青のパラレルワールド物語

青のパラレルワールド物語

青さんが登場する空想小説を書きます。ご本人様とは一切関係ありません。
腐話もありますので苦手な方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

「予約した高木ですが」

 

二宮さんが、躊躇なく入っていったのは、

俺ならば、近づかないような高級感満載のバー

そもそも店名がアルファベットで、読めない。

これは何語?

英語じゃなさそうだけど・・・

 

「4名様で承っております、高木様ですね。

お連れ様が席でお待ちです。」

 

にこりとボーイさんが言うと、

マダムがえっと、時計を見た

その時計確か・・ロ・ロ・・なんとか・・

お高い奴だ。

 

「2分前。

負けたわ。

彼女いつも約束の3分前に来るのよ。」

 

って、いうことは、

その人さっき来たんじゃないか。

今席に座ったくらいでしょ。

椅子取りゲームじゃないんだからさ。

そんなことで勝ち負け争わなくてもさ。

 

そんな俺の思いが

いつものように声になっていたようで、

マダムが俺を睨む。

 

「いえ、これは私と彼女との闘いよ。

負けられないの。」

「す、すみません。」

 

俺は小さくなって下を向いた。

ハア・・俺がなんで怒られるんだろう・・・

 

「奥様、早く」

「そうね、二宮。

大野君早く。」

 

二人はさっさと奥に進んでいく。

俺も、そのあとを追った。

何の因果でこんな目にあうのかと、

ぶつぶつとぼやきながら。

 

 

 

 

「お連れ様がお見えになりました。

どうぞ、こちらです。」

 

ボーイさんが案内してくれたのは、

店の一番奥の個室。

大きな窓から神戸の夜景がみえる。

すごく綺麗・・

 

「待たせたわね、志麻。」

「恵里香、遅いわよ。」

 

セリフだけ聞くと火花バチバチなんだけど、

二人の顔が笑っている。

 

「フフフフ。相変わらず怖いわね志麻。」

「恵里香もマダム感が増したわよ。」

 

マダムは笑いながら、

志麻と呼んだ女性の肩を叩きながら

横の席に座った。

 

「はじめまして、

櫻井翔のマネージャーをしております。

二宮和也と申します。

今夜はお忙しい中

お時間をとっていただきありがとうございます。」

 

二宮さんってこんな風に

仕事中は笑顔を見せるんだ。

俺にはいつも眼鏡をキラッと

光らせているだけなのに。

 

志麻さんに、

笑顔で礼を言っている姿を横目で見ながら、

ちょっと恨めしい気分になる。

 

えっ・・志麻・・この人志麻さん?

ま、まさかあの893の姐さん役が

良く似合うあの砂上志麻じゃ・・

 

俺はまじまじとその人を見た。

マダムも綺麗だけど、この人もさすが女優だけある。

 

「ふふふ・・恵里香の事務所の

看板タレントでしょう、櫻井君は。

まさか、あの人気毒舌執事シリーズに

主役として呼ばれるとは思いもよらなかったし、

恵里香のところに所属しているってことも、

この件で初めて知ったのよ。

まさか私のやっかいな力が

恵里香の役に立てるとはね。」

「ありがとう志麻。

翔に何か起きる前に手立てしなくちゃ。」

 

マダムが腕を組んで難しい顔をすると、

大女優は、もっと難しい顔をした。

 

「恵里香、もう起きているのよ。

ロケであの屋敷に行ったら

櫻井君は連れて行かれるわ。」

「「「ええっ!」」」

 

俺たちは3人で同時に叫んだ。