私自身も何個か製作したことのある、3本配線のセミトランジスタユニット。

これは簡単に言えば、ポイントに流れる電流をポイント接点だけでオフにするのではなく、トランジスタの力を借りてオフにする、というもの。回路はネットに溢れている。検索して上位に出てくるサイトの中で、これはわかりやすいかと。

このサイトの最初の方は、まさにセミトラ回路なのだが、それを安価に作ろうとして代替の回路を検討されている。

 

簡単に整理すると以下の回路となる。

このセミトラ回路の場合は、ポイントに流れる電流はポイント点火の時と同じ。

ポイント接点が開くと、トランジスタのコレクタ⇒エミッタに流れる電流(CE電流)が途切れるのでトランジスタがオフになる。トランジスタをスイッチング素子として使用する場合は、ベース電流によってCE電流のオンオフを制御している。それに対して、このセミトラではトランジスタのCE電流の減衰によって自らオフするだけの仕組みだ。トランジスタのスイッチングというより、流れる電流が減るからオフする、という単純なもの。その”オフ”の際の遮断についてだが、サイトに記載されている解説では、一次電流はトランジスタで遮断しているとある。でも果たしてそうだろうか。

 

ポイント点火の場合は、ポイントで火花が出る、つまりオン⇒オフがスパッと切り替わらなかったり、オンとオフを頻繁に繰り返すような挙動が出る。一方、このセミトラ回路の場合は、ポイントが一瞬オフになった直後にトランジスタがオフになる。この仕組を踏まえると、一次電流全てをトランジスタで遮断するというのは言い過ぎではないかと私は思う。トランジスタで遮断するためのきっかけを与えているのはあくまでポイント接点における電流遮断だからだ。私もこの3本配線セミトラを製作して試したことがあるので、効果があることは実感しているが、やはり私からするとこれは疑似セミトラ、と思うわけだ。まあ人それぞれで良いけども。

 

まあともかく、セミトラ、という回路は人により定義が異なるということ。

私としてはポイントにはごくわずかな信号電流しか流さず、そのオンオフを制御回路を通じてMOSFETに送り、そこで一次電流を一気にオンオフする、4本配線の回路をセミトラと呼びたい。

 

今、ヤフオクで販売されているセミトラのなかにも、この3本配線セミトラがある。

一度試してみたいが、当方のセミトラより高価なため二の足を踏む。サイズも大きい様だ。どのような素子を使っているのか、興味はあるのだが。