◆ザック監督を経営的視点で分析(その2)
遠藤選手がザッケローニ監督の特徴を聞かれ、
次のように語っていました。
「監督は 『日本人はボール回しが非常に上手い。しかしゴールに向
かう動きが極端に少ない』 と言っていた。」と。
この発言は遠藤選手にとって印象的だったのでしょう。
ザッケローニ監督は、とても端的に、わかりやすい表現で日本の
サッカーの問題点を指摘しています。
巷間によく聞かれるような、「決定力不足」などの問題指摘からは、
解決の糸口が見えてきませんが、彼のこの表現のしかたはとても素
晴らしいと思います。
つまり、
批判ではなく、「強み」を認識させつつ、
その「強み」を活かした問題解決方法を提示
しています。
人を動かすために。この一言の発し方は、見習うべきものがあります。
それと、この
『日本人はボール回しが非常に上手い。しかしゴールに向
かう動きが極端に少ない』 というのは、実は、
多くの日本の企業の「営業姿勢」とも符合します。
真面目で、技術もある。しかし、受注というゴールに、動きのベクトルが
なかなか向かっていない。
サッカーで言えば、タテに向かう意識の徹底。
もっと受注というゴールにたどり着くことを意識させる。
そして、そこに向かう道筋(仕組み)を組み立てる。
手段を目的化させない。
そこが大事。
ねんのため、言い換えておきましょうか。
『あなたの会社は、ボール回しが非常に上手い。
しかしゴールに向かう動きが極端に少ない』