恩は「返す」のではなく、「報いる」もの
恩を受けた側はつい、「恩返し」などと考えてしまいますが、
相手は、見返りなんか気にしていないばかりか、
相手に恩を与えたなどとも露とも思っていないものです。
たとえばウチの嫁は別に母性が強いわけでもありませんが、
風邪で38度の熱があるときでも、当たり前のように台所に
たって食事を用意しようとします。
(たとえそれが手抜きであったとしても・・・^^)
それを、「あんたたちのためにやってやっているんだ」とは
微塵も思っていないようです。実に自然体です。
ましてや恩は、売ったりするものではありません。
ということで、恩は、受けたその人に返す必要はないのでしょう。
むしろ、その恩を違う人に、廻していくこと。
親から受けた恩であれば、自分の子に。
仕事で受けた恩は、他の会社に。
それが、その恩に報いるということかと。
ついでにもうひとつ。
鶴の恩返し。
正体がばれてしまった鶴が、「あの時助けて頂いた鶴です!」と
告白する。すると、おじいさんは、
「・・・はい?そんなことあったかいのう・・・さっぱり覚えてないワイ」
鶴、その場に倒れこむ。
・・・物語としては成立しませんが、これが「恩」というものなのかなと^^
ところで、ビジネスの世界に、登場しませんね、恩。
ドラッカーのマネジメントにも、たぶん出てきませんね、恩。
私は今、コンサルタントして、この一文字の意味について、
ずっと考えているところです。