総統は、選挙直前に『私の一票は謝さんに入れるが』としつつも、国民党の
勝利の翌日に馬英九が訪問するや、かれを支持した。

 もっとも李政権下で、馬は法務大臣をつとめ、李登輝の教え子でもある。その後、日
本外交に関しては舞台裏で多くのサインを出している様子である。

 馬英九は評者(宮崎)の質問(3月23日、当選翌日)に答え、「私が反日活動家ですっ
て? そういう誤解を解きたい。日本重視路線に変わりはない」(詳しくは週刊朝日に
寄稿した)と明言した。

 これも李登輝の示唆<?>に従ってか、5月初頭には台南へ向かい八田與一の記念碑
に詣でるという挙に出た。八田與一は日本人技師で台湾南部の灌漑に尽くした。

 5月20日の馬英九、台湾第12代総統就任式には石原慎太郎都知事らが参列する。

 なにかが変わりつつある。
--------------------------------------------------------------------------
近藤伸二(こんどう しんじ)
1956年神戸市生まれ。神戸大学経済学部卒業。毎日新聞社に入社し、外信部副部長、香
港支局長を経て、台北支局開設にともない99年、初代支局長に就任。2002年に帰国後、
大阪経済部長などを経て、06年から論説委員(大阪在勤)。94年から1年間、香港中文
大学に留学。著書に『
台湾新世代―脱中国化の行方/近藤 伸二
¥1,890
Amazon.co.jp』(凱風社、03年)、『
続・台湾新世代―現実主義と楽観主義/近藤 伸二
¥1,890
Amazon.co.jp
』(同、05年)などがある。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
5>>【新刊紹介】小暮満寿雄『
堪能故宮in台北―半日で巡る故宮博物院の精華 (Taiwan通 4)/小暮 満寿雄
¥1,575
Amazon.co.jp


 ロンドンの大英博物館、パリのルーヴル、ニューヨークのメトロポリタンとともに、
世界四大博物館の一つに数えられる一大ミュージアムが、台湾にある故宮博物院です。

 70万点という膨大な収蔵品があり、ことに陶磁器は、名品だけで中国陶磁の歴史が辿
れるという充実ぶり。展示は数千点といえど、旅行中に立ち寄ったのでは、じっくり味
わう時間はありません。

 しかし、ご安心を。画家で漫画家で作家の著者が、ユーモラスな筆致でガイドいたし
ます。また、豊富なイラスト解説やコマ漫画などで、主な作品とともに製作法や関連人
物などをエピソードとともに紹介します。 これで短い時間の鑑賞でも、たっぷりと故
宮を堪能できるのです。(まどか出版HPより)
--------------------------------------------------------------------------
小暮満寿雄(こぐれ ますお)
作家、画家。東京生まれ。3歳から東京赤阪の浄土寺境内で育つ。1986年多摩美術大学
院修了。中学校教師を経て88年よりインド、トルコ、ヨーロッパ方面を歩いた。企画会
社勤務ののち96年に独立。現在は年に1回ほど個展を開き。著作や雑誌に記事を発表し
ている。『
堪能ルーヴル―半日で観るヨーロッパ絵画のエッセンス/小暮 満寿雄
¥1,680
Amazon.co.jp
』(まどか出版)、
シエスタおじさん―青空に浮かぶその人はすべてを知っている/小暮 満寿雄
¥1,418
Amazon.co.jp
』(文春ネスコ)、『インドの教え/アチャールくんの路上日記』
(KKベストセラーズ)、『おちゃめなイタリア人!』(トラベルジャーナル)などユニ
ークな作品で知られる。

■著者 小暮満寿雄
■書名 『堪能故宮in台北-半日で巡る故宮博物院の精華』
■版元 まどか出版 http://www.madokabooks.com/
■体裁 A5判変型、212ページ、並製
■定価 1,575円(税込)
■発売 2008年4月22日

■割引
・1冊~9冊のご注文 →送料サービス
・10冊~29冊のご注文 →1割引・送料サービス
・30冊以上のご注文 →2割引・送料サービス

■お申し込み
 1)お名前、2)ご住所、3)電話番号、4)注文冊数(『故宮』と書き添えてくだ
 さい)、5)李友会紹介と明記の上、FAXかメールでお申し込みください。1週間
 以内にお届けします。料金は後払い。本と一緒に郵便振替用紙を同封、1週間以内に
 郵便局でお支払いください。

■お申し込み先
 まどか出版 メールアドレス adm@madokabooks.com
 電話:03-5814-9292 FAX:0120-426-855
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●本誌の転載転送を歓迎
 本会活動をより多くの方々にご理解いただきたく、転載転送をお願いします。その際、
 本誌からの転載転送である旨を記していただければ幸いです。

本会ホームページのメールマガジン欄「購読お申し込み」から申し込む。
  ホームページ:http://www.ritouki.jp/