おはゆにセミトラユーザーで、ヤマハRD350乗りの方から以下のメッセージを頂きました。

 

「貴社のセミトラも8月ごろから使っています。どのきっかけでそうなったか覚えてないのですが左肺の排気リズムが右に比べ明らかに悪くプラグ焼けも明らかに被り気味です。白煙も多いといった状況です。始動も左は遅れてからかかったりします。アイドリングのみのアイドルスクリューやエアスクリュー調整でリズム改善してもちょこっとふかすとと元に戻ります。正常はボボボボボッがペッ………ぺぺ……です。
コイル、ジェネレーター、キャブ、腰上など思いつく限りはやったのですが改善の見通しが立ちません。
おそらく貴社様のアメブロの記事でノイズによるセミトラの波形の乱れについて触れてられていたのを見ました。自分のRDはLED化してるのですがICウィンカーは4社ぐらい試しましたが全てノイズによりハイフラが発生しフェライトコアで改善するものあったりです。それでもモノによってふかすとハイフラになったり一瞬で壊れたりします。RD初期はプラグ、キャップ共に無抵抗でそれにしてます。
点火はバッ直と最近16V化にしています。
あんまりこういうのもトランジスタに良くなかったのかという自覚は無きにしもあらずです。ノイズの記事を見てからセミトラを外しポイントに戻したら戻ったのですがセミトラを送って診てもらう事はできますか?」

 

その後、セミトラを送っていただき検査しましたが正常動作でした。

ただ、何らかのトラブルがあったのかと思っていたところ、ご本人から以下のメールが来ました。

 

「本日ポイントでしばらく走ったところ症状が出てしまいました。ところが症状がより顕著に出たのでキャブをスペアに変えたら直ってしまいました。キャブのチョークの左右のバイパス経路がほんの僅かに閉じれていない事がわかりました。チョークは新品なのでストロークするキャブの筒側が摩耗か歪んでいるのかと思われます。スペアのキャブだと完全に閉じれていました。お騒がせしてすみません。」

 

ともかく、原因が判明して良かったです。

セミトラ自体はノイズ対策を追加施工して既に発送済でしたが、後々のことを考えるとそれは有効かと思います。

 

そして、数ヶ月が経過し・・・・

 

久し振りにご連絡がありました。

こういう場合は、あまい良くないお知らせのことが殆どです(涙)

 

「改修頂いたセミトラはその後数百キロ問題なかったのですが異常が起こりました
加速中ストールを起こし停止始動不可ポイントに戻したら復帰、この数10キロ前後で停止までいかないが似た症状と出発前にヒューズが飛ぶ事が一度づつありました。セミトラを繋ぎ直し停止時にクランク回し点検するとLEDランプが2つつくタイミングでヒューズが飛びます。動画を送ります。ヒューズブレーカーで実施、ポイントに戻すと飛びません。何度も恐縮ですが事実確認のための点検を頂けますでしょうか。それか抵抗確認などこちらでテスター程度で確認する方法があれば教えて下さい。一応改修後に好調の時のアイドリング動画も送ります。ポイントだと発生するハンチングが一切起きません。」

 

これは難問です。

セミトラが原因でメインヒューズが飛ぶということはあまり考えにくいからです。でも、致命的な損傷があったらまた別ですが。

と、頭を抱えていたところ、またご連絡がありました。

 

「ヒューズ飛びの原因が別にありました。
ジェネレーターから微かな擦れ音と共にヒューズが飛ぶので開けてみたらブラシが折れてインナーローター歪みキズになっておりました。
セミトラは壊れていませんでした。ジェネレーターのブラシが折れてセミトラが作動しなくなりポイントに戻したらたまたま走った事との因果関係は不明ですがスペアのインナーローターとブラシを復旧したところセミトラは通常動作しました。
大変お騒がせしました。」

 

なるほど、そういうことだったんですね。

ともかくセミトラには問題が無かったということが分かり、ほっと胸をなでおろしたところです。

 

ただ、なぜポイント点火ではうまくいったのか、ですが、セミトラの不調の時にも火花は出ていたのではないでしょうか?とすれば、以下の通りかと思います。

電源線に大きなノイズが乗ってしまい、セミトラの電源にも影響及ぼした。

その結果、点火タイミングが乱調し、回転維持ができなくなった。セミトラの点火タイミングは電源電圧変動の影響を少なからず受けますので。
ポイント点火は、そういう意味では、反応鈍いですから、機能したのでしょう。

 

数多くの旧車にお使いいただいているだけに、いろんなことが起きるのは想定内です。ただ今回のようなケースは初めてでした。勉強になります。