星たちが流るる夜更けふたりしか見えないを見つめ続けた/蛇口ひろこ

 

↓「闇」で。

↓「間」なのか「闇」なのかよく見えんからね、拡大したよね…

 

ぼんやりと人の気配を感じつつ夕の路地を早足で過ぐ/藤田美香

 

 

【31.鳩→32.種類→33.かわいい→34.犬→35.近づいて→36.モミの木→37.重ねる→38.鍋→39.あれ→40.やたら→41.タグ→42.仕事→43.こじ開け→44.クローゼット→45.世界→46.一冊→47.目の前→48.しずか→49.届かず→50.流るる→51.闇→52. 】

 

※1~30のまとめはコチラ

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がちゃがちゃの話を延々綴ろうかと思ったんだけど、自重します。

 

今回のひろこさんの短歌について。

 

とてもわかりやすい、一読ロマンチックだなと思った。

ひろこさん、時々急にこういうのぶっこんでくるなあ…と思いつつ。

 

もう一度読んで、不穏、だと気付く。

前言撤回。ロマンチックじゃなかった。

 

流星群(だと思った。普通の夜空かもしれないけど)を夜中にふたりで見上げている。

この「ふたり」は、どんなふたりかはわからない。

家族なのか恋人なのか、友だちかもしれないし、まあそれはわからない。

でも夜更けにふたり、だから、親密な関係だということにはなるよね。

それで、そのふたりが見ているのは星ではなく、闇。

わざわざ「星たちが流るる」と言ってるのに、そこに焦点は向けられていない。不穏。

 

「ふたりしか見えない闇」としているので、この闇は何かふたりにとっての良くないもののメタファーなのかも。

ただの夜空の闇だとしても、どっちにしても星をみていない。

このシチュエーションで星を見ないというのは、不穏やろ。不穏よ。

さらっと怖い短歌書くなあ…と感心したのでした。

 

甘いだけの短歌は最近ちょっと苦手なので笑

苦手というか、恥ずかしくなるんよね。もう甘いところから随分離れてしまったからなのかね…

恋愛のことしか短歌にしていなかったあの頃の私、どこ行った。

 

今回の短歌、好き、そういう意味で読んだから。

すごく好き。不穏。