甘めで濃いめ @蝦夷地に根付くだろうか
地下鉄東豊線元町駅近くにうどん屋が出来たとの事でチェックしてましたが、年を明けてからようやく訪問出来ました
日曜のランチ、カミさんと二人です
地下鉄駅から徒歩5~6分ほどで以前も来た事のある場所でした
2022年10月9日 OPEN「山梨甲府うどん一」
カウンター5席ほど、奥の小上がりは2人掛け1卓、4人掛け1卓
先客4名、入り口右手のグラスを持ち奥へどうぞ~と女性に促され小上がりへ
云われた通り空のグラスを持って店の奥へ進み靴を脱いで小上がりへ座る
テーブル上にお冷のポットが置かれている
注文取りに来るんですから運んでも良さそうに思いますが・・・ホスピタリティーの低さは店の魅力を半減させますね
MENUを拝見・・・テーブルに置かれたMENU表は文字のみで写真入りのMENUが壁に貼られています
店名に「山梨甲府」と有って、甲府は仕事で頻繁に訪れていた場所だなのだが「うどん」よりも「ほうとう」のイメージが強い
写真を見て「山梨県 富士吉田市」周辺の郷土料理「吉田のうどん」だと理解する
この地域は水持ちの悪い火山灰土で稲作が難しく小麦の栽培が盛んで「うどん・ほうとう・すいとん」などの粉食料理が昔から常食され、その文化が今も色濃く残っている
甲府や東京にも何軒か店はあって何度か頂いた事があった
「日本一硬いうどん」と云われるほど、しっかりな噛み応えが特徴だがこれにも理由がある
江戸末期から昭和にかけてこのこの土地の基幹産業は、女性が携わる養蚕や機織で、一方耕作地に向かない土地で男性は行商に出て生計を立てた
忙しい女性に代わって男性は炊事を受け持ち強い力で地粉をこね、コシ、硬さ、太さに特徴を持つ「吉田のうどん」が育まれた
もうひとつ女性が炊事を避けたのは水仕事による手荒れやあかぎれで、機織りで扱う糸の汚損を防ぐためとも云われている
オーダーは「肉天わかめ@830」と「肉@680」
5分ほどでの提供
肉天わかめ・・・小さめの丼に「ごぼ天、豚肉、わかめ、キャベツ」と具材てんこ盛り(写真参照)
いただきます
うどんは不揃いな武骨で硬め・・・食感云々よりも麺の短さと温度の低さが気に成る、汁物は熱々で戴きたい
ツユは「醤油」と「味噌」のブレンドが一般的、出汁感弱く甘すぎるのと味が濃くバランスはイマイチ
大きなごぼ天は揚げ置きで熱々ではないが、細く刻んだ牛蒡の食感が良く油っぽさも感じられず旨い
和布は塩蔵を戻したモノでしょうか…量が多すぎて風味が良くないがサービスとしては好感
ツユが甘いのか豚肉が甘いのか良く分からなかったが、全体にかなり甘みの強い濃いめの味付けで「玉子」のトッピングは必須かも知れない
丼が小さめで成人男性の一食分としては少々足りなそう(自身には十分だったが)
総合的に薄味好みの自分の口には全く合わず、中でも他の方のレビューにも有るように温度の低さは致命的に感じる
しかし「武田信玄」お膝元の食文化が蝦夷の地に根付くか楽しみでもある
ちなみに信玄が軍旗に記した「風林火山」は、いざ戦争となった場合の動きを示すための言葉で、動くべき時には風のように迅速に、動くべきでない平常時には林のように静観し、いざ行動を起こすときには烈火の如く侵攻し、守るべき時には山のようにどっしりと構えるよう、状況に応じて柔軟に対応するように……との戒めだ
ごちそうさまでした