「深泥池(みぞろがいけ)」 の紹介 --- 国の天然記念物 --- 

今から14万年前の深泥池は京都盆地の北端にある連山の谷で、しかも谷頭から谷出口までが600mほどの小さなものでした。 この谷の西側には鴨川が流れ鴨川扇状地を形成していますが、その土砂はこの谷の出口にまで到達し自然堤防となり沼地化していたと考えられていいます。 この沼地(せき止め性湿地)の状態は、自然堤防の上に人の手によって築堤(約2m)される約1,500年前まで続いていたことがわかっています。 築堤されてからは湿地は溜め池となり、ほぼ現在まで大きさ(周囲1.6Km/9ha)は変わっていません。 ただし、溜池となった時、季節によって浮き沈みする3haの浮島が誕生したと考えられています。この浮島は14万年前から連綿と生き続けている北方系の植物であるミツガシワやホロムイソウ・食虫植物など希少な植物も生育しています。また、開水域には南方系の植物であるタヌキモなども生育する珍しい貴重な池となっています。

この池は1927年(昭和2)に「深泥池水生植物群落」が国の天然記念物に指定され、さらに1988年(昭和63)には指定対象が「深泥池生物群集」に拡大されました。

2026年は深泥池が国の天然記念物の指定を受けて100年目の節目を迎えます。(田篭)

 

※ 6月掲載日:4日、11日、18日、25日

 

--6月4日・晴れ・小屋前水位57cm(+7cm)・気温20℃(8:36)--

京都市の6月1日・2日の降水量は145㎜と95㎜にもなりました。3日は降水量0㎜にもかかわらず4日午前中は周囲の山から亜表流水がさらさらと流れ込んでいました。そのため深泥池の水位も上がり、4日早朝は57cm(+7㎝)もありました。

 

1)2)6月の浮島

1)

2)

 

3)から7)

3) 亜表理由水が流れ込むところは水面が波だち、さらに長年の間にえぐれていきます

4) 倒木の根元から湧き出てくる亜表流水

5) 立ち枯れした根元から湧き出る亜表流水。

 

6)ヒメコウホネ (大きな浮葉がヒメコウホネの葉、他はジュンサイの葉)

 

7)コブシの実 

 

8)9)駆除したはずの外来種のスイレンがまた花を咲かせています

8) 

9)

 

10)ミツガシワ群落には、シカの食害がづいています

 

11)水面に浮かぶジュンサイの中にできたシカの道(泳いで渡る)

 

12)大雨のためかチンコ山北東隅にある配電箱から延びるコードが入る枡から大量の水が噴き出し川となり池に流れ込んでいます。かつて無かったことです。水質が気になるところです。報告はしておきました。

 

13) ムクドリ

 

14)ジュンサイに覆われる深泥池。

 

 

    --6月11日・雨・小屋前水位54cm(+4cm)・気温19℃(6:42)--   

  ・つゆ本番の天気になりました。水生植物は生き生きしています。

  ・今年も「サバイブⅡ」が浮島内で子育てをしていました。

  ※「サバイブⅡ」とは、左後ろの足部が欠損している ある雌ジカの愛称です。2019年から毎年この  

    季節になると小鹿と一緒にいる姿を見かけます。この浮島で出産と子育てをしているようです。

 

15)16) サバイブⅡ(向かって左) と 子ジカ(向かって右)

15) 子ジカは生まれて1か月半以上は経っていると思われます。

16) エサである草を食べながらサバイブⅡの後を付いてゆく子ジカ。口に白い草をくわえています。

 

17)18)つゆ入り前後に毎年これらの木に産卵します。

18) ソフトボール程の白い卵塊の中に300~800個くらいの卵を産み付けるようです。

19) この卵塊は1週間ぐらいは経っています、今回の雨で崩れかけています。

もうすぐ黒いオタマジャクシが泡と一緒に下の池に落ちていきます。

 

20)21) イシガメ

20) イシガメが産卵のために陸に上がっていました。

21) 産卵が始まると人が近寄っても逃げません。

 

22) 梅雨を迎えた深泥池

 

23)~25) 池ではジュンサイの花が真っ盛り

23) 朝日を浴びて開花するジュンサイですが、きょは雨模様のため開花が遅れています。

24) ジュンサイは風で花粉を飛ばす風媒花です。雨の日は花粉が飛びません。

25) 薄赤い棒状のものが伸びていますが、雌しべです。花粉が他から飛んでくるのを待っています。

後日雌しべは引っ込み、その周囲から雄しべが伸びて花粉を他の花へと飛ばします。

 

26)食虫植物のタヌキモの花が咲き出しました。

 

 

 

    --6月18日・晴れ・小屋前水位51cm(+1cm)・気温21℃(7:27)--   

  ・つゆの中休み。早朝は涼しく散策できました。

 

27)梅雨の中休み。昨日(6/17)の最高気温は33℃。

 

28)~29)トンボ

28) キイトトンボ

29) ベニイトトンボ

30) チョウトンボ

31) ショウジョウトンボ? 羽化直後?

 

32)~34) ミズキ

    32) 

33)

34)

 

 

35) クチナシ

 

36)~37) チゴザサ

36)

37)

 

38)~39) ネジバナ

38)

39)

 

40) ニガナ

 

41) モリアオガエルの産卵場所にはシマヘビが待ち構えています 

 

42) タイサンボク

 

 

--6月25日・晴れ・小屋前水位51cm(+1cm)・気温21℃(7:24)--

6月21日は夏至。昼間の長い6月ですが雨や曇りが多く日照時間はどうでしょうか。昨日・今日と梅雨の中休み。

 

43)梅雨真っただ中の深泥池。 ガマが3つ見えています

 

44)タヌキモはたくさん咲き出しました

 

45)46)ジュンサイも花盛りです。

45)開向かって右は開花直後。左は、開花直前のもの、雄しべが花弁の間から突き出ています。 ジュンサイは2日咲く花、両花とも2日目。

46)雌しべの周囲にある雄しべが伸びて花粉を飛ばしています。

 

47)48) ヒメコウホネ

47) ヒメコウホネの水中葉。 こんなにたくさん水中葉があるのに浮き葉と花がほとんどありません。

48) よく見ると、水面に浮いた葉はシカが食べてしまっているようです。花も食べられているのか? 矢印は食害の痕。

 

49)50)浮島のビュルテには居ついたシカが茂みで休憩しています

49) 遠くからは気が付きません。

50) アップにすると、居ました居ました。しかも、こちらを見ています。

 

51)52)ツバメは今でも巣作り?

51) 浮島の縁に降りて

52) 泥をくわえて飛んでゆきます

 

53) ウワミズザクラの実