E-5君…さようなら、OLYMPUSさん…また逢う日まで… | Zackeyの雑多な趣味と雑多な暴言、そして…日常
March 03, 2011 09:17:12

E-5君…さようなら、OLYMPUSさん…また逢う日まで…

テーマ:カメラ・機材
先に言って置きますと
僕が、自分で購入したカメラを手放す事は稀有です。


OLYMPUS E-5といえば…
登場したばかりのフラッグシップモデルです。
購入しましたが、友人に譲りました。

E-5単体として考えれば
コストパフォーマンスに優れ、
軽量コンパクトで扱いやすく、
丈夫で入門者からプロまで使用できる、
「優れたカメラ」といえると思います。

勿論の事、Nikon・Canonの
フルサイズ・フラッグシップと比較すれば、
評価のし様が無い、というか別次元の存在ですが…
NikonD3系やCanon1D系は、
「一般的に変える値段ではないカメラ」
つまり、プロ専用機材的なものですからね。

「ん?E-5は良いカメラだ、と思っているのではないの?」
ここまで読まれた方は、そう思うでしょう…
が、僕は先代であるE-3を長く使ってきました。
どうしても、E-3からの進化という側面で評価してしまいます。
となると、要らないカメラ…残念ながらそうなります。

問題は、正に
「入門者からプロまで…」
という所に在ったりします。
E-3と比べて、RAW撮影をするには殆ど変わらないカメラなんですね…

変わった点を挙げてみましょう。
・LPFと画像処理系の最適化によって高感度ノイズ耐性と解像感がました。
・撮像素子(LiveMOS)が新しくなり、実質出力解像度が若干増えた。
・手振れ補正モードに、縦構図での流し撮り用のIS3が追加された。
・液晶の高解像度・大型化とリニアな反応によってライブビュー撮影がより便利になった。
・画像処理エンジン更新に合わせて、各種のデジタルフィルターが搭載された。
・デジタル水準器を内蔵した事により、水平(レベル)が採り易くなった。
・HD画質の動画撮影が可能になった(フルHDでもなく、H.246AVCでもない中途半端な機能だが)。
・オートフォーカスアルゴリズムの改変により、そのスピードが向上した。
・同時に、ライブビュー撮影時にいメージャーフォーカスに対応した。
・電源回路系の設計ミスが改善され、バッテリートラブルが減少した。
・価格が大幅に安くなった。

この辺りが、主な変更点ですかね…
で、E-1からのEシリーズ使いとしては
・必要なグレードアップよりも、不要なものが多いこと
・堅牢性が劣る記がする面やファインダー光学系の変更が無いこと
・シャッターユニットの改変が無く、秒間5コマ(最大)が変わらないこと
・相変わらず、バッファーメモリ処理が苦手なこと
・それほど重要ではない液晶が2.5inから3inに大型化されたこと
・それによって、ホールディングや取り回しが悪くなったこと
・軽量化したかったのか、堅牢性を保ちたかったのかが中途半端で判りにくいこと
など、評価できない点が多いのです。

実際に使用してみて思った事は、
・RAW撮影するのであれば多くの画像処理エンジン追加機能が重要でないこと
・外形寸法を変えずに液晶が大きくなった為に、ホールディングの自由度が減ったこと
・同様にその自由度が減ったことにより、メイン・サブダイヤルが微妙に使い難くなったこと
・高感度耐性は画像処理系での誤魔化しで、実際にはダイナミックレンジの向上が見られないこと
・この程度の撮像素子解像度の向上では、結果的にそれほど恩恵を受けないこと
・E-3と同等のファインダー光学系でしかないのに録り回しが悪い二のは、撮影条件が制限されること
・ズームレンズを用いた流し撮りをする場合には、現在のAFのスピードでは処理しきれずIS3は重要でないこと
・感覚でしかないが、E-3と比べても堅牢性が低下しているように思え、E-1とは比べようも無い程度であること
・電源回路をせっかく修繕したのに、バッテリーグリップ装着時のアイレベルの変化が変わらず存在し、違和感がE-3と同じであること

と、納得できない事項の方が多いと感じたのですね…
特に、「焦ってラインナップをそろえる為に急遽E-3改良版を出した」感は、全く拭えません。


『E-5メインでE-3をサブに使用する』
という方法もありますが、フォーサーズレンズは少なくとも年末までは新設計レンズが発売される事はありませんし、サードパーティ製は大きさがAPS-C基準なので非合理です。
更に、現状のZDレンズ群(オリンパス純正)のラインナップは隙だらけで、システム構築には不十分であり、結局はクラシックレンズをコンバートして穴埋めをするのでAE/AFが進化しても余り重大な意味を持たないんですね…

となると、E-3かE-5かどちらかが不要になるわけですが…
僕にとってE-5は、不要な機能の塊的なカメラですし、他方でE-3には多くの思い出と愛着があります。
「どちらを切るか」となれば、答えは明白ですね…

画像が無くて判り難いのですが…
さて、「RAW撮影ならば」という言葉を多用してきましたが…これには原則事項があります。
「オリンパス純正のRAW現像ソフトを使用しない」というものです。
オリンパス純正の、OLYMPUS STUDIOやOLYMPUS MASTERを使用した場合、
カメラで設定をいじり倒してJPEG撮影したのと大差が無いからです。

現状で僕が「最も優れた現像ソフト」と思っているのは…
市川ソフトラボラトリーのSILKYPIX Proです。
なんと…この現像ソフトを使用してノイズ処理を行うと…
「E-3で撮影したRAWとE-5で撮影したそれの現像結果を、限りなく禁じさせる事が出来る」のです。
これこそが、E-5の撮像素子性能が向上した事が高感度耐性や解像感を生んだわけではなく、
LPFと画像処理の最適化のみによって実現された、それらの性能である証拠だと思うわけです。
限りなく同じに似近い画が出るのであれば、扱いにくい新型は必要ありませんね…

その上、昨年末に遊び用に購入した「Fuji FinePix S5Pro」の
ダイナミックレンジが予想以上に広く、解像感もそこそこE-5並だという点です。
やはり、MOS系撮像素子はCCD撮像素子に敵わない、ということですね。
これは、半導体ロジック設計的に考えても当たり前のことなのですが…
CCDには、伝送用の回路が必要ないからです。その分の余剰スペースが生まれるわけです。
CCDは、歩留まりが悪く高価であるためライカ版カメラには不向きなんですね…
恐らく、MOS系でCCDと同じレベルの処理を行うには現在主流の回路幅では難しいでしょう…
45nmプロセスルールで構成しても、まだ不足だと思います。
これでは、パソコンのCPUよりも大幅に高価になってしまいます。
同じ歩留率なら、数の出るCPUの方が安価になるのは当然ですからね。
因みに、S5ProのCCDは質の悪い事で有名なソニー製のOEMです(笑)
ソニー製のカメラにこのハニカム構造CCDが搭載できないのは、
Fujiが特許を持っていることと、歩留が悪く高価であることの合併的な理由です。
コンデジのFinePixでは、未だこの発展型のCCDが採用されています。
コンデジの中でも画質は最高ですが、撮像素子が高価なため付加機能やボディの質が大幅に劣ります。

簡単に言うと…
フォーサーズの最新機種よりも、E-3と同じ時期に登場したAPS-CのCCD機の方が画質が上であり
純正レンズのラインナップが揃わないのであれば、使い道に困るだけ…となる訳ですね。
で、E-5は処分し、状況によってE-3かS5Proのどちらかをメインにし、他方をサブにすることにしました。
OLYMPUSカメラとしては、手放した2台目のカメラがE-5、ということになりますね…
純粋に「こんなのイラネェよ」と手放したボディとしては初めての機体になります。
(一代目は、大切にしてくれそうな方に差し上げた「C-1400L」でした)


という訳で、OLYMPUSファンは辞めませんが…
今年一杯は、恐らくOLYMPUS純正機材を購入する事はないでしょう。

で、
「E-5君…さようなら」
「OLYMPUSさん…また逢う日まで」
です。

しばらく、写真機材よりも他の趣味に財布はシフトしそうです。
が、レンズのオーバーホールなど諸経費が掛かるのは同じですけれど(笑)

最後に、E-5をフォローしておきます。
初めてデジタル一眼レフカメラを購入される方には、大変お勧めの一台ですよ!
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