「深泥池(みぞろがいけ)」 の紹介 --- 国の天然記念物 --- 

今から14万年前の深泥池は京都盆地の北端にある連山の谷で、しかも谷頭から谷出口までが600mほどの小さなものでした。 この谷の西側には鴨川が流れ鴨川扇状地を形成していますが、その土砂はこの谷の出口にまで到達し自然堤防となり沼地化していたと考えられていいます。 この沼地(せき止め性湿地)の状態は、自然堤防の上に人の手によって築堤(約2m)される約1,500年前まで続いていたことがわかっています。 築堤されてからは湿地は溜め池となり、ほぼ現在まで大きさ(周囲1.6Km/9ha)は変わっていません。 ただし、溜池となった時、季節によって浮き沈みする3haの浮島が誕生したと考えられています。この浮島は14万年前から連綿と生き続けている北方系の植物であるミツガシワやホロムイソウ・食虫植物など希少な植物も生育しています。また、開水域には南方系の植物であるタヌキモなども生育する珍しい貴重な池となっています。

この池は1927年(昭和2)に「深泥池水生植物群落」が国の天然記念物に指定され、さらに1988年(昭和63)には指定対象が「深泥池生物群集」に拡大されました。(田篭)

 

 

※ 12月掲載日3日、10日、24日

 

-- 12月3日・ 晴 ・ 水位-3cm ・ 檜峠の気温1℃(7:20) --

・最近シカの出没が減っています。駆除が功を奏したのでしょうか?

・7月下旬から故障していた檜峠の気温計がやっと修理されました。

・深泥池に初氷が張っていました。

 

1)~3)12月の浮島

1) 深泥池周囲の山は紅葉真っ盛りですが、浮島は冬の装いです。

2) 池北西部のミツガシワ群落 (半分は枯れています)

3) 南側水路中央付近

 

4)5) 深泥池周囲の山々

4) 朝日があたりだす西側の本山と北側のケシ山

5) 南側の西山

 

6)7)メタセコイア

   6) メタセコイアが完全に紅葉すると池周囲の紅葉も終わりです

7) 

 

8)9) 真冬を迎えた深泥池

8) シカの足跡に霜が降りています

9) 深泥池に氷が張りだしました (南側水路中央付近)

 

10)11) 落葉が進むと鳥の巣が目立ちます

10) チンコ山先端付近

11) どんな鳥が住んでいたのでしょうか

 

12)~14) 深泥池東奥の景色

     12) 池の畔に立つコナラ

13) 向かって左は早春に花を咲かすハンノキ、中央はミヤマウメモドキ

14) 

 

15)こんなに寒い深泥池で花を咲かせているオオバナイトタヌキモ。この植物は外来種の食虫植物で駆除の対象になっています。

 

 

-- 12月10日・晴・水位-4cm・檜峠の気温5℃(7:20)・16℃(8:30) --

・先週中ごろから小春日和が続いています。11月中旬並みの気温だそうです

・最近シカの出没が減っているように感じますが、ミツガシワ群落をよく見ると、未 

 だに食害が続いており食圧は減っていないようです。ミツガシワ群落は池縁から離

 れているので注意して観察しておくことが必要です。

 

16)先週は氷が張っていたのに、今日は冷え込みが無く手がかじかむ事はありませんでした


17)~18)今朝は、昨日の陽気で暖められた浮島から蒸気霧が昇っていました。

17) 浮島のツクシカンガレイは枯れて褐色になり霧の白さと対照的です

18) チンコ山周囲は特に霧が発生しやすく、乾燥した時期でも植物に潤いを与えます

19) 深泥池に飛び出たチンコ山(左)と浮島のビュルテ(右)

 

20)霧が晴れてきた浮島

 

21)メタセコイアの横で競うように紅葉するカエデ

 

22)~24)ここ数年、今の時期になると浮島のミズオトギリ・イヌノハナヒゲなどに糸を絡めるクモがいます。

22) 遠くからだと沢山の白い綿のようにも見えますが

23) イヌツガにも絡み付けています。

     24) クモの種類が知りたいところですが。

 

25)深泥池東奥のヤマザクラ、池に手をつきながら倒れまいと頑張っています。

 

26)暖冬のためか、今のところ渡り鳥が少なく、今日はヨシガモのつがいが2羽。

 

27)28) ミツガシワの食被害が続いています。食害が続くと将来絶滅するかもしれません。被害がこれ以上拡大しないよう監視と対策が必要です。

27)

28)

 

 

-- 12月24日・晴・水位-4cm・檜峠の気温-4℃(7:10)・3℃(8:30) --

・深泥池の測量で境界杭が打たれています。しかし、落ち葉で杭が分からなくなるため、近くの樹木に紐が括り付けられています。しかし、括り付けられた紐で植物を傷つけているものがありました。注意していただかないと取り返しがつかない事になりかねません。

 

29)-4℃の深泥池(9割以上結氷しています)

 

30)浮島に環状の樹木が見えます。その内側が本来の浮島でその周囲は浮島外縁帯。

 

31)ふかふかの落ち葉の絨毯。

 

32)~34)凍る深泥池

32) この辺りは全面結氷です

33) 氷の厚み1㎝以上

34) 氷に閉じ込められたナガバオモダカ

 

35)36)霜が降りる浮島

35) チンコ山南西部の池塘

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37)38)「有害鳥獣捕獲業務」が功を奏しているのか、シカが減ってきたように思います

37) 

38) 西山麓の木道からもシカが出入りしています。(チンコ山先端より撮影)