国立医薬品食品衛生研究所主任研究官の畝山智香子(うねやまちかこ)さんという方が、食品の安全性関係で収集した論文をアップしているサイトがあります。
食品安全情報blog

 そちらの2009/07/31付けの情報に、表題のような内容の報告書がありました。
 畝山さんのサイトを見れば事足りるのかも知れませんが、興味深いので、自分なりに報告書を読んでみました。

 件の報告書は、こちらです。
Organic review published Wednesday 29 July 2009


 この報告書では、「オーガニック食品と通常食品には、含有栄養素にも健康への寄与においても、大きな違いはない」、と結論づけています。
( there are no important differences in the nutrition content, or any additional health benefits, of organic food when compared with conventionally produced food)

 過去50年間に発表された論文を全て当たり、オーガニック食品と通常食品で含有栄養素に違いはあるか、また健康への役立ち方で違いはあるかについて調べた結果、
「ほんの僅かな栄養素の違いが見られることもあったが、健康に関与するほどのものではなく、栄養学的な優位性をもってオーガニック食品を選択する理由はない」としています。
(A small number of differences in nutrient content were found to exist between organically and conventionally produced crops and livestock, but these are unlikely to be of any public health relevance. Our review indicates that there is currently no evidence to support the selection of organically over conventionally produced foods on the basis of nutritional superiority.)

 
 さらに、畝山さんは追記として食品安全情報blogに、栄養価ではなく、この報告書では触れられていない「農薬使用による選択肢」に関して言及しています。
 そこで畝山さんは、農薬の使用と残留農薬に関しては常に監視されており安全性の担保となっている、と述べています。
 私も、適正な量と方法において、農薬の使用は安全であると考えています。


 結果として、オーガニック食品を選ぶ理由は、思い込みによる好みの問題ということになりそうです。

 この話題、ちょっと続く…かも知れない。