「深泥池(みぞろがいけ)」 の紹介 --- 国の天然記念物 --- 

今から14万年前の深泥池は京都盆地の北端にある連山の谷で、しかも谷頭から谷出口までが600mほどの小さなものでした。 この谷の西側には鴨川が流れ鴨川扇状地を形成していますが、その土砂はこの谷の出口にまで到達し自然堤防となり沼地化していたと考えられていいます。 この沼地(せき止め性湿地)の状態は、自然堤防の上に人の手によって築堤(約2m)される約1,500年前まで続いていたことがわかっています。 築堤されてからは湿地は溜め池となり、ほぼ現在まで大きさ(周囲1.6Km/9ha)は変わっていません。 ただし、溜池となった時、季節によって浮き沈みする3haの浮島が誕生したと考えられています。この浮島は14万年前から連綿と生き続けている北方系の植物であるミツガシワやホロムイソウ・食虫植物など希少な植物も生育しています。また、開水域には南方系の植物であるタヌキモなども生育する珍しい貴重な池となっています。

この池は1927年(昭和2)に「深泥池水生植物群落」が国の天然記念物に指定され、さらに1988年(昭和63)には指定対象が「深泥池生物群集」に拡大されました。(田篭)

 

 

※ 2024年2月掲載日4日・11日、18日、23日。

 

-- 2月4日 小雨→曇り ・ 水位±0cm ・ 檜峠の気温3℃(7:30) --

・野鳥が増えてきました。

 

1)立春の早朝、深泥池では小雨が降っていました。

 

2~4)「2月の浮島」

2) 写真下方の樹木が伸びて視界がだんだん狭くなってきました

3) 「チンコ山南側と浮島」 一年を通して霧がよく発生します

 

4)「深泥池北西部のミツガシワ群落」 

 ここからは見えませんが新芽が出ていることでしょう

 

5・6)アセビは花が咲きはじめました

5) アセビは浮島にもたくさん育っています、 シカが好まない木だからです

6) アセビの花

 

7~9)「野鳥」

7) 嘴・足が赤みを帯び(婚姻色)ています、繁殖期に入ったようです

8) 昨年琵琶湖で野鳥が大量死していた中にオオバンがいたようですが、深泥池のオオバンは元気です

9) 枯葉を嘴で跳ね飛ばしながらエサを探すツグミ

 

10)姿を見かけたことはありませんがイノシシの「掘り起こし」でしょうか?

 

11・12)「タヌキモの越冬芽(殖芽)(休眠芽)」 食虫植物

11)冬になると茎は枯れますが、先端に裂片が折り重なった球状の殖芽を形成し水底に沈み生き続けます(多年草)。

12) やがて春になり条件が整うと発芽します。殖芽には栄養分が蓄えられているそうです。

 

13~15)ニホンアカガエルの卵塊

13) 先週よりずいぶんと増えていました

14) 産み立ての卵

15) オタマジャクシの形に近づいてきた卵

 

 

-- 2月11日  晴れ  ・ 水位(余水吐)-1㎝ ・ 檜峠の気温-2℃(7:27) --

・新しい水位計が設置されていました。設置にあたられた方々有難うございます。

  ◎ボート小屋前水位計①→46.5㎝

  ◎余水吐横水位計  ②→46㎝

  ◎南側水路中間水位計③→46㎝

 

16~18)「早春の深泥池」 池・浮島に霧が発生していました

16) 薄氷が浮かぶ深泥池ですが水温はぬるみだし冷え込む朝は蒸気霧が発生します

17) 浮島には霜が降り真っ白です、この光景は日が昇るまでです。

18) 今は寂しい池奥ですが、春、花が咲き出すと素晴らしい光景になります

 

19~23)先週見かけたアオサギのペアーだと思うのですが南西開水域の小浮島営巣をはじめました。 

 この場所は2013年営巣・抱卵していました。(当ブログの146)147)に掲載)

 

19) まだ二羽とも営巣中、産卵はまだのようです

20) 真後ろのカキノキと向かって右のクロガネモチ(赤い実)が育つ小浮島。

21) 向かって左のアオサギの足元に枯れ枝を引き詰めた巣が確認できます

22) 巣造りで疲れたのか 二羽とも伸びをしています

23) 今は行動を共にしていますが、産卵後は交代で抱卵するため食事も交互で向かいます

 

24~26) 新しく設置された水位計

24) 今日の水位は、旧水位計では50.5cm程の水位ですが、ボート小屋前の新水位計(仮①)では46.5cmとなっています。

25) 余水吐横の新水位計(仮②)は47cmの水位です

26) 南側水路の中程に設置された水位計(仮③)は47㎝の水位です

 

27・28)7時27分から池を回り始めて約1時間後の8時32分、再び余水吐を訪れるとフナが血を流して死んでいました

27) 途中で見かけた「ウ」の仕業でしょうか「アオサギ」の仕業でしょうか

28) ゲンゴロウブナ

 

29・30)ニホンアカガエルの卵

29) 卵の上には氷が張っています

30) だんだんオタマジャクシらしくなってきました

 

 

-- 2月18日  曇り  ・ 水位(余水吐)-1㎝ ・ 南堤の気温12℃(7:05) --

・余水吐横水位計  ②→46㎝

・先週アオサギが巣作りをしていたのですが、今日は巣は残っていましたが2羽とも姿が見えません。何か危険を感じ営巣を諦めたのでしょうか?

・先週は余水吐にゲンゴロウブナの死骸がありましたが、今週は木道横に死骸が浮いていました、さらに南堤の東隅と南側水路奥の遊歩道にフナのうろこと思われるものが散乱していました。何物の仕業でしょうか。

 

31・32)空き巣になったアオサギの巣

31) 2013年にもここで抱卵していたのですが、人が近づきアオサギが卵から離れた際にカラスに卵3個(すべて)奪われました。

 

32) 今回は何が起こったか分かりませんが、空き巣になっていました

 

33~35)謎の死、ゲンゴロウブナ

33) 南堤隅にうろこが散らばっています

34) 木道横に漂うゲンゴロウブナ

35) 西山下の遊歩道東端にもうろこが散乱、魚の姿はありません 

 

36~38)最近春のような暖かい日が続いていますが、まだ2月中旬、本当の春はもう少し先になりそうです

36) 去年の落ち葉が残る西山麓

37) また、プランクトンが少なく透明度が高い状態が続いています

38) まだ、浮島の緑は常緑樹のみ

 

39) 「イワナシ」今年も花は咲きそうにありません

 

40・41)池奥で毎年今の時期になると、ナガバオモダカの水中葉と髭根が切られ浮いています。獣の仕業だと思うのですが・・・?

40)

41)

 

42~44)1月28日、ニホンアカガエルの卵に気付き、毎週観察していると産卵は3週間程度(前期・中期・後期)続きました

42) 後期に産卵されたものは卵塊のまま

43) 早期に産卵されたものはすでに孵化し外鰓はすでに退化しているようです

44) 中期に産卵されたものは孵化直後らしく外鰓が見えます

 

45)水鳥でにぎわっている深泥池

 

 

-- 2月23日  小雨  ・ 水位(余水吐)±0㎝ ・ 南堤の気温4℃(7:10) --

・①ボート小屋前水位計  約48.3㎝

・②余水吐横水位計    約48.5㎝

・③南側水路中央水位計  約48.5㎝

 

46・47)

46) 本日の余水吐は最近の雨で水位が上がりオーバーフロー寸前です。

深泥池の水位としては±0。この余水吐から水が溢れ出る時は西端から流れ出ます。

47) ①ボート小屋前水位計  ②余水吐横水位計  ③南側水路中央水位計 

 

48~53)余水吐から水が溢れる寸前、池奥での光景

48) 漏水小川出口

49) 南東開水域

50) 傾くヤマザクラ周辺

51) チンコ山南東隅

52) チンコ山北側土管

53) チンコ山北東隅

 

54~56)ミツガシワが伸びてきました

54) 西側道路横

55) 南側水路のミツガシワ群落

56) 南側水路のミツガシワ群落

 

57)カキツバタも伸びてきました

 

28)西山麓のアセビ