今日は営業利益の説明をいたします。



今日で営業利益の解説は終わりです。

前回までで、

販売費及び一般管理費の解説をいたしました。



販売費及び一般管理費の後にくるのが

「営業利益」です。



「営業利益」は「売上総利益」から

「販売費及び一般管理費」を引いた金額です。



この「営業利益」は

会社の本業の営業で稼いだ利益になります。



この利益が高いほど

会社の営業で稼ぐ力は高い傾向にあります。



逆に営業利益がマイナスだと

営業損失」ということになるのですが、

営業損失ということは

その会社が営業している事業は

儲からない事業であることを意味しています。



会社員が仕事をして

獲得した売上や使った費用はそれぞれ

売上高や売上原価、販売費及び一般管理費に

含まれますので、

仕事の結果が営業利益に表れてきます。



ですから、

多くの会社員が関わりコントロールできる利益も

この営業利益なんです。



従って、営業会議などで利益を指す場合は

この営業利益を指す場合が多いんですね。



本日はここまでにいたします。




明日からは

経常利益」をテーマにお話していきます。




こんにちは。
YUJIです。



さて今日は前回に引き続き
販売費及び一般管理費を説明していきます。



販売費及び一般管理費の代表選手は2つあります。
減価償却費」と「貸倒引当金繰入額」です。



そして今日は
貸倒引当金繰入額」を解説いたします。



この「貸倒引当金繰入額」とは
取引先への売上債権が回収できず
貸倒れることが合理的に予測できる場合
その金額を予測計算して費用計上するものです。



例えば、パン屋さんの売上が50万円あり
債権も50万円あると仮定します。



そのうち2万円は回収できない可能性が
極めて高いので実際にその金額が
回収不能になる前に事前に見積もって
2万円を貸倒引当金繰入額として計上するんです。



ちなみにこの計上の考え方も
発生主義」の考えに基づいて処理しています。



つまり、実際の支払いがなくても
すでに費用が発生していると考えて計上
するんです。



他にも将来の賞与支払いを見込んで計上する
賞与引当金繰入額」があります。



また、将来の必要な建物修繕に備えて計上する
修繕引当金繰入額」もそうです。



いずれにしても
将来の費用を見込んで計上している
費用として理解してください。



今日は販売費及び一般管理費の代表選手の1人

減価償却」の説明をしたいと思います。



減価償却とは固定資産の購入価格を

利用期間に応じて費用化することを言います。



つまり、例えば2,000万円の工場を購入しても

損益計算書で2,000万円が全額計上されることはありません。



ここであなたは、

「なぜお金を支払ったのに費用にならないの?」

「なぜ利用期間にわたって費用化するの?」

と思ったかもしれません。



ここで理解を深めていただくために

会計の考えのお話をいたします。



損益計算書の売上などの収益項目や

仕入などの費用項目は

お金の入金や支払いのタイミングで

損益計算書に計上されるわけではありません。



これは「発生主義」という考えに基づいて

収益と費用が計上されているかななんです。



では、「発生主義」とはどういう考え方というと

例えばパンを販売した時点で売上を計上したり、

パンの原料である小麦を使用した時点で

費用を計上します。



このようにお金の入出金がなくても

発生主義で認識された収益や費用が

損益計算書に計上されるのです。



そして、この減価償却も

発生主義の考えに基づいて計上される費用になります。



先ほどの例えで2,000万円の工事を購入した場合、

この工場は使っていくうち

価値が減っていきますよね。



その価値が減少していくことを捉えて

費用が発生したと考えるんです。



ただし、実際にどれだけ価値が減少するかなんて

わかりませんよね。



そこで固定資産の利用期間という

耐用年数」が法律によって定められています。



建物ですと耐用年数が39年に該当するものが多いですね。

つまり、2,000万円で購入した工場は

39年間で減価償却していくということになります。



本日は販売費及び一般管理費の

減価償却」についてお話いたしました



今日からは、営業利益を説明いたします。

この部分です。



決算書読める?


見てもらうとわかりますが

販売費及び一般管理費』と

営業利益』で構成されていますね。



『販売費及び一般管理費』は

販売するためにかかった費用とか、

会社の管理・運営にかかった費用をいいます。



従って、販売費及び一般管理費は

様々な費用を合計した金額になります。

参考程度にこちらをご覧下さい。


決算書読める?



そして、この販売費及び一般管理費の中でも

代表選手なのが、『減価償却費』と『貸倒引当金繰入』です。



この二つは損益計算書を読む上で、

知っておくといいと思いますので、

次回以降でそれぞれの解説をいたします。



それでは本日はここまでにいたします。


今日で損益計算書の

売上総利益』の説明が終わりますからね。



売上総利益は

『売上高』から『売上原価』を差し引いた利益です。



これは『粗利』とも言うんですよ。



つまり、会社の販売しているモノやサービスで

どれだけ利益が稼げるかがわかるんですね。



例えばパンで考えてみましょうか。



パンを一個100円で売ったとします。

仮に、原価が60円なら、

100円-60円で売上総利益は40円になります。



この売上総利益は、

同業種だと他社と比較してもそんなに変わりません。



パンが一個売れる金額や、

仕入れる金額ってどこも大体同じですもんね。



ところが、同業種なのに

他社と比較して売上総利益が高いお店もあったりします。



これはなぜでしょうか?



売上総利益が高いということは、

①売上高が高い

②原価がかなり低いということです



①売上高が高い場合は、

もしかしたら他のパン屋さんより

魅力的なパンを売っているために、

販売価格が高いのかもしれません。



②原価がかなり低い場合は、

大量の仕入れで、一個あたりの原価が

低くなっているのかもしれない。

ということは、チェーン展開しているお店なのかもしれません。



と、このように、

売上総利益を他社で比較するだけでも

十分財務分析になるんですよ。



どうですか?



まだ財務分析の解説は始まったばかりですが、

このブログを通して

財務分析が出来るようになっていただければと思います。


今日は売上総利益までの

売上原価」の説明です。


「売上原価」は

売上を獲得するために直接かかった費用をいいます。


次のように内訳を示して

報告されることもあります。

決算書読める?



パン屋さんを例に簡単に説明して行きますね。


期首棚卸高

期の初めに、前期より繰り越されたパン。

つまり販売されなかったパンです。


当期製品製造原価

当期の製造にかかった費用です。

パンを作るのにかかった、

人件費、原料などですね。


当期商品仕入高

当期に仕入れたパンです。

製造したパンは、

期製品製造原価に集約されますが、

作らずに仕入れたパンは、当期商品商品高に含まれます。


期末棚卸高

期末において、販売されずに残っているパンですね。


この四つの

「期首棚卸高」

「当期製品製造原価」

「当期商品仕入高」

「期末棚卸高」

『売上原価』を算定するさい、

全てを合計するわけでなく、「期末棚卸高」は差し引きます。

イメージ図




決算書読める?



このイメージ図をもとに

「売上原価」を理解してくださいね。





それでは5つの利益について、

より具体的に見て行きます。



今日は売上総利益までの中の、

売上高について説明いたします。



ちなみに

売上総利益=売上高-売上原価でしたね。



売上高というのは、

会社の本業で稼いだ利益をいいます。



売上高については

あまり説明がいらないかもしれませんね。



しかし、

損益計算書を見る上で売上高を見る時、

値引・返品・割戻・割引という売上に関する用語に

出会うかもしれませんので、カンタンにご説明いたします。



売上値引き

・・・販売後、不良品などが原因で、

売上そのものから差し引いたときに使用します。

売上の一部だけマイナスするイメージですね。



売上戻り

・・・返品された場合の販売代金取り消しのこと。

これは一部をマイナスというよりかは、

セットや単品の金額をマイナスというイメージです。

商品の返品ですからね。



売上割戻

・・・一定以上の多額の販売をしたとき、

一部をキャシュバックしたもの。

これは、『量』でおさえてください。

ボリューム値引きですね。



売上割引

・・・売掛金の支払い期日より

前倒しで受け取った時に支払う金額。

これは『時期』でおさえて下さい。

早く払ったから、お金をもらえるってことですね。



「売上高」については何となくおわかりいただけたでしょうか。



今日はここまでにいたします。



明日は『売上原価』について

見て行きたいと思います。





「損益計算書」は会社が1年

(四半期決算であれば、3か月ごとになります)で

どれだけ利益を出したか報告します。



報告の仕方は

収益とそれにかかった費用を対応させる形式で

報告いたします。



下記のような形で報告されます。



―損益計算書―


売上高            

売上原価 

売上総利益 

販売費及び一般管理費 

営業利益

営業外収益  

営業外費用

経常利益 

特別利益 

特別損益 

税引前当期純利益 

法人税当 

当期純利益 



各段階の利益を簡単に見ていきましょう。



「売上総利益」=売上高-売上原価

企業が販売しているモノ・サービスで

どれであけ利益が出ているかあらわします。



「営業利益」=売上総利益-販売費及び一般管理費

本業で獲得した利益で、企業の営業力をあらわします。



「経常利益」=営業利益+営業外収益-営業外費用

企業の通常な活動で獲得した利益

会社が正常な状態で稼げる力をあらわします。



「税引前当期純利益」=経常利益+特別利益-特別損失

税金支払い前の利益



「当期純利益」=税引前当期純利益-法人税等

最終的に獲得した利益



今日のお話でおさえていただきたいポイントは

以下の2点です。



①損益計算書はこの形式であること

②損益計算書には5つの重要な利益があること



次回はこの5つの利益について深く見ていきます。








決算書を

読むためには3つのステップが必要です。



① 用語を理解する。

② 決算書のルールを理解する。

③ 実践する。

それでは、それぞれ説明していきます。



① 用語を理解する



これは英語でいうところの、

単語を理解するようなイメージです。



英語がしゃべりたいなら、まずは単語を暗記しますよね。

それと同じで、決算書を読むためには、まず用語を理解します。



でも、安心して下さい。

用語は日本語なので、

見ればなんとなく理解出来ますから。



例えば「長期借入金」や「売上総利益」どうですか?

なんとなくなら、わかりますよね?



② 決算書のルールを理解する



これは英語でいうところの文法です。

英語を話すのに、一定のルールがあるように、

決算書もただ並んでいるわけでなく、

一定のルールに従って作られています。



例えば「損益計算書」は「経営成績」をあらわすもので、

収益項目と費用項目が一定のルールに従って

並べられています。



また、「貸借対照表」は「財政状態」をあわらすもので、

資産項目と負債項目が一定のルールに従って

並べられています。



でも、ルールって言っても臆することはありません。

このブログを読んでいただければ

いつの間にかルールが身につきますから。



③ 実践する



せっかく①②までやったのに、

③をやる人が少ないんですよね。



実践の段階では、

実際に色々な企業の計算書を読んで見るのがベストです。



でも、「長期借入金は…」とか

「売上総利益は…」などと、

用語を順に追うだけでは意味ないですからね!



目的を持って計算書を見てみましょう。

「安全性はどうだろうか?」「収益性はどうだろうか?」

目的を持って読むと理解が深まります。



それに目的持って読むと面白いですよ!

このブログを読んで計算書が読めるようになった後、

もし、自分の会社の計算書が手に入れば、

ぜひ読んでみてくださいね。



決算書は情報の宝庫です。

この情報を使って仕事や投資に大きく役立たせることが出来ます。



具体的には、

・会社の収益、財務の弱点を把握し改善出来るようになる。

・会社の業績を予測することができる。

・競合先の強み、弱みを発見することが出来る。



実は多くの人が決算書をしっかり読めていません。

見る箇所はせいぜい売上と利益だけ。



こんな話があります。

ある営業マンが格好の新規顧客候補先を

見つけてきました。

しかし、上司に契約の許可をもらいにいきましたが、

却下されてしまったのでした。



その候補先は売上もあるし利益も出ていたようで

営業マンには上司の行動が理解出来ませんでした。



後からわかった話ですが、

その候補先は、売上の回収期間が長かったそうです。

つまり、売掛金が回収出来ないリスクがあったんですね。



このケースでは、

上司が決算書を読めたからいいものの、

もし取引先として契約していたら、

のちに取引先が倒産し売掛金が貸し倒れた可能性もあります。



つまり会社に損害を与えてしまったかもしれません。



決算書を読めると

仕事で以下のようなメリットがあります。




・営業なら取引先の信用状況を理解し、

 コスト感覚が身につきます。


・経営企画なら自社の状況、

 競合会社の状況を知ることができます。


・経理であれば、社内で決算書を渡され

 意見を求めらることもあるでしょう。

 すらすら解説したら信用はグンと上がります。



あなたもぜひこのブログを通して、

決算書を読めるようになり、武器にして下さいね。