筑波の恋・・・技術者プレゼンの悲哀
前回の記事の補足として。
「筑波の恋」という短編小説があります。(著:清水義範)
女性に縁のない理系研究者(専門は熱力学)が初デートするお話し。
彼はデートで気の利いた話ができるわけもなく、エントロピーの話を
始めてしまいます。
しかも、相手に気を使った女性が、それなりの反応をして話を聞いて
くれたので、さらに気をよくしてその話しを続けてしまう・・・
その結果、彼は大満足し、彼女は辟易とし・・・当然ながら彼女が次の
デートの誘いに乗るはずも無く、その恋はあっけなく終わる。
という、ちょっとせつないストーリー。
恋愛と営業は同じ、とはよく言われることですが、まさにこの短編は、
技術者が陥りやすい問題を端的に表してくれています。
相手が話を聞いてくれているからと言って安心しないで下さい。
相手は、あなたに気を使って、話を聞いているフリをしたり、
話を合わせてくれているだけ、かも知れないのです。
・・・ご興味があれば一度この小説も読んでみてください。
たしか、『ジャンケン入門』に収録されていたと思います。