◆ちょっと考えてみたこと(ユウキ食品さんの件で)
今回は、単なる雑感記事です^^
先日、ユウキ食品さんが、隠し味となる原材料の表示を意図的に隠していたとして、
農水省から指導を受けました。(新聞報道より)
・・・これは、ものすごく微妙な問題ですね。
営業でのコンサルティングの中でも、
「客先から成分開示を求められているんですが、どうしましょう?」
といった相談を受けることも少なくありません。
異論はあると思いますが、私は、こういうケースでは、
「必要以上に開示する必要はありません」
と言っています。
たとえば、ある材料を混ぜることで耐熱温度が20度高まり、
決定的な差別化要素になっていると言う場合。
客とはいえ、そこまで教えてしまう必要はないと考えます。
でも私は、こうも言うんです。
「公開可能な技術は、できるだけリリースすること。」
もちろんライバルにキャッチアップされるリスクもありますが、
それ以上に、情報をどんどん発信することで、
新しい顧客、新規案件の開拓に繋がる可能性のほうを選択すべきと。
実際に京都のとあるメーカーさんでは、かなりの部分まで技術的な情報も公開し、
それによって顧客の信頼を得て、情報も集まってきて、さらに競争力が高まるという
好循環のサイクルを回しているところもあります。
そこには、ライバルは真似をしても追いつけません。
でもそれを実際にやるには、経営者の相当の覚悟、勇気が不可欠です。
でも、そのメーカーさんでの経験からも、私は
ギリギリのところまでは情報を出してしまえ
そういう考えであるわけです。
もちろん一方で、ライバルに真似をされるのを恐れ、ほとんど何も情報を出さない
と言う会社もありました。
しかし徹底的に隠すと言うのも、もちろん戦略として間違っているとは思いません。
さて今回のユウキ食品さんのケース。
意図的に隠した原材料というのは、さぞかし、
インド奥地の秘伝の調味料でも使っているのかと思いましたが、一部報道によれば、
その隠した原材料はトレハロースなどとのこと。
これは食品加工では、ごく一般的に使われている原材料。
ちょっと、なんだよ・・・という感じがしないでもありません。
でもその使い方などに工夫があるのか?そうならばなおさらですが、
果たして、法を犯してまでも、原材料名は隠すべき情報であったのか・・・
”ユウキ食品さんの商品の特徴”は、その原材料で使っているかどうかではなく、
もっと違うところにあるのではないのかな?とふと思わせる報道でした。
ユウキ食品さん!めげずに頑張ってください。