アスラン変態への道
キノコ騒動も一息つき、俺は今
天使湯
に来ている。
AA内に温泉があるとは。驚いた。ミネルバにもあれば、と思ったが一緒にあのクソガキと入ると思ったら今のままでいいと思った。
「今日も疲れたわね~。」
「そうだな、ミリアリア。ゆっくり浸かって疲れを取ろう。」
その声は・・・
カ、カガリ!?
カガリが隣の女湯に!?俺は思わず壁に耳をべったりと張り付けた。横からはカガリとミリアリアのきゃっきゃっ、という声が聞える。
くそ~俺もそっちに行きたい!!しかしさすがにそれは無理だよな。今度こそ間違いなくミンチにされるだろう。ああ、でも行きたい。
カガリと一緒にお風呂に入りたい!!
どうやらこのお風呂は女湯と繋がっているようだ。
とりあえず飲むか。
ごくっごくっごく・・・
はぁ~う、うまい!!カガリエキスがたんまり入ったこのお湯はまろやか、かつあっさりとして飲み応えすっきり、味わい深い。ちょっとばかし不純物(ミリアリア?)が気になるが。それすらもカバーして余りある上手さだ。
おかわりだ。ごくごくごく・・・
「ねぇ?なんかお湯がいきなり減ってない?」
「そうか?う~ん。お湯かけすぎたかなぁ。」
し、しまった!!飲みすぎたか。危うく気付かれるところだった。このへんで止めておこう。それにしてもうまかった。いつか
純度100%のカガリ汁を飲みたいものだ(←コラコラ!!)
その時ガラリ、と男湯の戸が開き、ムラサメ隊の連中が入ってきた。
おかげで男湯は野郎でみっちりだ。
ぐえ、暑苦しい、むさくるしい。さっさと上がろう。としたその時、
「やぁ、アスラン殿。せっかくの機会ですし、お背中流ししますよ。」
「え!?」
けっこう、と言おうとしたうちにがしっと腕を捕まれ、ムラサメ隊の隊員に背中に回られてしまった。
そして
「じゃあ、いきま~す。」
と笑顔のその手に握られているのは
金タワシ
「ちょ、ちょっと!!それ!!」
と止める間もなく、ガリっとやられた。
「うぎゃあ~~~!!!か、皮が剥けたぁ~~!!」
俺の絶叫に
「アスラン!?どうしたんだ!?」
カガリがびっくりして声を掛けてくる。
「なんでもありません、カガリ様。ちょっと強くこすりすぎましてな。」
「なんだ。しっかり綺麗にしてもらえよ、アスラン。」
カガリ!!あんまりだよ!!俺は泣きそうになった。すると
「じゃあ、アスラン。私のせっけん貸してやるよ。ほら、投げるぞ!!」
とカガリが壁と天井の間からせっけんを投げてきた。
カガリのせっけん!!
カガリが使ったせっけん!!
カガリが体を洗ったせっけん!!!
俺は飛んだ。
ジャンピングキャッチを決めると手のひらに包まれたせっけんをおそるおそる見た。
なんてつややかな、そしてまろやかな泡をたてて、えもいえぬ芳しい香りを放っている・・・
俺は思わず
なめた。
「アスラン殿はそのせっけんはもったいなくて使えぬ、ということですなぁ。では私のせっけんを貸して差し上げよう。」
いやそれ、
クレンザー
だから。せっけんじゃないから。
そう言っても聞く耳持たず。
天使湯に絶叫が響き渡った。
どこまで堕ちる・・・アスランよ・・・