営業改革コンサルタントとして独立した理由
これは私の知り合いの話。
若いのだが、IT系で独立起業し、頑張っていた。
実にいいやつだ。真面目で、何よりも勤勉。
でも、私が気にしていたのは、どうやって受注を取っているのか?という事。
彼の会社では、これまで勤めていた会社から仕事を回してもらっていて、
独自の営業活動はほとんどしていなかった。
もちろん、立ち上げ時はそれで構わない。
でもいつまでもそのままではいけない。
・・・残念ながら、リーマンショック以降、彼の会社は立ち行かなくなった。
知り合いの会社が潰れることは、駄目だ。
悲しいとかの表現ではなく、やはりそんなことは駄目だ。
無理にでも、おせっかいにでも、もっときちんと関わるべきだった。
組織の中にいるコンサルタントとして、どこか引いている自分がいた。
そんなことでいいのか? ・・・
そして、このことは、自分が独立起業するひとつの理由となった。
実際、ある程度の規模の企業でも、実質的な受注構造が他者に依存している
会社は少なくない。
というか、かなりの割合でそうだろう。
でもそれは、私からすれば、独立したひとつの会社ではない。
経営とは、
「自社が為すべき道を、自らの意志で切り拓くこと」
であり、それを実現させていくのがすなわち、
営業活動なのだ。
それが根幹。
私がその企業の力をみる視点は、
独自に新しいものを生み出す力(技術)と、この受注構造。
売上成長率とか、収益率などは、あくまでも参考に過ぎない。
PL、BSを読むのが、私の仕事じゃない。
高邁な理想論を言いやがって!と思われるかもしれないが、
私がみてきたたくさんの企業で、苦しんでいるのは、それを目指していない会社だ。
それをやっていくと、実に仕事が楽しくなる。
そういうパートナーがどんどん増えていく。
会社の循環が替わっていく。
手厳しいことを言わせて貰う。
よく不景気になると、TVなどで、蒲田あたりの中小企業の経営者が
工場の現場などでインタビューに答えているシーンをみかけるが、
「政府がもっと景気回復の手を打ってくれないと、我々はどうしようもない」
「うちには技術があるのに・・・」
とか、たいてい、こんな類のコメントが多い。それに、実に暗い。
(まあTV局が、そういうコメントだけを選定して流しているともいえるが)
そこには、自分の意志がない。為すべき道も見えない。
そんなことを言っている余裕はない!というかもしれないが、
余裕がなくても、それを目指さねばならない。
それが最上位にあらねばならない。
もちろん、私が支援することの根幹もそこにある。
ちなみに先日新たに契約をして頂いたクライアント企業の社長さんから、
「何社か比較してみたが、他のコンサルティング会社とは違う」と仰っていただけた。
違うと思う。
私の心の中には、その友人の会社のことがあるから。