今週はredo AVR, root, Ascending 2件、redo AVR with patent LIMA1件と、普通の手術2,3件となかなか良い症例にあたりました。やはり手術が決まると術後は順調に行くことが多いと言うのを強く感じます。


1つ目のredo AVR root ascending の患者はendocarditis with root abscess, s/p Bentall for 30 years ago74歳。30年前なのでclassical bentallということでGraftAortaの内側に縫い付けてあるタイプで、Bejork弁でした。手術は順調でしたが、left mainの石灰化と二度目の吻合と言うことでなかなかcoronary buttonがらのoozingがとまらず結局packingで終了。翌日閉胸という流れになりました。問題は閉胸でした。

翌日水曜日の朝にchest closurebookしたものの、いつものように予定開心術10例くらいの後に回され、実際に手術が始められそうになったのはmidnightでした。麻酔科のオンコールが、夜に緊急でない手術はできないと言い出したので大問題に。患者は胸さえ締めれば抜管可能な状態。家族には、緊急手術が入らない限りはどんなに遅くなっても必ず閉胸をしますと断言していただけに、僕としてはやらざる終えなかったわけですが、僕の立場は所詮super fellow。麻酔科はattending。ということで、押し切られてCancelせざる終えない状況に。家族には麻酔のman powoerが足りないから明日に延期させてほしいと説明するも、家族は納得せず麻酔科と話をしたいと要求。明日だって同じ状況になるのではないか?というもっともな質問攻め。そこでオンコールの麻酔科Dr.Pに家族に話してほしいと頼んだところ、突然激怒。僕の説明のしかたが不適切だったとかチームワークのことを考えていないとか、麻酔科を理由に手術をキャンセルすると家族に言うべきではないとか、挙句はチーフのDr.S(心臓外科)とDr.S(麻酔科)にクレームをいってやるなどと色々と脅し文句を履き捨て、仕方ないからやってやる、ということに。結局閉胸が終わったのは朝の4時過ぎ。患者は無事に翌日抜管されて、ICUを無事に出ることが出来ました。手術中もこのことは一生忘れないとか、お前は家族を操作すべきなのに、俺のことを操作しやがってなどと色々と文句を言われましたが、なにより患者のことを考えたら早く閉胸するのが一番なので、黙って文句に耐えました。

ちなみに、その晩僕の患者以外にもうひとつ閉胸手術が予定されていましたが当然のようにキャンセルされ、翌日も同じ理由でキャンセル。結局金曜日に閉胸となっていました。2日間の遅れで患者の感染、合併症のリスクがどれほどあがるか分かりませんが、トラブルを起こしながらも水曜日に閉めれてよかったとつくづく思います。今度同じ状況でも絶対に押し切ってやろうなどと思っています。

外科医である限りチームで働くことは必須で、みんなとうまくやるということは非常に重要だと思います。そしてその力が自分に欠けているようにも思います。もちろん、それを改善しようとは思いますが、でも最終的には患者が良くなることを最優先に考えることが僕らの役目であり、患者がうまく言っている限りは、大きな問題にはならないのではないでしょうか。