101「益田市」102「島根県」 | 白看採集帳

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日々何気なく利用する道路に、ときどき古い標識が残っていたりします。
このブログでは「白看(しろかん)」と呼ばれる昭和25年から46年まで制定・設置されていた行き先を示す標識(「案内標識」)を中心に、道路上の特異点をぼちぼちとご紹介していきます。

20080617島根県益田市にて撮影

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◯種類
101「益田市」102「島根県」(複柱式)

◯設置されている道路
国道191号線旧道「仏峠」

◯概要
ここは島根県益田市と山口県萩市の県境、仏峠というところです。
車道側の盤面がかなりへこんだり曲がったりしています。往来激しかった頃、トラックにでもぶつけられたのでしょう。
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一般的に設置者を示す都道府県名の表示は、複柱式なら片方のポールに貼られてあるのが普通ですが、今回の物件は両方にあるのが特徴です。右側のポール「島根県」と書かれた上部にも
何か貼られていた痕跡がありますが、当時は白看の写真をしつこく撮るようなことはしなかったため、現時点ではよくわかりません。管理票みたいなものが付いていたのでしょうか。
また盤面が広く、フォントがはっきりとした丸ゴシックなので、設置は白看末期なのではないかと思われます。

◯考察
設置されている道路は山口県下関市と広島県広島市を結ぶ国道191号線。
1953(昭和28)年5月に二級国道191号下関益田線として制定。1970(昭和45)年4月に益田市から広島市の区間が国道昇格しています。
現在、この白看が立つ仏峠の区間は、1974(昭和49)年に竣工した田万川トンネルにて
バイパスされています。
なお、萩市側は現行標識です。それは2005(平成17)年3月に近隣の1市1町4村と合併し、
新設の萩市となったからです。合併以前はどうだったのでしょうか。

国土変遷アーカイブ
・1964(昭和39)年(仏峠の道がはっきり見える)
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・1976(昭和51)年(田万川トンネル開通後。周囲の林の成長か、仏峠の旧道は見え辛くなっている)
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・場所はこちら


◯全景はこちら(車道の幅の狭隘さに注目)
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