無料体験版は配布するな | 営業改革コンサルトの活動日誌!

無料体験版は配布するな


今コンサルティングを進めている某IT企業でのこと。


新しいパッケージソフトの販売準備を進めているのですが、


その企画担当者いわく、


「より多くの人に試してもらいたいので、無料体験版をダウン

ロードできるようにしたいんですが」



確かに、数を集める、という発想もあります。



でも、このパッケージソフトの場合は、クライアントの基幹業

務に関わる大事なソフトであり、導入支援も大事なので、

中途半端な覚悟で入れても成功はしません。



だからそのようなソフトを、無料体験版で提供しても、


軽い気持ちで、見られて、ちょっと試して、それで終わり。


そんなユーザーを幾ら集めてもあまり意味は無いのです。



しかも、似ているソフトは他にいくらでもあるので、

ちょっと触ってみただけでは、その違いなんて分かりません。



だから体験版をこの会社が実行した場合の、

3ヵ月後の営業会議の議題は想像できてしまいます。


「なぜ体験までしてもらえるのに、問合せに結びつかないのか?」


「どうすれば体験者を、問合せまでプロセスをあげられるのか?」


・・・そういう発想で幾ら智恵を絞っても効果は出ません。



そういうときに、私が決まって言う台詞は、


「それ、受注につながることですか?」


行動と結果(受注)の因果関係に、もっと敏感になるべきです。




ただし、無料体験版に代わる、ユーザーフレンドリーな、

入り口を設ける必要はあります。



そこでこの会社では、


「お試しをご希望であれば、デモを持って説明に行きます。


その方が、その場で質問も出来るし、理解が早いですから。


ただし、社長ないしは決定権者の同席をお願いします。


(もしくは同席は、2回目になっても構わませんので

それを条件とさせてください)」


という仕組みを設けることにしました。



「社長も同席して」と言うハードルを設けることで、

本気の相談しか入ってきません。


もちろんこうすることで、入り口の案件数は無料体験版よりも、

劇的に減ります。


しかし、その案件の受注確率は飛躍的に高くなり、

営業効率も極めて高くなります。


これが ”強い営業” のやり方です。

強引なのとは違いますよ。


ちなみに、ソフトの種類やターゲットによっては、

無料体験版の配布が有効なことも、もちろんあります。

ただしそれが、いつでも通用するわけではないという事です。




ザクセスコンサルティング株式会社