俺がまだ20代の後半近くのころですずっぽりとドラッグにハマった時期があってドラッグと言うのはもちろん違法の奴でコカインとかいうものです俺はあるおっさんの手ほどきを受けてすっかりコカインの魅力にはまってしまった一度ドラッグに染まった人は一生の間その薬に身を任せていた感覚が忘れられずにいると言うが、もう30年以上も前の事でも覚えているもので一晩中暗い部屋でじっと壁の一点を見つめるようなことがあったことをいまだに覚えていてそれから俺は不眠になって眠剤をあらゆる手段を講じて手に入れるようになったのですそのころにある事件で使われたハルシオンと言う薬が俺は一番自分に合うような気がしていたハルシオンを酒で流し込むと象でも倒れるんじゃないかと思う、俺は日に日に強い薬を求めて心療内科に通うようになったそのころの俺は自分は何系の薬をどれだけ飲んでいてもっとぶっ飛びたいときには何をどれだけ飲めばいいのかまでおおよその計算ができようになっていた今だったら夜の街で若者相手に薬を売りつける悪いおっさんになっていただろう、これはまずい、こんなことで警察の厄介になったら一生俺は許してもらえないだろう、、この世界に身の置き所を完全に失ってしまうのだ、そうなったら次元の違う世界に移動しようという事になるだろうけれど、情けないが自分で自分の腹を切る勇気がないので何時までもこの世界に居続けているのだ本当に道を歩いていると大きなトラックが俺をひき殺してくれたらいいのになあと思う事はいつも思っているのだけれどあんなにたくさんのトラックが走っているのだから一台くらいちょっと道を外して俺の思いもよらない方向からドカンとはねてくれないものかと思うと俺はきっと俺の体中の骨がボキボキと折れる音を聞くのがこの世の最後の耳にする音なんだろうと思うんです、その後は真っ暗でシーンとした静寂の世界が訪れて俺ようやく俺の長い長い地獄が終わったことを悟るわけなんですしばらくして空中から血まみれのおれを見下ろしていることに気づいた俺は遠くから近づいてくる救急車の音が聞こえてきたのでもしかしてこうなった俺を救命しようとしているんじゃないかとなんだか落ち着かなくなってしまうもしも俺があの肉体に戻ったらその全身に起こっている痛みは強烈すぎて多分耐えられないだろう、お願いだからこのまま死なせてくれよ、と言う祈りに似た気持ちになってその場に居続けることになる、しばらくしてストレッチャーに乗せられた俺の身体は救急病院に運ばれて心臓マッサージを受けたくさんのチューブをつけられるんだ身体から抜け出た俺は、これは俺の魂と言ったらいいのか多分、この俺が俺の本質の俺なんだと思いますICUで寝かされている俺の身体はただただ伸びたカエルのごとくだらりと寝ていて定期的に
腕に撒かれたマンシェットが膨らんで血圧を測るのだ、、、生命兆候が全くないので脂肪診断を受けることになって俺の妻や家族に残念ながらと医者が死亡を通告すると妻は俺の身体に顔を押し当てて泣いている俺も、なんだかもうしわけなくなってもっという事を聞いておけば良かったなあと思う、もっと優しくできただろうになあすまないなあと言う気持ちでいっぱいになるのであるこういう想像をするともっと妻をたいせつにしようと言う気持ちになるのだが、すぐに宙ぶらりんになってしまうのだ気持ちは空回りを続けるのが常だと思う