カシンです。これは、アタシ(50代・男)が思ったことを書くブログです。


「学校」って何でしょう? 必要なことを教えてくれるところ? 必要って何でしょう。


娘が使ってた中学の家庭分野の教科書に、「銀行」の説明はありません。「消費生活」の単元に「現金を直接支払うだけでなく、カードを用いて、銀行などの金融機関を通して支払う場合があります」とあるだけです。


公民で習ったのかな? 公民の教科書は捨てちゃいました…。


先日、大学生になりたての娘に「通帳って何? ハンコって何? キャッシュカードって何?」と聞かれました。


常識を教えてない親も親です。でも、娘は「金融の知識を身につけて、必要な額や借入の時期、運用方法などを考える家計資産マネジメントができるようにならなければならない」とか書いてある「家庭基礎」教科書で勉強して高校を卒業しているはずなのです。


(高校教科書索引。「強力粉」「中力粉」はあるけど、「銀行口座」や「通帳」はない。常識すぎるんでしょうか)


「通帳、ハンコ、キャッシュカード」なら 10 分もあれば説明はできそうです (銀行の、社会の中での仕組み自体は中学公民とか高校経済で習ってるはず)。


なぜこれを、アタシが今、ことさら問題にするかと言うと、情報分野の「認証」のモデルが元々銀行口座だからです (「アカウント」って元々は「口座」と訳した)。


匿名での買い物を想定していた未成年と違って、大学生以降は、突然、「自身に紐付けされたサービス」を「自身で」管理することが期待されます。


社会や消費サービスの中で「自分」を証明するとはどういうことなのか (運転免許証や保険証、学生証、マイナンバーカードなどの証明書や、電話、メール、ソーシャルアカウントなどの連絡先とかも含めて)。


オンラインサービスごとのユーザー登録やパスワードも、そういう文脈の中に位置付けられるもので。


この一般化した「認証」の概念は、10 分では説明できません。


現在の大人も、誰かに系統的に習ったわけではなく、なんとなく身に付けたものです。でも、個人を特定して、その個人に紐付けされたサービスが提供できる、というのは現代社会の仕組みの根幹にある概念です。


このあたりの理解がいいかげんなので、オレオレサギ、還付金サギ始め、人に付け入るときの主な脆弱性になってます。


マイナンバーカードに反対の大合唱が起きるのも、そしてそもそも政府によるマイナンバーカードの運用がどうにもおかしいのも、大人も「認証」が良く分かってないからじゃないかという気がします。


高校の授業で。銀行口座の開設運用を例に、それと「特定の高校の高校生である」ことを比べて、さらにスマホや、サブスクサービスと考えあわせることを通じて、「認証」の概念をしっかり身に付ける。みたいな 1 コマがあるといいのかな、と思いました。契約とか社会保障の仕組みを習う前がいいと思います。


いや昨日 Adobe Scan アプリを入れてて「Adobe アカウント」「Adobe ID」「メールアドレス」との関係を考えていたら、こんな記事になりました。

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お読みくださりありがとうございました。