愛知県豊川市の一家5人殺傷事件で、岩瀬高之容疑者(30)=殺人未遂容疑で逮捕=がインターネットを使用する電話回線をいったん家族に止められ、事件2日前の15日に「殺して火をつけてやる」と家族を脅していたことが一家の関係者の話で分かった。高之容疑者は自分で回線を復活させていたが、家族は16日に再び回線を止め、17日未明に事件が起きた。県警豊川署はネット使用を巡る一連のトラブルから高之容疑者が怒りを増幅させたとみている。

 殺害された岩瀬一美さん(58)の次男(24)の会社関係者や親族によると、高之容疑者は2~3年前から一美さん名義のクレジットカードを使い、ネットオークションや通信販売でゲームなどを買っていた。自室は商品でいっぱいだったという。

 一美さんは事件の約2週間前に自宅の電話を止めたが、高之容疑者は勝手に回線を復活させた。15日には次男と三男文彦さん(22)を「インターネットを止めやがって。殺して火をつけてやる」と脅したという。

 だが16日、一美さんは再び電話を止め、高之容疑者は17日未明にネットが使えないことを知った。同署の調べでは、高之容疑者はこの後、「誰がネットを解約したんだ」と言って一家を次々と包丁で刺したとされる。

 同署は18日、高之容疑者を殺人と殺人未遂容疑で名古屋地検豊橋支部に送検した。【沢田勇、山口知】

 一家の関係者によると、殺害された岩瀬一美さんの毎月の給料は無職の長男、高之容疑者に管理されていたといい、引きこもり状態だった高之容疑者と家族のいびつな関係が浮かぶ。

 一美さんの同僚によると、一美さんは約30年前から豊川市内のガス会社に勤務。次男の会社関係者や親族によると、給料を管理していたのは高之容疑者で、20万~30万円の収入から一美さんに5万円、母正子さん(58)に4万円を毎月渡し、残りを自分で使っていたという。

 こうした状態について、次男は会社関係者に「父が兄に強く言えない」と話していた。一美さん自身も親族に「私が言うと(高之容疑者が)怒るんだよ」と困った様子で話していたという。【沢田勇】

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