👳気功を如何に会得していくか
研究段階ではなく、学習段階の話である。
僕は人文科学系の大学に入った。
哲学、経済学、憲法学、社会科学、歴史学等々という分野だ。
これらは、先生方の講義を聴き、著作を読み等によってある低度は理解できる。
即ち、言語と文字による頭脳での理解という学問だからだ。
自然科学の分野になれば、実験などによる理解も必用なんだろう。
しかし、どちらにしろ、知識、知性、思考などと言った頭脳による学問である。
これに対して、スポーツや武術、舞踊など、肉体による会得が必用な分野のものは、ある低度は頭脳による理解も要るが、大事なのは〔体が覚える〕という点にある。
体が反射的に動くようにならなければ、一流にはなれないだろう。
教育者、宗教家、僧侶などの話を聴いたり、著作を読んだりして人生や生き方などを学場合はどうだろう。
「なるほどー!」、「そうだよなぁ」などと頭では理解できたとしても、心がそうならない限り「わかっちゃいるけど、やめられない」という生き方が続くのだ。
これは、頭脳による理解や〔体が覚える〕という分野とは別の分野に属しているのだ。
では、僕が取り組んでいる〔気功〕は如何なる分野に属しているのだろうか。
即ち、如何にすれば会得できるのだろうか。
文字や言語によって会得できるものではない。
くり返される練習によって、肉体的な意味での〔体が覚える〕というものでもない。
精神的な意味での道徳、倫理、モラルなの、心の修行によって獲得出来るものでもない。
主たる課題は、体性感覚を用いた緩みという体内感覚の会得にあると僕は考えている。
つまり、いわゆる学問やスポーツ、芸能、宗教など、これまでに有った学習方法では会得できないということなのだ。
その、全く違う方法での学習法、習練法を探究し、確立していくのが、いま、気功を楽しんでいる者の任務なのだと僕は考えている。