釈迦に学ぶ”社会現象”の起こし方(3)
さて、前回までの続き、最終稿です。
たとえ素晴らしい教えであっても、ムーブメントを興すには、
フォロワーが大事だということは、ご理解いただけたかと思います。
さて、その次の段階です。
しかるべき段階において、
釈迦は、500人規模の弟子を持つ異教徒の教祖と対話し、
そして帰依させてゆきます。
異教徒と”対立”するのではなく、”帰依”させてしまうのです。
(この辺りのやり取りのすごさは、原始仏典を読むと書いてあります)
そして、その弟子まるごと仏教徒になってゆくことで、
仏教教団は加速度的にその規模を拡大させてゆくのです。
トップを落とす
ことが、飛躍的な成長に繋がったわけです。
易経的に言えば、大尽を見つける、という事でしょうか。
仏教が発展して数千人規模の大教団に成長したのは、
実は、このように、「異教徒からの集団鞍替え」があったからなのです。
ちなみにここで言う、落とすべきトップとは、
すでに、一定の地位を築いている集団のトップということです。
(これもまさに「他力本願」の極みですね)
現代風に言えば、ベンチャー企業が、大企業の社長さんに理解され、
全面的な協力をもらえるといった感じでしょうか。
もちろん、トップを落とすには、テクニックだけでは通用しません。
この根幹には、素晴らしい教えがあることが大前提です。
しかし、素晴らしい教えだけでも、駄目なのです。
「商品は素晴らしいのになぜ売れないのか!?」
と訝っている経営者には、是非学んで欲しいことです。
釈迦でさえ、広めるための道理に適ったことをやっていたからこそ、
教えが広まったのですから。
最初は、影響力のあるフォロワーを作り、
しかるべきタイミングで、トップを落とす。
これが、ゼロから社会現象を起こすために、
私たちが釈迦から学べることです。