おはゆに61製品のお得意様から、お知り合いのハーレー乗りの方がお困りだとのことでご相談を頂きました。

ハーレーの1929年式JDとのこと。これ凄いバイクです。

動画がYouTubeにありました。まさかこの車両ではないですよね?

聞くところでは、このようなコンディションの個体は国内に数えるくらいしかないとか、一台1000万円は超えるとか、100年を超えるとヴィンテージではなくアンティークになるとか、このエンジンはハーレーの2代目のエンジンでFヘッドと呼ぶとか、その前の世代のエンジンを積んだ車両で走行可能なものは既に無い、とか、まあいろいろ情報がありました。凄い界隈です。

 

さて、ご相談は以下の内容でした。

 

「先日はいろいろ有難うございました。今回はまた別件になりますがハーレーの1929年式JDという車両で今過充電が治らず困ってます。本来なら6V DCダイナモのカットアウトリレー式の充電システムですが現況は6V DCダイナモICレギュレータ式にしてるのですが短期間でレギュレータが壊れるみたいで過充電がまた始まってしまいます。そこで松井様の製品で適合できるものがあれば是非ご紹介して頂ければと思います。また無ければ作成して頂けるのでしょうか?宜しくお願い致します。また現況ではバッテリーが適正の物が入手できないので仕方なく密閉式の少し容量の小さい物でまかなってます。IC式レギュレータ正常時は7.8V辺りで止まってましたが現況は10V強出てます。因みにダイナモは3ブラシ式です。一応現在取り付けてあるICレギュレータの画像添付しますのでお手数お掛けしますが宜しくお願い致します。」

そのICレギュがこれです。
imageこれは自作品ですね。オリジナルは単なるヒューズだったように思います。レギュレターがついていません。

この自作ICレギュの構造も気になります。見た感じ、ポテンショメーターが付いていますので、おはゆに製品と回路的には似ているんだろうと思います。

 

その後、この方と情報交換をさせていただきました。

3ブラシ回路の構成は既に解明したと思っておりました。こちらに解説しています。レギュレターの機能をダイナモの3つ目のブラシ位置を変化させたり、ライト用のフィールドコイルを装備することで満たしています。しかし、ネットでいろいろとショップ等に確認をお願いするものの、どこからも回答がなく、これが本当に正しいのかどうか不明でした。そこでこの方にいろいろとお伺いして、これが正しいと決め手になったのが以下の情報です。

 

・現車に取り付けられているICレギュに、ハーレー3ブラシダイナモの3ブラシを取り外し、そこにつながっている配線を接続している。

 

これは大変貴重な情報です。

3ブラシの位置を物理的に変更することにより電圧調整するのではなく、電子制御で調整するようにしているということです。

 

おはゆに61製品が適合することが分かりましたので、特別に製作しご提供いたしました。それがこちらです。

見た目は、カワサキWやメグロ、ラビット等に適合する電圧可変MOSFETレギュレターです。中身は6V用に改造しています。基本的な構造は同じです。

さて、現車に取り付けたとのことで、ご連絡がありました。

 

「先日のハーレーJDのオーナーから連絡きまして無事取り付け完了しまして充電の方も高回転域でも7.8vでしっかり止まっている状態で良好と言っております。またこれから走行テストして様子を見ながら仕上げて行くとの事でした。いろいろ有難う御座いました。また今後とも宜しくお願い致します。」

 

良かったです。安心しました。

ウィンテージハーレーがよみがえったということで、何よりです。

当方としましても、また新たな領域を開拓することが出来たと思っています。

今後も、引き続きこの方と情報交換し、製品のバージョンアップを目指していきます。

 

さしあたっては、配線変更です。

ヴィンテージハーレーの電線はこんなものが使われています。

 

レギュの見た目も、改良が必要かも。今のは樹脂製ですので、金属製の方が良いかな

。またいろいろ考えてみようと思います。