「深泥池(みぞろがいけ)」 の紹介 --- 国の天然記念物 --- 

今から14万年前の深泥池は京都盆地の北端にある連山の谷で、しかも谷頭から谷出口までが600mほどの小さなものでした。 この谷の西側には鴨川が流れ鴨川扇状地を形成していますが、その土砂はこの谷の出口にまで到達し自然堤防となり沼地化していたと考えられていいます。 この沼地(せき止め性湿地)の状態は、自然堤防の上に人の手によって築堤(約2m)される約1,500年前まで続いていたことがわかっています。 築堤されてからは湿地は溜め池となり、ほぼ現在まで大きさ(周囲1.6Km/9ha)は変わっていません。 ただし、溜池となった時、季節によって浮き沈みする3haの浮島が誕生したと考えられています。この浮島は14万年前から連綿と生き続けている北方系の植物であるミツガシワやホロムイソウ・食虫植物など希少な植物も生育しています。また、開水域には南方系の植物であるタヌキモなども生育する珍しい貴重な池となっています。

この池は1927年(昭和2)に「深泥池水生植物群落」が国の天然記念物に指定され、さらに1988年(昭和63)には指定対象が「深泥池生物群集」に拡大されました。(田篭)

 

※ 2024年5月掲載日:3日、12日、19日、26日

 

-- 5月3日 晴れ ・ 水位+1.5cm ・ 南堤気温10℃(5:30) --

・開花が遅れていた池東奥のカキツバタの花が咲きだしました

・今年も浮島の中にはカキツバタが見られません

・以前深泥池で僅かにみられた紫のカキツバタが今年は完全に姿を消し、白いカキツバタばかりになっています

 

1)朝日があたる南側堤防。

カキノキ・カキツバタ・ショウブ(ショウブ科)が育っています

 

2・3)大丸山より浮島を望む

2) 以前は浮島の中にもカキツバタがたくさん見られたのですが、近年は皆無。3)

 

4~6)白いカキツバタ

4) 南堤に咲くカキツバタ

5) 浮島西部の外縁帯に咲くカキツバタ

6) 北側水路に咲くカキツバタ

 

7)最後のモチツツジ

 

8・9)池周囲の草花

8) コメツブツメクサ

9) ユウゲショウ

 

10)マガモの親子 (子ガモが成長して親子の区別がつきにくくなりました)

 

 

-- 5月12日(2024年) 曇り ・ 水位-1cm ・ 南堤気温19℃(6:00) --

・ヒメコウホネ・ドクゼリ・クロミノニシゴリの花が咲きだしました

 

11・12) ヒメコウホネ(絶滅危惧種)

11) 

12) 

 

13~15)クロミノニシゴリ(絶滅寸前種)

14)

15)

16~18)ドクゼリ(準絶滅危惧種)

16) 毒草です、絶対に食べないように!!

 

17)

18)

  

19)ミヤマウメモドキ(絶滅危惧種)のツボミ 

 

20)カキツバタ(準絶滅危惧種)  まだ咲き続けています

 

21)キショウブ (外来種で駆除の対象です)

 

 

-- 5月19日 曇り ・ 水位-1.5cm ・ 南堤気温17℃(5:45) --

・ジュンサイ・ミヤマウメモドキ(絶滅危惧種)・トキソウ(絶滅危惧種)の花が咲きだしました

・1月下旬~2月初旬に産卵されたアカガエル(要注目種)の卵がかえりカエルに成長しています

 

22・23)今年もジュンサイが咲いています。地味な色なのでよく見ないと気づきません。

22) ジュンサイの花は赤褐色の地味な色

23) 2日咲きます。向かって左は1日目、右は2日目。

 

24~28)ミヤマウメモドキ(絶滅危惧種)

24) ミヤマウメモドキ雄株

25) 雄株の花 1

26) 雄株の花 2

27) ミヤマウメモドキ雌株

28) 雌株の花は、まだツボミばかり

 

29)トキソウ (絶滅危惧種)

 

30)アカガエル (ニホンアカガエルだと思うのですが)

2月初旬に産卵された卵がかえり立派なカエルになりました

 

31・32)小さなバッタの赤ちゃん

   31) 10円玉と比べるといかに小さいかがわかると思います

 

32) ツチイナゴかな?

 

33・34)ヌカススキ (外来種)

            33)

   34)

 

 

-- 5月26日 晴れ ・ 水位-4.5cm ・ 南堤気温11℃(5:20) --

・ミヤマウメモドキ(絶滅危惧種)の雄株と雌株ともに花盛り

・ミヤコイバラが満開です

・ウシガエルが産卵

 

35~40)ミヤマウメモドキ(絶滅危惧種)の花

35) 雄株の花は先週も確認できていましたが、今が満開です

36) 雄株の花(2~3mm)

37) 雌株の花は雄株よりやや遅れて咲きだしましたが今が満開です

38) 雌株と雄株は10m程度離れて育っています。花にアリが這っているのを見かけたことがありますが、この木は風媒花・虫媒花のどちらでしょうか?

39) 花茎は新しく伸びた茎からでています

40) 雌しべの周りに5本白く伸びているものは花粉のない雄しべでしょうか? 

 

41~44)ミヤコイバラ

41) まるで池に落ちる滝のよう 

42) 

43)

44)

 

45・46)ウシガエルの卵

45) 南側水路西側の中央付近に泡状になって浮かんでいます

46) ウシガエルの産卵直後は浮かんでいるので柄杓ですくえば駆除できます

 

47・48)ジュンサイ(2日開花を繰り返します)

47) 朝日が当たりだすと開花を始めます(左はツボミ)

48) 2日目の開花をはじめるジュンサイ

ジュンサイは3日目も面白いので来月はもっとジュンサイを撮影してみようと思います