さて、海でクエの幼魚を手に入れ、

無事に家に連れてくることが出来た。

さあ、いよいよクエの飼育開始である。

 

さあ、いよいよクエの飼育が始まるよ!!

 

・・・よく考えたら順序が逆になってしまったが、

当然クエの幼魚を手に入れる前に水作りも含め、

水槽などの設備が完成していることが大前提である。

いつでも魚を入れられる状態にしてから採集に出掛けよう。

ちなみにこの記事はあくまでも海で釣った魚を飼育してみたい”釣り人”向けであって”本格的なアクアリスト”に向けた記事ではない。

その点をまずご理解いただきたい。

まずは設備のところから。

 

※①~水槽を準備する~

 

さて、魚を飼うのだからまずは水槽が必要である。

このとき重要なのはモーターが海水にも対応しているものを選ぶことである。

「淡水専用」と書いてあるモーターを海水に使用してはならない。

最悪の場合、火災に発展する危険性がある。

 

次に水槽のサイズであるが、

60cm以上の水槽であれば別に何cm水槽でもいい。

水槽のサイズが小さければそれだけ飼育出来る期間が短く、

大きければ長くなるだけである。

 

・・・最初に断っておくが、

クエを天寿を全うするまで水槽で飼育することは出来ない。

いや、出来ないわけではないが相当な覚悟が必要である。

前にネットで、釣ってきたクエを飼いたいからどうすりゃいい?という書き込みに対してクエを飼うならデカイ水槽がなきゃ絶対に無理!!とかそういった書き込みがされているのを拝見したことがあるが何故そういう発想になるのか左衛門佐にはさっぱりわからない。

例えば、アクアリウムショップで購入した”熱帯産”のハタを飼育するのなら水槽内で天寿を全うさせる必要があるため、

当然そういう発想になるのもわかるがクエは”近海産”のハタである。

水槽で飼えないほど大きくなったら釣った場所に返してやればいい。

ただそれだけの話である。

 

ショップで購入した熱帯産ハタを近くの海に放つのは大いに問題あるが釣ってきた近海産のハタを元の場所に返すのは何の問題も無い。

水槽の中で天寿を全うさせようとするから話がややこしくなるのであって、最初から大きくなったら海に返すつもりで飼育していればそれなりの大きさの水槽で十分なはずだ。

ずっとクエを飼っていたいなら大きくなった個体を夏が来る前に海に返し、暑い夏の間は水槽は空にして秋になったらまた再びその年産まれの当歳魚を採集して飼えばいいだけである。

60cm水槽なら秋に当歳魚を採集し、水温が上がり管理が難しくなる翌年の夏前まで半年~10カ月ぐらいの飼育期間、

(産卵時期によるが浜名湖だとだいたい、体長16~22cmぐらいになる)

90cm水槽の場合は水温管理が難しい夏場を乗り切る必要があるがさらに1年間飼育期間を延長できる。

(2歳魚だとだいたい、体長25~30cmぐらいになる)

 

細身だが尾びれが大きく、カッコイイ当歳魚。この大きさなら60cm水槽で十分飼育できる。

2021年採集個体。

これぐらい小さな個体が採集出来ると60cm水槽でもそれなりの期間飼育できる。

2023年採集個体。

 

いや、違うんだよ。

俺はデカいクエが飼いたいんだ。

と、最初からわかっていて挑む人はもちろんそれでも構わない。

クエに魅力を感じる人の中にはその大きさに魅力を感じる人もいるからだ。

デーンと150cm水槽を準備しよう。

左衛門佐はそんな大きくなるまで飼育はしないのでハッキリは言えないが

おそらく、水槽の飼育下では性転換しないと思うから

メスのままならたぶん体長60cm以上にはならないんじゃないかと思う。

(オスに性転換しちゃったらどうなるんだろうね・・・。)

 

このサイズでもクエは十分に迫力満点、魅力的なのですよ。

 

※②~海水を作る~

 

さて、海水魚飼育でもっとも難しいところがココである。

海水は人工海水を使用する場合と汲んできた天然海水を使用する場合の2つがある。

これは・・・海水魚飼育の玄人でもどちらを使った方がいいのか、

意見が別れるところである。

左衛門佐はそれなりに海水魚飼育の経験がある人は人工海水を、

まったくの初心者は天然海水を使用することをオススメする。

基本的にアクアリウムショップでは汲んできた天然海水の使用を推奨していない。

病気や寄生虫などの混入の危険性があるからである。

左衛門佐も、”どちらかといえば” その意見に賛成ではある。

しかし、海水魚飼育初心者にとって人工海水の立ち上げというのは

かなりハードルが高いものらしく、

 

海水魚飼育の初心者がネットで買った人工海水の基を

いきなりカルキも抜いてない水道水の中にブチ込み、

そこにいきなり魚を投入した。

 

という話を聞いて以来、

それなら初心者にはまだ海で汲んできた天然海水、そのまま使った方がリスク少なくね?という考えに変わった。

昔ファインディング・ニモの映画が流行ったときにクマノミが海水魚であることさえ知らない初心者が

淡水の水槽にクマノミをブチ込み、多くのクマノミが命を落としたことがあったがそれと同じである。

人工海水は確かに病気や寄生虫のリスクを減らすことは出来る代わりに

何もしないと生物ろ過に必要なバクテリアが繁殖せず、いつまでも魚を入れられる水にならない。

バクテリアを繁殖させるためには有機物が必要なので初めに小さなパイロットフィッシュとかヤドカリとかで水作りをするわけだが魚を入れられるようになるまで時間もかかるのでこの工程が難しいと感じるようなら左衛門佐個人としては天然海水を使った方が早いと思う。

少なくともクエが生息しているような場所で海水を汲むならば病気の混入についてはそれほど危険性は高くない。

それよりも病気は魚ごと持ち込むケースの方が遥かに多い。

初心者が最も恐れるべき病気はトリコディナだが、これはクエ1匹だけで飼育するならクエ本体が病気を持ち込む可能性よりも

与える活き餌が保菌しているケースの方が圧倒的に多いのでそっちに気を配った方がいい。

海水は天然海水を使用して、投入する魚については薬品を使ったトリートメントや淡水浴の方法などを勉強した方が良いと思う。

(投入するのがクエ1匹だけならばそもそもトリートメントなんて必要無い)

 

天然海水を汲むときは見た目で水が綺麗な潮周りの昼間に汲もう。

夜はプランクトンや虫が水面に浮いてくるので虫の混入の可能性が高くなる。

目の細かいフィッシュネットでぐるぐる掻きまわしてろ過するだけでもクラゲの幼体やゴミ、寄生虫をかなり除去出来てリスクが下がる。

また、以下のような状況の時は絶対に汲んではいけない。飼育用の海水としては使えない。

 

・水面に油が浮いているとき。

・赤潮や青潮が発生しているとき。

・台風の後などで強い濁りが入っているとき。

・大雨の後で真水が入り塩分濃度が下がっているとき。

 

晴れの日が続いて底まで澄んで見えるような潮周りが理想である。

 

人工海水の作り方までここで書くとキリがないので

ネットで調べれば左衛門佐よりもっと博識な本職のアクアリストさん達が

詳しく教えてくれているのでそちらを参考にしよう。

人工海水を使用する場合は比重計を使って塩分濃度をしっかりとチェックしよう。

天然海水をそのまま使用する場合はよほど変な場所で海水を汲まない限りはそれほど気にしなくてもよいはず。

左衛門佐はここ近年は比重なんか計ったこと無い。

 

他に天然海水をオゾン殺菌して使用するという手もあるにはある。

左衛門佐がたま~に通常生では食べられない浜名湖の牡蠣を無菌牡蠣にして

生食で食べられるようにするために使っているオゾン発生装置を使って

海水を殺菌するという方法もあるが・・・やはり方法としては全くもって一般的ではない。

左衛門佐も海水魚の飼育のためにこんなもん使ったことは無い。

 

海水をオゾン殺菌できる装置。方法としては全くもって一般的ではない。

 

基本的に左衛門佐は汲んできた浜名湖の水を”そのまま”使用している。

先ほども少し書いたが虫の混入はともかく、

クエの飼育において飼育開始時に使用した海水が原因で病気になることはほぼ無いと考えているからである。

(サンゴやライブロックの場合は天然海水の使用はオススメしない)

しかし左衛門佐が天然海水をそのまま使用している最大の理由は、もし何かあったときの回避手段が左衛門佐にはあるからである。

もし、街に暮らしているアクアリストさんで水槽が一つしか設置しておらず、

その水槽内に病気が発生した場合、どうなるだろうか。

何かおかしいと気づいても他に魚の逃げ場が無いので水槽内でその対処をするしかなく、

その対応が遅れれば水槽内の魚は全滅、死に至るしかない。

しかし左衛門佐の場合は例えばクエの水槽で何か変?と気付いたらすぐに水槽からクエを取り出し、

桟橋をテクテク1分間歩いて常に浜名湖の海水が循環している船のイケスに一時避難させればいいだけである。

その後に水槽設備を殺菌し直し、セッティングし直して準備万端にしてから

またクエを水槽に投入すればいいだけだ。

他にも浜名湖に沈めてある海中イケスや陸上の野外に設置してある2基のイケスなど

水槽の魚たちを一時避難させる場所が左衛門佐にはいくらでもあるので

天然海水をそのまま使用しても問題が無いというワケ。

先ほど、”どちらかといえば”と歯切れの悪い言い方をしたのはそれが理由だ。

左衛門佐個人としては別に天然海水そのまま使ってもそんな簡単に病気にはならんし、

特にクエの場合は丈夫だから全く問題ないんじゃないかと思ってはいるけれども、

それは左衛門佐が家のすぐ目の前が浜名湖という特殊な環境で飼育しているからであって

水槽が一つしかない状況でのリスクを考えると

ちゃんと水が作れるのならば人工海水の方が無難かもねということ。

ただ、それも投入する魚の管理がザルだと全く無意味になってしまうので

そこは特に注意が必要である。

 

プロテインスキマーが必要か?

そういった疑問を持つ人もいるだろう。

左衛門佐的には、人工海水使用ならあった方がいい。

天然海水をそのまま使うなら使えない。

人工海水使用ならやはりあった方が水替えの頻度が減るので格段に楽になる。

(これについてはちゃんとしたアクアリストさんの記事をしっかり読んだ方がいい。)

しかし天然海水をそのまま使うならメンテが大変なことになるので無しでいい。

但し、頻繁に天然海水を汲んで来れる環境にあることが条件。

クエ単体で飼育するなら汲んできた天然海水そのまま使ってもまず死なせることは無い。

欲張ってあれやこれや他の魚を入れ過ぎるから失敗するだけ。

クエは単独でも十分に迫力があり満足できる魚だし、逆に単独の方がクエの魅力を最大限に引き出せる。

フィルターについてもそう。

自分がどういう飼育をしたいのかで全て変わる。

海から遠い街中に住んでて人工海水で極力水替えの頻度を減らしたい、よりデカイ魚を飼いたい、いろんな種類の魚を入れたいなど満たしたい欲求が多いならそれなりにお金を掛けたオーバーフロー+スキマーみたいな本格的なシステムを組む必要があるだろうし、釣ってきた指一本程度の小さなクエの子供1匹だけ汲んできた天然海水で飼うなら水槽とセットで付いてくる上部フィルターでも全然使えるし、自分がどのようにクエを飼育したいのかを考えることが大事。

左衛門佐は浜名湖の天然海水で週に2~3回の水替えを行っているので普通にメンテし易い上部フィルター。

これでも水質の悪化で死なせたクエは今まで1匹もいない。

 

※③~クエを水槽に投入する~

 

さて水が出来、水槽のセッティングが出来たらクエを水槽に投入しよう。

もちろん投入する”ハタ類”はクエ1匹だけである。

水槽内のレイアウトは好きにしていいと思うが”クエの場合”は必ずタコツボとか土管とか隠れ家になる場所を作ってあげよう。

クエは気に入った巣穴に定着する習性があるのでその方が魚が安心する。

左衛門佐の場合は底砂は敷かない。

メンテナンスがし易いからである。

ほとんどの場合タコツボか塩ビ管がデン!と入れてあるだけである。

水槽の中に小さな海を作りたい人は頑張って海底をイメージし、レイアウトしよう。

 

サイズの割に迫力のある当歳魚。2019年採集個体。

 

模様に特徴があり、かなりカッコイイ個体。(手前の魚)2023年採集個体。

 

クエ以外の他の魚は入れちゃいかんの?

と、当然思う人がいると思うが、

ど~しても入れたければ入れてもいいと思う。

ただ、絶対に魚を入れ過ぎないように。

魚が多くなればなるほど水が悪くなるのが早くなる。

左衛門佐はクエは1匹だけで飼育するのが絶対にいいと思うけど。

(左衛門佐の場合はハタ類は基本単独飼育)

ただ、殺害される危険性も高いので細心の注意が必要である。

もし他魚種を入れるなら、クエより大きい魚の方がいい。

もしくは逆にアミメハギとかフグとか喧嘩の相手にすらならないような魚。

こればっかりはやってみなければわからないところが大きい。

クエの性格はとにかく”個体差が激しい”ので釣ってきたクエの性格にもよるし、

混泳させる魚の魚種や大きさにも大きく左右される。

 

以前飼育していた2019年産の個体。プロの殺し屋でした。。。

 

クエはかなり丈夫な魚なので飼育はとても楽だが夏場の水温管理だけ気を付けよう。

クエの場合、夏場の限界点は28℃だと覚えておこう。

左衛門佐の水槽の場合、水槽用のクーラーは使用しないので

毎年盛夏期はこれぐらいの水温になっているが死亡させたことは一度も無い。

飼っているにゃんこ達の為に夏場はエアコンをつけっぱなしなので

部屋の温度が大体これぐらいになっているからだ。

夏場は水が悪くなりやすいので水替えは頻繁に半分ほどを入れ替えている。

レーシーなど水槽用のクーラーを持っている人は23~25℃ぐらいに設定しておこう。

逆に冬場の対応だが厳寒地でなければ加温は必要無い。

左衛門佐の場合は冬場でもいっさいヒーターでの加温はしない。

冬場に成長して欲しくないからである。

クエは水温が低くなると餌食いが悪くなり、成長停滞がおこる。

それは少しでも小さなままでいて欲しい水槽での飼育においては都合のいいことだからだ。

もちろん東北地方とか北海道とかでクエを飼育したい人はそれなりに加温してあげよう。

水温余裕で10℃以下、下手すると5℃下回っちゃいまーすみたいな環境では流石に死んでしまうので10℃は下回らないように気をつけよう。

 

※④~クエの餌~

 

さて、クエに与える餌であるが

最も飼育が楽な8~12cmぐらいの個体の場合、

街で暮らしている一般的な人が飼うなら

釣り餌屋さんで売っているメバル釣りなどに使う

淡水の活きエビ(湖産エビ)が一番良いと思う。

安いし、淡水エビなので別のプラ容器で簡単に保管できるし、

何より病気を持ち込まないのが良い。

しかし食べ残すと海水の中では長くは生きられないので死んでしまい、

水を汚すことになるので食べれる分だけ与え、

もし残したらネットで救出しよう。

 

クエは基本的にどの大きさでも活きたエビが好きな子が”多い”・・・と思う。

困ったことに・・・全てではない。

今まで飼育してきた子の中でも全くエビは食べなかった子は少なからずいる。

確立的に天然クエの幼魚5匹居たら、その内1匹はエビ食べないぐらいの感じだ。

 

ヒメハゼしか食べてくれなかった浜名湖産クエの幼魚。

2022年採集個体。

 

左衛門佐が上のクエに毎日与えていたヒメハゼ。多くのクエ幼魚が好んで食べる良い活き餌だ。

 

でも多分、最初から美味しい魚を与えず、

エビで餌付けすればずっと食べてくれるんじゃないかと思う。

クエは個体によって性格差がめちゃくちゃ激しく、

おとなしくて何でも食べてくれるよい子もいれば

ちょっと気に入らない餌を投入すると全て食べずに殺害してしまう子もいるので

そこがクエの飼育の難しいところである。

左衛門佐は毎年、必ずその年産まれのクエを最低1匹は飼育することにしているが

ここ2~3年は殺し屋系の子に当たってしまったので

餌やりにはかなり苦労している。

2022年に飼育していた子は好物のヒメハゼ以外は入れても全て食べずに殺害してしまった。

また、ヒメハゼも入れすぎると食べ残した分は全て殺害してしまうので

少しずつ様子を見ながら投入していた。

 

本当に困った性格の子が多いクエの幼魚。2017年採集個体。

 

10月に採集したサイズの小さな当歳魚。2020年採集個体。

 

2歳魚になるとこのエビではボリューム不足になるので

別の餌が必要かもしれない。

左衛門佐が前回飼育していたクエは2歳魚時、

餌には釣ってきた小アジを与えていた。

が!!

この餌の加減がと~~~っても難しかった。。。

左衛門佐としては何匹かまとめてアジを入れといた方が

わざわざ海中イケスからアジを出してくる手間が省けるので

そうしたかったのだが・・・。

殺しちゃうの。

食べ残したぶん、全部。

これはクエ以外のハタにも時折見られる習性。

クエの場合は活きた小魚を与える場合、

様子を見ながら食べる分だけ投入した方がいい。

 

殺害されてしまったアジ。合掌。。。

 

クエのこの、”食べないけど殺す”。

という殺害衝動は投入した餌だけでなく、

混泳させる他魚種にも向けられることがあるので

さっきクエは1匹だけで飼育した方がいいと言ったのはそれが理由。

まあ流石に自分と同じぐらいの大きさのクロダイに攻撃は仕掛けないと思うけど。

 

ただ、クエは意外と賢い魚で毎日餌を与えているとかなり人に慣れる。

まあ、これも本当に個体差があって左衛門佐が水槽の前に立つとタコツボから出てきて

餌くれ~ってねだってくる可愛い子もいれば、

腹が減ると水槽のガラスをガン!ガン!!って噛みついて怒りまくる短気な子もいるし、

今飼育してる子みたいに臆病で人がいると隠れ家から出てこない子もいる。

しかし餌付けの仕方によっては人間の手からも餌を食べるようになるのでそうなると必ずしも活き餌でなければならないわけではないため、

最悪活き餌がどうしても手に入らないときはスーパーなどで買ってきた死んだ餌でも食べさせることができる。

人馴れした個体は魚の切り身とか冷凍のエビとかイカの切り身でも

手に持って水面でホヨホヨと動かすとバホッ!!と食ってくれると思う。

餌代のコストはめっちゃ掛かりそうだけど。下手すると自分の指も食われるので気をつけて。

 

海でエビやハゼ、イナっ子などを捕ってきて与えるのもいいが、

水が悪くなりやすい夏場など心配な場合は与える前に淡水浴させて殺菌しよう。

こうした餌が病原菌を保菌していることが多いからだ。

淡水浴させればトリコディナなど恐ろしい病気をかなり防ぐことができる。

くどいけど小魚を与える場合は与え過ぎに注意。

ウチの子みたいな性格の子だと、食べ残しをみんな殺られてしまう。

 

既に人工餌に餌付けされている育苗用の養殖個体をネットで購入する手もある。

初めから人工餌に餌付けされている養殖個体ならきっと飼育も楽だろう。

クエを初めて飼育する人で自信が無いならまずはそこから始めてもいいかもしれない。

ただ、左衛門佐的にはクエを飼育する楽しみは半減すると思う。

やはり海底の王の子供は出来るなら活き餌で育てたい。

活き餌で育てるつもりなら養殖個体ではなく、産地のハッキリした天然個体を購入しよう。

 

※~最後に~

 

さて、飼育していた個体を”どこまで”飼育するのかは

それぞれの判断で良いと思うが、大切なのは”無理して飼わない”ということである。

水槽の中が魚だらけで密になりすぎていたり、

その魚にとって水槽が狭すぎたりすると魚にとって良い結果にならない。

飼育していた魚が死んでしまうと後味の悪い印象しか残らないので

元気なうちに海に返してやるのも一つの勇気だと左衛門佐は思う。

左衛門佐が非常に短いローテーションで魚を入れ替えているのも

そこに理由がある。

それに同じ魚種でもたくさんの個体を飼育することで、

その個体差や性格差を発見することができ、

次の飼育の参考にすることもできる。

特に今回紹介したクエなどはその性格にかなり個体差があり、

100個体以上の天然クエの幼魚を飼育した経験のある左衛門佐でも

未だ飼育するたびに新しい発見があって楽しかったりする。

ただ、漠然と魚を飼育するのではなく、

自分の家の水槽の子がどんな性格の子なのか?という深いところまで

観察しながら飼育するとより楽しい飼育になると思う。

 

半年間の飼育を終え浜名湖に返るクエの幼魚たち。左衛門佐の場合60cm水槽での飼育はこの大きさまで育てたら浜名湖に返してまた秋にその年産まれの当歳魚を採集して飼育する。

 

それでは楽しい海水魚飼育を楽しんでください!!

 

さあ、海底の王者クエを飼ってみよう!!