🙌和気さんの健康の話/健康寿命と健康法・その1


(一)
 日本人の寿命は長くなりました。
 平均寿命が女性では86歳、男性では81歳を越えて来ました。
 しかし、寝起きや衣服の着脱、食事、用便などの日常生活が他人の手を借りずにできるという健康寿命となれば、男女友に70歳台半ばで、10年ほどは誰かの世話を借りねば生活できなくなっています。
 その状況を知るにつけ、私たち健康に関心を持ち、そこに携わっている者は、この健康寿命を延ばしていくにはどうすれば良いのか、何が出来るのか、何が出来ないのか、何をすれば良いのかについて探求していく必用があると感じています。

(二)
 健康という場合、それは身体的なものだけではなく、精神的なものも含まれているのは当然でしょう。
 こんな分類が正しいかどうかは判りませんが、身体は手足の運動器官や目や耳や鼻などの感覚器官などの動物性機能と循環器、呼吸器、消化器などの植物性機能との二つに、精神は、思考、記憶、判断などの頭脳の働きと、喜怒哀楽などの感情など、心の働きの二つに分けて考える必用があると思います。
 そして、何らかの形で健康法に携わっている私たちは、その四つの一つ一つに対して、理論的にも技術的にも研究し、伝えていく責務があるのではないでしょうか。

(三)
 まず、身体の中の動物性機能についてですが、ここも手足の運動と目や耳やなどの感覚器に分けて考えてみましょう。

1、運動器について

 運動器も大きく分けて、
・筋肉
・骨
・関節
の三つに分けてみます。

【筋肉】
 まず、筋肉の役割ですが、大きく分けて、次のような役割を持っています。

・体温を作る(熱を作る)。
・水を蓄える。
・血液を動かす。
などです。

 体温(体の熱)の殆どは筋肉が作っているそうです。
 特に、筋肉の細胞の中にあるミトコンドリアが酸素の力を借りて糖を分解して熱を作っているんですね。
 基礎代謝量というのは、このミトコンドリアの量に左右されている訳で、筋肉量が落ちれば、この基礎代謝量が減り、体温(平熱)が下がると免疫力も低下すると言われていますから、筋肉を落とさないようにすることは健康にとって大事な取り組みなんですよね。
 筋肉は運動しない限り減っていきますから、特に、ゆっくりしたスクワット運動によって大腿四頭筋の筋肉を落とさないようにすることは大事なことだと思います。

 体中の水分の多くは筋肉に蓄えられ、筋肉の70%ほどは水分で出来ているんだそうです。
 筋肉量が減ってくると、その分、体内の水分量も減ってくる分けですね。
 そうすると、例えば、咀嚼の時の唾液が少なくなり、誤嚥も起こしやすくなりますし、筋肉に水分が蓄えられず、夜間頻尿にもなりやすくなるんですね。
 勿論、お肌にも潤いがなくなって来ますよね。
 筋肉量を落とさないようにすることは、このように、老化現象と言われるものを遅らせていく働きもある訳ですね。

 足の筋肉、特に腓腹筋(ふくらはぎ)は、心臓から足に送られ、足の細胞での新陳代謝を終え、燃えカスとしての炭酸ガスを含んだ血液を心臓に戻していくという大事な働きがあります。
 この腓腹筋を使った運動をしないと、汚れた血液が足に残り、むくみの原因にもなりますし、血液循環を悪くしていきます。
 歩くとか、足首回しなどの運動によって、腓腹筋の筋肉も落とさないようにしたいものですね。

 筋肉の働きには、生理学的にはまだまだあると思いますが、ヨガでも気功でも、足の筋肉に少しの負荷を掛けるような動きを加えていきたいものですよね。

(つづく)