前回、苦労して5匹のキスを釣ることに成功した左衛門佐。

数こそ少ないものの、ロクマル・ナナマルクラスの座布団ヒラメが

毎日のように釣れていた5月の浜名湖。

餌の確保にモタモタしている間に5月は終わってしまい、

座布団フィーバーも終了してしまったようだったが

それでも万に一つの可能性を信じて虎の子のキス5匹を持って出撃した。

 

しかしこの日は小潮の上に下げピークと上げピークの潮位差が10cmしかなく、

流してみるとまるで亀が歩くような遅さ。

一流しする間にガチで寝れる。

おまけに底潮全然効いてねえ。

仕掛け重っ!!

 

早くもやる気メーターゼロだが苦労して手に入れた虎の子のキスを1匹、

針に掛けてしまった以上、貴重な餌は1匹たりとも無駄にはしたくない。

あー、それにしても退屈な釣りだ。

流しってこんなに退屈な釣りだったろうか。。。

よくこんな釣り10年以上もやってたな、俺。

 

退屈に耐えること3流し目、

ようやくゴ・・・ゴツゴツとアタリ。

・・・せわしないアタリだな。

マゴチか?

全く掛かりそうな気がしないがカツン!!といってみると

予想に反して掛かった。

しかしこちらは予想通り手応えは軽い。

上がってきたのは40弱のマゴチ。

左衛門目視で38cmってトコ。

測るまでもなくノンキーだ。

呑まれたかと思ったが口の中を覗いたら針が見えた。

良かった、リリース可能だ。

 

 

 

さらにやる気メーターが下がる。

とてもロクマルとかナナマルって雰囲気じゃないんですけど。

次のキスを付けるべきか否か真剣に悩んだが

小さいけど1本釣れたし、もしかしたらここから時合かも・・・。

という希望に駆られて新しいキスを付ける。

しかしここからまたしても

 

「アタらね~・・・。」

 

あ~あ、やっぱヤメときゃよかったな。

せっかくのキスを1匹、無駄にしてしまった。

と思ったら・・・何か食った。

しかし・・・。??

離した・・・か。

何でだ?

と思ったらまた食った。

でもまた離す。

同じ魚だ。

上げてみるとマゴチの歯型。

歯型からしてガキではなさそうだが・・・。

キスはかなり弱っているがまだかろうじて泳いでいる。

もったいないのでこれでもうちょっと流してみる。

それにしてもあくびが出るぐらいスローな釣りだ。

いくらなんでも潮がヌルすぎ。

正直もう耐えられない。

ヤメるか・・・と思ったと同時にコンと小さくアタる。

やる気無いのは判っているので送り込まず即アワセで掛ける。

・・・手応え軽っ!!

上がってきたのはサンゴーぐらいのチビヒラメ。

これを見てついに決断。

ヤメ。

 

 

こんな状況で苦労して手に入れたなけなしのキスを全部使ってしまうのは勿体ない。

とりあえず残りのキス3匹残しておけばもうちょい条件のいい時に

もう一勝負できるからな。

それにこの緩い潮ならキスやアジやるにはちょうどいいかも。

タックルチェンジの為に一度桟橋に戻る。

桟橋でヒラメとマゴチをリリースし、

流しタックルからキス・アジ釣り用タックルに積み替えて再度出撃。

 

まずはキスからやる。

難攻不落、浜名湖釣魚難易度ランク最高のSランクだが

前回は幸運にも5匹釣れている。

今回もあわよくば10匹ぐらい釣れるのではないだろうか。

潮が激ヌルなのでアンカーは打たず、

流しながら群れを探してゆく。

1匹釣れて群れを見つけたらアンカーを打ち、

腰を据えて狙う作戦だ。

だがしかし・・・。

アタらない。

釣れてくるのはお決まりの太郎とか、

何やら変な魚ばかり。

 

これはもしや・・・美味しいムニエルさん?

 

これは・・・何だっけ。ニラ?イラ?ベラ?エラ?オラ?

 

ギマってさあ・・・立つんだよね、こうやって。

 

しかし・・・あまりに釣れないので港近辺でアジ釣りにチェンジ。

一生懸命コマセを振るが・・・何も寄ってこない。

キス釣りに戻す。

そして1時間後・・・。

そこには真っ白な灰と化した左衛門佐がいた。

今日も浜名湖がコークスクリューを準備する音が聞こえる。

このままではまずい・・・。

はね返さなくては・・・。

アブドゥル・・・イギー・・・

俺に勇気をくれッ!!

しかし無情にも無の時間は続く。

 

わかった・・・。

今日もお前の勝ちだ、浜名湖・・・。

俺の負けを認める・・・。

だからせめて・・・。

せめて1匹だけでもキスの顔を拝ませてくれ・・・。

 

「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!!!!!」

 

もちろんそんな祈りにも近い左衛門佐の願いなど届くはずもなく、

いつものように左衛門佐の脳天めがけて無慈悲すぎる致命の一撃が振り下ろされ、

左衛門佐はド派手に脳髄をブチ撒けながら失意と絶望の中、

浜名湖の底へと沈んでいった・・・。

そう、左衛門佐はまたしても敗北したのだ・・・。

 

キスとアジに敗北してからというもの、

毎日酒浸りでヤサグレた生活を送っていた左衛門佐。

心に黒き炎を灯しながら絶対に復讐してやる・・・と誓う。

すると庭でなにやらイジっていた隣家の師匠が左衛門佐の顔を見て、

 

師 「どうだお前さん、釣れとるか?」

 

左 「ムキッ!?ムッキー!!ムキムキムッキー!!」

 

師 「・・・。まーたボ〇ズだったんか。」

 

左 「ムキキーッ!!ムッキームキムキーッ!!!!!」

 

師 「ふーむ、オカシイのぉ。。。ワシはここ二日連続で200匹釣ってきとるがのぉ。」

 

・・・おいジジイ、今何つった??

に、にひゃくとか何とか。。。

 

師 「アジ200匹だ。」

 

思わず膝から崩れ落ちそうになる左衛門佐。

に、にひゃく・・・にひゃく?だ・・・と??

 

左 「ど・・・どこで?」

 

師 「港だ。」

 

そして休みの前日。

仕事を終えた左衛門佐、満を持して船に飛び乗る!!

この日を待っていたのだ、今日こそ絶対にリベンジしてやる!!

エンジン始動!!

スロットル全開!!

固有スキル、”優等生×バクシン=大勝利ッ”(LV5)、

加速スキル、”スプリントターボ”発動!!

左衛門艇を駆り、浜名湖の湖上を突き進む左衛門佐!!

釣ったる!!

今日こそ左衛門佐アジ釣ったる!!

 

新居の港に到着!!

さっそく釣り始める。

既に4隻ほどサビキをやってる先行艇が。

ってことは本当に釣れてるのかな?

しかし開始して30分経っても何もアタらない。

おい師匠~、またガセネタじゃんかよ~。

 

泣きそうになっていると・・・いきなりプルプルと何かきた。

仕掛けを上げてみると・・・、アジが付いていた。

 

つ・・・釣れた・・・。

 

ついに・・・釣れた。

 

マジか!!やったーついに左衛門佐アジ釣った!!

群れが寄ってきたのか、仕掛けを落とすとすぐにまた釣れてくる。

見るとコマセの周りに真っ黒になるぐらいのアジの大群!!

あ”あ”あ”ーーーー!!!!!

もう絶対に絶対に絶対に絶対に許さん許さん許さん許さん

お前たちのせいで何回ボ〇ズ食らったと思ってるんだ

お前たちのせいで何回脳髄ブチ撒けたと思ってるんだ

おかげでただでさえ足りない脳みそがますます足らなくなったんだぞ!!

ただでさえバカな頭がますますバカになったんだぞ!!

もう根こそぎだ絶滅だ絶対に許さん

何をするだァーーーッゆるさんッ!

 

怒りの炎に燃える左衛門佐!!

次から次へとアジを釣り上げる!!

イケスの中は徐々にアジで一杯になってゆく。

だがこんなものでは気が収まらない。

容赦せん容赦せん左衛門佐、容赦せん!!

(だからいちいちネタが古いんだって)

 

気がつけば時刻は16時過ぎ。

イケスは・・・アジでいっぱいになっていた。

僅かだが流しの餌にちょうど良さそうなサバも合わせて

どう見ても200匹以上は釣れた。

 

右のイケス

 

左のイケス

 

・・・勝った。

 

ついに勝った。

浜名湖の強敵、アジはついに左衛門佐の前に敗れ去った!!

 

はぁ、はぁ。

やってやったぜ。

これぞまさにバクシン大勝利だ。

本当はまだまだ釣っていたい心境だったが

流石にイケスがもう一杯だ。

それに酒の肴が何も無い。

クロダイも何枚か釣ってこないといけない。

後ろ髪を引かれる思いで撤収。

仕方ない、今日のところはこの辺で勘弁しておいてやる。

それにしてもサビキは釣れるとめっちゃ楽しいな。

何も無いとマジでコーキュートスだが

釣れれば南国パラダイスだ。

 

桟橋に着き、

釣った大切なアジを海中イケスに投入。

タックルをサビキからクロダイ用に積み替えて再度出撃。

時間を見ると何だかんだやってたせいで既に17時を大きく過ぎていた。

アカンがNE!!

流石に夜釣りやるほどの気力体力は無いぞ!!

夕方の1時間に賭ける。

潮はまだまだガンガン上がってきているので問題ないはずだ。

18時半まで約1時間ほど竿出して5枚掛け、4枚獲れた。

何故か40ちょいぐらいの小さめの魚が多かった。

よし、酒の肴はこんなもんでいいだろう。

 

1枚目。クロダイ41cm。

 

2枚目。クロダイ46cm。

 

3枚目。クロダイ40cm。

 

4枚目。クロダイ41cm。

 

 

 

 

というわけで今回はなんとアジが約200匹と久しぶりの大爆釣。

非常に満足のゆく釣果だった。

あまりの釣れなさに自分は釣りの才能が無いのではないかと疑ってしまったこともあったが

やはり左衛門佐は天才だった。

しかしついにアジをやっつけたからと言ってまだ手放しでは喜べない。

まだ難敵浜名湖の牙城の一角を崩したにすぎないのだ。

脳髄が飛び出すまで叩きのめされ、痛めつけられた相手はアジだけではない。

まだ浜名湖釣魚難易度最高Sランクのキスという本丸が残っている。

このキスを1日に最低でも20本以上釣らなければ

浜名湖に本当に勝利したとは言えないのだ!!

 

でもサビキ釣りが本当に楽しかったから近いうちにまた行こう。

今度はもうちょっとサバも釣れてくれんかな。