三井住友、みずほCB…大手行 インド、南アなど新興国開拓へ | ☆___________「財界」日本経済を斬る!!!

三井住友、みずほCB…大手行 インド、南アなど新興国開拓へ

 国内大手銀行が成長著しい新興国向けのビジネスを相次いで強化している。


欧米の金融機関とタッグを組んだり、新興国の大手企業向けの協調融資などを拡充する動きが加速している。


 三井住友銀行(奥正之頭取)は今年6月、英国の大手銀行で世界屈指の金融機関のバークレイズグループとの資本業務提携を発表した。三井住友がバークレイズに約5億ポンド(約1060億円)を出資し、出資比率は約2%(議決権ベース)になる。


 三井住友側の狙いの一つとみられるのが、これまで「邦銀にとっては未開拓同然」(メガバンク幹部)で、欧米金融機関が先行してきた新興国でのビジネス展開だ。とくにバークレイズが強みをもつ南アフリカやインド、パキスタンで、三井住友は事業を育てる考えで、富裕層取引や現地通貨の調達などでの協力を模索しているようだ。


 みずほコーポレート銀行は7月、インドの最大財閥で自動車メーカーなどを傘下にもつタタグループと業務提携した。タタの中核的な金融会社のタタ・キャピタルを通じ、タタグループへの協調融資を発展させるのが目的だ。今年2月には、みずほ証券が富裕層向けの資産運用ビジネスで提携するなど、みずほグループ全体でタタグループとの結びつきを強化する。


 三菱東京UFJ銀行もインドネシアの中堅銀行を傘下に収め、成長著しい中国市場への切り込みをはかっている。


 存在感を増す中東のオイルマネーの取り込みを狙った動きも活発だ。三井住友は昨年、邦銀初となるドバイ支店を開設。みずほや三菱UFJも拠点の増強を進めており、現地の公共プロジェクトへの融資も盛んだ。


 不良債権問題からの脱却で体力が回復した邦銀は、国内市場の成熟化もあり、海外事業を最重要の経営戦略に掲げている。ライバルとなる欧米金融機関がサブプライムローン問題で苦しんでいることもあり、世界の金融シーンで邦銀の存在感が際立ち始めている。