GIVE&TAKEの盲点
GIVE&TAKE
つまり、人様と良い関係を築くためには、まずこちらが奉仕する、
親切にする、お役に立つところから始めるべき。
というのは、もっともな道理ではあります。
しかし、”本当の御大尽様”というのは、そんな狭い料簡で動いてはいません。
むしろそんなやり方で関係をスタートさせようというのは、
「相手に対して失礼」であり、「相手を低く見積もっている」といえます。
またテクニック論でいえば、
敵対する相手が研究(あるいは大事に)している関連書籍を一冊貸してくれるように頼む。
もちろん丁重にお願いする。
すると、その本を借りただけなのに、その後、相手のこちらに対する態度が徐々に変化していく・・・
というように、「借りを作る」ことから関係性を変えていくこともできます。
これらの場合、自分の側が「借りを作る」というマイナスの関係性から
スタートするので、こちらがわに心理的な負荷があるわけですが、
それは視点を変えて相手の側からすれば、
「貸しを作った」というプラスの関係性からのスタートとなるわけです。
さらにこれを言い換えると、この行為は、
「私のことで、その人に、ちょっといいことをさせてあげた」
ということになります。
それは相手の人にとっては、
「いいことをする機会を得た。そしてあなたに喜んでもらえた」
わけで、そこから、プラスの連鎖が生じていくイメージができるでしょうか。
ここがTAKEから始める関係性の、とても大事なところ。
乞食(こじき)と、乞食(こつじき)の違い。
『人様のお役にたちたい』
この気持ちが大前提にあるのであれば、
そのスタートとしてGIVEとTAKEのどちらが先に来るかは、大した問題ではないのです。
もちろんGIVE&TAKEから始める場合もありますが、
それにだけ囚われすぎていると大事なものに気づかない可能性があります。