仙台市若林区の河原町商店街に、被災者の雇用創出と居場所づくりを目指すコミュニティーショップが開店した。震災で自宅を失い、仮設住宅に暮らす女性たちが接客に励んでいる。徐々になじみ客も増え、地域の交流の場として定着してきた。
<衣類や食器>
「セカンドハンド仙台」は広さ35平方メートル。食器や衣類、雑貨が所狭しと並ぶ。食器は10円から、ジーンズやスカートは500円前後の価格帯が多い。カンボジアの女性の手仕事を支援するフェアトレード商品もある。
店は、高松市の公益社団法人「セカンドハンド」が9月中旬に開いた。同法人は市民や企業から無償提供された衣類や食器を販売し、カンボジアの医療、教育を支援している。ノウハウを被災地の復興支援に生かした。
スタッフは40~70代の女性8人。このうち3人は家が全壊し、仮設住宅に暮らす。仙台の被災者支援団体「パーソナルサポートセンター」の協力を得て、採用した。
太白区のあすと長町仮設住宅から通う佐藤茂子さん(76)は、長年営んだ長町の自宅兼文具店が全壊した。「一時は落ち込んだが、この年でまた働くことができ『まだやれる』と気力が湧いた」と言う。佐藤さんは週3日、店頭に立つ。
菊地成子さん(74)は宮城県亘理町荒浜で被災し、息子家族と離れ、あすと長町仮設住宅に1人で暮らす。菊地さんは「気軽に買い物客とおしゃべりして打ち解けると、互いに友達のような感覚になる」と喜ぶ。
<あす茶話会>
店の一角ではお茶も提供している。来店者の口コミが広がり、最近は1日20人ほどが訪れる。河原町周辺は一人暮らしの高齢者が多く、茶請けを持参して毎日、足を運ぶ常連客もいるという。
セカンドハンドは、震災直後から宮城県内に支援物資を送り、募金を元手に被災者をがれき撤去作業に雇用してきた。コミュニティーショップの運営は集めた支援金で賄っており、1年かけて経営を軌道に乗せ、地域交流のよりどころにしていきたいという。手始めとして16日午前10時から、創設者の新田恭子さんを交えた茶話会を開く。
店の営業は午前10時から午後5時まで。当面は無休。連絡先はセカンドハンド仙台022(721)1195。
