「深泥池(みぞろがいけ)」 の紹介 --- 国の天然記念物 ---
今から14万年前の深泥池は京都盆地の北端にある連山の谷で、しかも谷頭から谷出口までが600mほどの小さなものでした。 この谷の西側には鴨川が流れ鴨川扇状地を形成していますが、その土砂はこの谷の出口にまで到達し自然堤防となり沼地化していたと考えられていいます。 この沼地(せき止め性湿地)の状態は、自然堤防の上に人の手によって築堤(約2m)される約1,500年前まで続いていたことがわかっています。 築堤されてからは湿地は溜め池となり、ほぼ現在まで大きさ(周囲1.6Km/9ha)は変わっていません。 ただし、溜池となった時、季節によって浮き沈みする3haの浮島が誕生したと考えられています。この浮島は14万年前から連綿と生き続けている北方系の植物であるミツガシワやホロムイソウ・食虫植物など希少な植物も生育しています。また、開水域には南方系の植物であるタヌキモなども生育する珍しい貴重な池となっています。
この池は1927年(昭和2)に「深泥池水生植物群落」が国の天然記念物に指定され、さらに1988年(昭和63)には指定対象が「深泥池生物群集」に拡大されました。
2026年は深泥池が国の天然記念物の指定を受けて100年目の節目を迎えます。(田篭)
※ 7月掲載日:2日、9日、16日、23日、30日。
--7月2日・早朝小雨のち晴れ・小屋前水位53cm(+3cm)・気温22℃(6:20)--
1)~4)大丸山(深泥池北西部)から見た浮島
1) 浮島東部
2) 浮島中南部
3)浮島西部
4) 深泥池南西開水域
5)~7) 近年、この時期になると浮島に無数のクモの巣が現れます。
5)
6) どんなクモがいるのでしょうか
7) 時間があるときゆっくり観察してみようと思っていますが。その時は無くなっていることが多いんですよね。
8)まだジュンサイが咲いています。 ジュンサイは2日花が咲きます。
1日目は雌しべが伸びて風で飛んでくる花粉を受け取ります。2日目は雌しべは引っ込み雄しべが伸びて花粉を飛ばします。3日目は花は倒れ、花茎が伸びて弧を描き花部は水没します。
9)隣の公園のねむの木
--7月9日・雨・曇り・小屋前水位52cm(+2cm)・気温※℃(※:※)--
・梅雨末期の蒸し暑い日が続いています。
・リョウブが咲き出しました。ジュンサイもまだ花を咲かせています。
10)11)「梅雨末期の深泥池」
10) 池東奥に霧がたなびいています
11) 「池北西部」 この草原の下には深泥池のたくさんの水が存在しています
12)13) 深泥池を代表する植物の一つに「白いカキツバタ」があります。
12) 「シカの食害を受けたカキツバタの実」
13) 「シカの食害を免れた実」 ※浮島のカキツバタは近年見られ無くなりました
14)15)リョウブの花が咲き出しました。
14) 救荒植物のリョウブは里山だったところでよく見かけます。
15)
--7月16日・晴れ・小屋前水位52.5cm(+2.5cm)・気温28℃(8:10)--
・梅雨明け?、間近?の晴天
・ノリウツギが咲き出しました
・池の畔に数年前に現れては消えていたミズユキノシタが、また、現れていました。
16)梅雨明け直前の深泥池
17)最近の深泥池は溶存酸素が低いと聞いていますが、特に日の出直前が最も低くなっているようです。 日の出前の深泥池では池の水と空気が接し、酸素を多く含んだ水面の水を求めてコイ、フナ、ナマズなどが鼻あげをしています。
18)19)早朝、ブルーギルやブラックバスは産卵時期でもないのに浅瀬に寄っています。
18) ブラックバス
19) ブルーギル
20) 深泥池の畔ではほとんど見かけなくなった在来種のミズユキノシタ。
21) 浮き上がる浮島 (定点観測) これからも浮上します。
(参考資料) 2023.02.23 小屋前水位53cm
22) ノリウツギも咲き出しました
23) ナガコガネグモ
23) 先々週に浮島で見かけた大量のクモの巣はこのクモ??
24)~27)トンボ
24) ベニイトトンボのつがい
35) キイトトンボのツガイ
36) 体長2センチのハッチョウトンボ(雄)
37) 猛毒を持つシロオニタケ
38) コブシの実も大きくなってきました
39) シロバナニワゼキショウ
40) シカに踏み荒らされ食べられ荒らされていたミツガシワ群落も少々元気を取り戻してきました
--7月23日・晴れ・小屋前水位48cm(-2cm)・気温26℃(7:26)--
・20日に梅雨が明け、その後は晴天続き、水位も下がってきました。
・ミミカキグサやホザキノミミカキグサが咲き出しました。
41) 梅雨明け直後の浮島
42)43)ジュンサイの花の季節は終わりです。
42) 最後のジュンサイの花
43)
44)45)タヌキモ
44) 深泥池では普通にタヌキモが観察できます
45) 花茎の下から伸びる匍匐茎は他より太くなっています。上に伸びる花茎とバランスを取っているのでしょうか。
46)47)ミミカキグサ
46) 食虫植物のミミカキグサ
47)
48)ホザキノミミカキグサも咲いていました
49)~51)ヤマザクラ
49) 傾き弱るヤマザクラ
50) 根にキノコが生えだしました
51) ヤマザクラが弱ってきている証拠です
--7月30日・晴れ・小屋前水位計消える・余水吐で計測(-5cm)・気温計故障中--
・ボート小屋前の水位スケールが消えていました。(撤去した?)
とりあえず南堤東端の余水吐で水位測定
・檜峠の気温計が故障なのか消灯のまま。
・京都市の気温はここ数日高く、猛暑日が続いています。
7/26 38.9℃
7/27 38.8℃
7/28 38.7℃
7/29 38.1℃
52)猛暑日が続く深泥池
53)~61)「タヌキモ」をマクロレンズで撮影してみました。
53) 蕾
54) 蕾の外側には短い毛があり先端から粘液性のものを出しているようです。
55) 毛の先に粘液物を出すなんてモウセンゴケのようです
56) 花は1.7㎜前後の唇形花
57) 横から見ると下唇の基部に膨らみがあります
58) その膨らみには赤褐色の斑紋があります
59) 裏から見ると
60) 下唇の下には距があります
61)澱を被るタヌキモ。先端だけは澱が乗っかっていません。新しく伸びたところなのでしょうか?