浜名湖でのマゴチ釣り。

ここ浜名湖でヒラメ釣りが人気になるよりも遥かにずっと昔から

伝統的な流し釣りでのマゴチ釣りは行われていたそうな。

 

10月に獲ったロクマルのマゴチ。ここ浜名湖ではマゴチもヒラメと並び人気のターゲットだ。

 

でもそのスタイルは水深の浅いミオ筋をリールの無い手延べ竿に小さめのサイマキを付け、

20~30cmクラスの小型のマゴチの数釣りを楽しむといったような感じだったらしい。

もちろん今ではそんなスタイルでマゴチを狙っている人はいない。

50cmは当たり前、60cm、70cm狙いが主流となった近年のマゴチ釣りは

その頃に比べると比べ物にならないくらい進化した。

特にルアーでの釣りは飛躍的に進化し、

ボトムワインドと呼ばれる超強力な釣法があみ出されてからは

毎回のように好釣果を上げてくるアングラーが多くなった。

ボトムワインドは餌での流し釣りに比べて圧倒的に手返しが良いので

今では浜名湖最強の対マゴチ釣法だと言えるだろう。

 

表浜名湖に主な好ポイントが多いヒラメと違い、

マゴチの好ポイントは中浜名湖~奥浜名湖に多い。

もちろん奥でもヒラメは釣れるし、表でもマゴチは釣れるが

主戦場となる場所は異なっている。

 

浜名湖ではマゴチはほぼ一年中釣れるのだが、

ベストシーズンは晩春~初夏と晩秋~初冬の年2回。

どちらも条件や潮回りがうまくハマれば50cmUPの良型がよく釣れる。

 

5月に獲ったナナマルのヒラメとロクマルのマゴチ。初夏のシーズンもよく釣れる。

 

こちらは12月に獲ったナナマルのヒラメとロクマルのマゴチ。

浜名湖の12月は数、型共に狙えるベストシーズンだ。

 

こちらはマゴチのゴーマル艦隊。これも12月。時期によってはこんなふうに釣れてくる魚が全て50cmUPなんてこともある。

 

しかし、晩春~初夏のシーズン、特に湖奥のポイントでの釣りは

どうしても産卵に絡んだ親魚を釣ることになるため、

その時期左衛門佐はなるべく湖奥には行かないようにしている。

浜名湖の湖奥はマゴチの産卵場だからだ。

また、もし行って釣れたとしても腹いっぱいに抱卵した55cm以上の大型魚はリリースしている。

 

6月に獲った65cm。写真でもわかるほどに卵を腹いっぱいに抱えていたためリリースした。

 

浜名湖に帰ってゆく62cmのマゴチ。この個体もやはり抱卵個体。これも6月。

 

左衛門佐の場合、マゴチは40cm未満の小型魚全てと産卵期の抱卵した大型魚は

リリースすると決めている。

だからといって別にリリースを強要しているわけではない。

たまの休日にしか釣りに出られない人だって多い。

高いお金を出してレンタルボートを借りて活き餌を買い、

やっとの思いで手にした魚を持って帰りたいと思うのは当然の心情だからだ。

しかしマゴチはヒラメと違い、ほとんど稚魚放流はされておらず、

天然魚の産卵による資源量に頼るしかないため、

抱卵した親魚の保護は自分たちがずっとマゴチ釣りを楽しむうえでどうしても避けては通れない。

 

左衛門佐は以前、浜名湖で毎年マゴチの産卵状況の調査をしていたが、

一時、確認できるマゴチの幼魚の数が著しく減った時期が何年かあった。

左衛門佐がヒラメよりも特にマゴチをリリースして保護しようと考えるようになったのもそれからだ。

 

以前左衛門佐が行っていたマゴチ幼魚の調査。確認できた幼魚の数や大きさから産卵状況や産卵時期を推測する。

 

特に60cmを大きく超えるような大型のメスが抱える卵の数は

50cmのメス3尾が抱える卵の数にも相当する。

60cmを超えるような大型のマゴチはどうせ食べても不味いので

それなら明日のためにリリースした方がずっといい。

 

釣果としては、晩春~初夏と晩秋~初冬、

どちらのシーズンもそん色ない。

ハマればどちらでも良く釣れるのでできれば産卵期は外した晩秋~初冬にボコボコに釣りたいところ。

 

流し釣りでマゴチを狙う場合、

ヒラメ以上にしっかり底をとることを意識しよう。

左衛門佐の左衛門流、近代型・新弁天流しはそのスタイルから

ヒラメよりもマゴチ釣りに合っているかもしれないと思うようになった。

餌はハゼが一番良いと思う。

底がとりやすいからだ。

晩春~初夏のシーズンは何故かサバの餌で55UP~ロクマルがよく釣れる。

晩秋~初冬はヒラメ狙いのキス餌にも大型が食ってくる。

 

マゴチに関しては、ここ浜名湖は全国でも屈指の好釣り場だと思う。

いつまでもその渚がマゴチの幼魚たちで賑わう浜名湖であってほしいと願う。