「深泥池(みぞろがいけ)」 の紹介 --- 国の天然記念物 ---
今から14万年前の深泥池は京都盆地の北端にある連山の谷で、しかも谷頭から谷出口までが600mほどの小さなものでした。 この谷の西側には鴨川が流れ鴨川扇状地を形成していますが、その土砂はこの谷の出口にまで到達し自然堤防となり沼地化していたと考えられていいます。 この沼地(せき止め性湿地)の状態は、自然堤防の上に人の手によって築堤(約2m)される約1,500年前まで続いていたことがわかっています。 築堤されてからは湿地は溜め池となり、ほぼ現在まで大きさ(周囲1.6Km/9ha)は変わっていません。 ただし、溜池となった時、季節によって浮き沈みする3haの浮島が誕生したと考えられています。この浮島は14万年前から連綿と生き続けている北方系の植物であるミツガシワやホロムイソウ・食虫植物など希少な植物も生育しています。また、開水域には南方系の植物であるタヌキモなども生育する珍しい貴重な池となっています。
この池は1927年(昭和2)に「深泥池水生植物群落」が国の天然記念物に指定され、さらに1988年(昭和63)には指定対象が「深泥池生物群集」に拡大されました。(田篭)
※ 2024年1月掲載日:3日、14日、28日。
-- 1月3日 曇り・水位-3cm・檜峠の気温計 3℃ (7:20) --
・10日訪れない間に渡り鳥やって来ていました。南堤近くにはヨシガモが沖の方にはコガモが群れていました。全部で60~70羽ぐらいいたと思います。
1)~4)遅れてきた渡り鳥たち
1) 太陽は見えませんが寒さを感じない日になりました
2) 南堤近くのヨシガモ
3)
4) 沖で群れるコガモ
5)~8)
2024年1月の浮島
6) 浮島中央部北寄りの池塘
7)
8)
9)10)ミツガシワ群落
9) 南側水路のミツガシワ群落
10) 深泥池北西部のミツガシワ群落
11)12)高山は落葉も終わり明るいく見通がよい状態が続いています
11) 樹木の幹・枝が目立つ高山
12) 深泥池東岸窯址(須恵器の窯跡)からも、今の季節だけ深泥池が見えます。
13) 小鳥の巣
14)タガラシ
-- 1月14日 快晴・水位-3cm・檜峠の気温計-4℃(7:31)・5℃(8:31) --
・-4℃の深泥池は水面が結氷し周囲には霜が降りていました。
・久しぶりにルリビタキを見かけました。
15)~17)日の出前の深泥池は氷が張り霜が降りとても寒い朝でした
15) 深泥池周囲や浮島には真っ白の霜が降りていました
16) 霜を「サクサク」と踏みしめる感触は子どもの頃歩いたの畦道を思い出します
17) 南側水路は全面結氷です
18)19)京都市の日の出時間は7時4分。
18) 深泥池では7時44分ごろようやく高山山頂に日が差しだしました
19) チンコ山の先端に日が差し出すのは8時29分ごろ
20)~23)水鳥は日の出前後に活発に動き回り食事をします。日が昇ると朝寝をしたり毛づくろいをしたりのんびり過ごします。
20) 日の出前、活発に水草を食べるカモたち
21) 食事後氷の上で毛づくろいをするカモたち
22) ヨシガモのつがい。オスは朝寝中。
23) コガモのつがい。オスは立ったまま朝寝中。
24)白実のマンリョウ
25)26)深泥池東岸窯址(約1400年前)では製鉄が行われていた可能性があります。
25) 深泥池東岸窯址で表面採集された鉄滓
(鉄滓とは鉄原料から製鉄する際にできる鉄を含む不純物)
約81㎜✖52㎜(94g)
26) 鉄原料は砂鉄や鉄鉱石がありますが、深泥池では鉄バクテリアが生成した水酸化鉄が多く沈殿しているところもあり、これらを原料にした可能性もあります。
赤い沈殿物は水酸化鉄、油膜のように見えるものは水酸化鉄の膜で油分ではありません
-- 1月28日 曇り・水位±0cm・檜峠の気温計-1℃(7:19)・6℃(8:40) --
・ 1・2月の深泥池は厳しい寒にさに包まれていますが、よく見ると・・・。
27) 真冬の装いの深泥池
28) 氷の中から新芽を出すミツガシワ
29・30) ニホンアカガエルが日当たりの良い場所に産卵していました。
29) 産卵後、また「冬眠」の続き「春眠」に入るそうです
30) 天敵が少ない間に産卵するのでしょうか
31~33) ハンノキ
32) よく見ると花が咲いています
33) 尻尾のように垂れているのが雄花、先端が赤く斜め上方に伸びているのが雌花。
34)もう暫くするとイワナシに花が咲く時期ですが今年は見られるでしょうか
35)「 ? 」
高く伸びた木の中ほどに見かけた白い物体が張り付いています。