サムソンのコピー機は、シャープ買収を待たずして。
3月中旬に、サムスンがシャープの複写機事業の買収を打診していたとの報道がなされました。
http://ceron.jp/url/sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/130313/wec13031302300000-n1.htm
ご記憶の方も多いと思います。
そして、買収話が流れてほっとしている方がほとんどかと思います。
しかし、すでにサムスンは、日本メーカーの技術者をたくさん採用し、
技術移転はかなり進んでいます。
なので、シャープ買収をしなければ開発ができないわけでもないのです。
むしろシャープより上位企業の技術者がすでにサムスンにいるのですから。
(実際に触っていないので性能までは分かりません)
そして、実際にすでにサムスン製のコピー機は発売されています。
もちろん日本市場でではありません。
しかも驚いたことに、
googleで検索すると、サムスン製の複写機の情報には日本語のサイト
ではほとんどヒットしません。(シャープ買収のニュースは出てきますが)
Samsung SCX-6555Nなどと機種名まで入れて何件かヒットする程度です。
ウエブ全体で探すと、ようやくいろいろ情報が出てきます。
・・・意図的に情報管制しているのかどうかは分かりませんが。
※下記は日本語に自動翻訳しているだけで、元のサイトは英語です。
もちろんご存知の方は、ご存じのことなのですが、
このお話をすると関連業界にいても、知らずに
「えっ?すでにサムスンさんが、複写機を販売しているの!?」
と驚かれる方も少なくありません。
ところで私はサムスンさんを悪く言うつもりで、
この記事を書いているのではありません。
日本企業が独占的に市場を押さえ、有利に戦ってきたマーケットは、
追随者からみればオイシイマーケット。
部品点数も多く、技術的にも難しいとされていた複写機も然り。
技術的に優位だから大丈夫、などという領域などありません。
デジタルカメラも韓国勢は本気で乗り出してきています。
私は製造業専門の営業コンサルタントですが、
これまでの延長線上に中小製造業の生き残る術はないと考えています。
非常に危機感を持っています。
ただし見方を変えれば、チャンスでもあります。
今、世界中の企業が、日本の中小企業の技術力に着目しています。
もちろん注意は必要ですが、自分たちが持っている力を、
世界中で、その腕を試す時代になったということです。
単なる海外進出ではなく、真の意味でのグローバル企業へ。
実際に、海外に工場を出さずに世界企業になっている
中小企業もあるのですから。
とにもかくにも、日本の特定の大手企業の恩恵を受けて仕事ができてきた
という中小企業にとっては、いち早く、自律の道筋をつけられるような
営業力を備える必要があります。
ザクセスコンサルティング 鬼頭秀彰
根拠のない楽観は危険!
