「深泥池(みぞろがいけ)」 の紹介 --- 国の天然記念物 ---
今から14万年前の深泥池は京都盆地の北端にある連山の谷で、しかも谷頭から谷出口までが600mほどの小さなものでした。 この谷の西側には鴨川が流れ鴨川扇状地を形成していますが、その土砂はこの谷の出口にまで到達し自然堤防となり沼地化していたと考えられていいます。 この沼地(せき止め性湿地)の状態は、自然堤防の上に人の手によって築堤(約2m)される約1,500年前まで続いていたことがわかっています。 築堤されてからは湿地は溜め池となり、ほぼ現在まで大きさ(周囲1.6Km/9ha)は変わっていません。 ただし、溜池となった時、季節によって浮き沈みする3haの浮島が誕生したと考えられています。この浮島は14万年前から連綿と生き続けている北方系の植物であるミツガシワやホロムイソウ・食虫植物など希少な植物も生育しています。また、開水域には南方系の植物であるタヌキモなども生育する珍しい貴重な池となっています。
この池は1927年(昭和2)に「深泥池水生植物群落」が国の天然記念物に指定され、さらに1988年(昭和63)には指定対象が「深泥池生物群集」に拡大されました。
2026年は深泥池が国の天然記念物の指定を受けて100年目の節目を迎えます。(田篭)
※ 9月掲載日:3日、17日、23日。
--9月3日・晴れ・水位-1cm--
・朝晩はそよ風が吹き、虫の声も聞こえだし、深泥池ではたくさんのトンボが飛び交い、秋めいてきました。
・8月31日は13年ぶりのスーパーブルームーンが見られました。次回は2029年3月30日だそうです。
1)~3)9月の浮島
1) 北西部から南東方向を望む
2) 浮島中央南寄り
3) 浮島中央北寄りの池塘
4)~6)飛び交うトンボ
4) 休むことなく飛び続けるトンボ
5) ウスバキトンボのようです
6) 深泥池北西部。昔はこの辺りにベッコウトンボが飛び交っていたそうです
7)8)ガガブタ
7) 早朝につきまだ開花していません。
8) 深泥池では最近減ってきました。
9)オトギリソウ
10)ミソハギ
11) コブシの実も色づいてきました
--9月17日・晴れ・水位-2.5cm・南堤の気温32℃(11:00)--
・池では駆除作業が行われていました
・秋の花が次々と咲き出しました
12)南堤のサクラタデ
13)アレチヌスビトハギ
14) ナガバノウナギツカミ
15) ボントクタデ
16) 開花したガガブタ
17) ミズユキノシタ
深泥池ではアメリカミズユキノシタの侵入で消えていた植物ですが、最近また見られるようになりました。遊歩道なので踏まれてしまいそうで心配です。
18)キタキチョウ (蝶々に詳しい友人に尋ねました)
19)リスアカネ
20)これから浮島や池の畔でシカ・イノシシのヌタ場が増えていきます。希少植物に被害がなければよいのですが。
21)~23)外来魚の駆除作業中の網にスッポンが引っ掛かっていました。
21) 噛みつくので、見つけても注意してください。
22) 下手な扱いをすると噛みつかれます。
23)
--9月23日・晴れ・水位-0.5cm・涼しい朝--
・南堤、西側道路沿い、池北西部の草刈りが終わっていました。
・池の開水域ではコイ・フナなどが鼻上げをしていました。早朝は特に溶存酸素が少ないようです。
24)25)草が刈り取られた南堤
24) 桜の木の下で、今にも咲きそうな蕾をつけた沢山のサクラタデが、他の草と一緒に刈り取られていました。水の中に咲いていたサクラタデは難を逃れていました。
25) 草を刈り取られた南側堤防。
26)27)サワギキョウが咲き始めました
26) 南堤近くのサワギキョウはツボミをつけていますがまだ開花していません
27) 南側水路のでは開花が始まりました
28)~30)絶滅危惧種のクロホシクサも咲き出しました
28) 南側水路沿い
29) チンコ山北側は背が高い植物に囲まれ確認できなくなりました
30)
31)ケイヌノヒゲ
32)シロイヌノヒゲ
33)ツユクサ
34)35)タヌキモ
34) まだまだ咲き続けています
35)