トウキョウトガリネズミ。

昨日知った北海道にしか存在しないネズミ。

北海道にしか存在しないのに"トウキョウ"とはこれ如何に?

この存在を知り私の長年の疑問が晴れた。

35年ぶりにスッキリしたので報告しちゃう。


まず、35年前に起きた不思議な話から始める。

当時私は高校生。そしてその日は冬の寒い日で風の強い夕方でした。

冬の道東の日没は早く、15:00にはもう夕日。16:00前に日没を迎える。

私は下校途中で高校からバス停までの約1キロの距離を友人と歩いていました。

雪国の人ならわかると思いますが、道路に除雪車が入ると路肩に雪山が出来ます。

その雪山に新雪が積もった何の跡もないツルリとした雪山が続いている路肩から、風に煽られて雪の塊がコロコロ転がりだしました。

直径3〜4cm程度の雪玉が雪山の斜面をコロコロ転がる姿はまぁまぁよく見る日常。

夕日に照らされた銀色の新雪に氷点下20度近い気温。

風に吹かれて舞う新雪がダイヤモンドダストのようにキラキラ輝いて幻想的な世界の中でそれは起こりました。

雪山をコロコロ転る雪玉はある程度の大きさになって止まったり、平面な路面に到達して止まったりするのが自然の流れ。

私たちは重力の世界で生きているのでそれが当然。

でも私が見た雪玉は雪山を転がり、路面に到達してからも速度を落とさず道路を横断して逆側の雪山を登り始めました。

これは明らかに重力を無視している雪玉。

それが結構な速度で、慌ててその現象が起きた場所まで確認に行った時はもうその雪玉はいなくなっていました。

今見た現象は夢?何かのもののけ?

もののけが現れても不思議ではない幻想的な景色の中だったので、本気でもののけ説を信じていました。

だって、もし何かの生命体であるとしたならば、あんな極小な生物が冬眠もせずに冬道を転がっている訳がない。

ましてや気温の下がった日に降った新雪はパウダースノーでサラッサラなので雪玉は出来ない。

あれは私が初めて見たジブリの世界の生き物なのだろうと信じていました。

そう、昨日このネズミの存在を知るまで。


『もっとやりすぎ いきもの図鑑』(宝島社) 画像お借りしました


全長4cm程度の冬眠しないネズミが道東に存在している。

もうその一言であの現象の説明がついてしまう。

あれはネズミだ。正確にはトウキョウトガリネズミ。

世界最小の哺乳類らしい。

北海道の一部にしか存在しないのに「トウキョウ」そしてネズミなのにモグラの仲間というなんとも適当な生物。

私、モグラという生物は辞典やネットでしか見たことがない。

北海道に存在しないのだから当然と言えば当然。

同じ理由でゴキブリだって見たことがない。

もしかしたらあのネズミは非常にレアな生物だったのかもしれない。

もうもののけ扱いでも間違いじゃないと思おう。


35年も胸の中でモヤモヤしていた疑問が晴れました。

私はオカルト信者なのでモヤモヤのままもののけを信じていても良かったのですが、これでも一応リケジョの端くれなので「現象には必ず理由がある」という信念もあります。

今回はちゃんと理由があったのを35年越しに知りました。

スッキリしたのにちょっとガッカリもした出来事。