日本の製造業に足らないもの
Ipad、Iphone・・・ものすごく話題になっていますね。
そしてなぜああいうものが日本のメーカーに作れなかったということも、一方で言われています。
しかし、私は、日本のある中小企業が、
あのタッチパネルの中核となる技術の開発を行ない、
まさにそれらの機種に採用されていく過程を知っているのですが、
そうです、日本にはあれを作る技術がなかったわけではないのです。
あったんです。
でも、当時何が起こっていたのか?
ちょっとタッチパネルを思い出してみてください。
タッチパネルには主に二通りの方式があります。
ひとつは、ニンテンドーの携帯型ゲーム機のような、物理的に押した部分が接して通電するタイプ、
そしてIphoneのように、人間を介した静電気の流れで通電するタイプ。
後者のタイプを、日本のメーカーにその会社が持って言って商談すると、
いろいろと問題点を指摘され、市場にも使い方としてはなかなか受け入れられないだろうという
ジャッジをされ、「様子見」の状況に。話はなかなか進みません。
そして、先陣を切ったのが、アップル社という事になったのでした。
日本のメーカーは、アップル社と同等かそれよりも早く、技術的な情報は入手できていたわけです。
ちなみにその技術を開発した中小企業さんは、
本当に死ぬか生きるかという瀬戸際で、社長がこの技術に命を賭けるという決断をされ、
そして今があります。
その決断は、傍から見れば、何の根拠もない、社長のカン。嗅覚。
社員も、私も、もちろん銀行も、誰も、その決断についてどうこう言えません。
「良識ある」人だったら、「社長、そんな先の見えない技術に、集中するのは経営的なリスクが
大きいからお止めなさい」とアドバイスするでしょう。ある意味、博打にしか見えませんから^^
覚悟を伴った決断。
でもそれに応えたのは、日本の企業ではありませんでした。
そしてIphoneがヒットした後、即座に食いついたのが、台湾や韓国のメーカー。
まあ節操がないとも言えるくらいの、すぐに真似するエネルギー。
プラダフォンとか出てきましたね^^
さて、日本の製造業。
一体何が足らないのか?
決定的なものが足りません。商談に行けばよくわかります。
坂本龍馬を、分かったつもりで見ているだけでは駄目なのです。
あなたの会社は、龍馬ではなく、龍馬に翻弄される、紀州藩なのかもしれません。
でも、ひとつ流れが変われば、日本の製造業全体が大きく変わる可能性を秘めているのも事実です。
それを支える、この中小メーカーさんのような存在がある限り。