京都リサーチパークの一角。

電気関係の試験室だ。

中小企業技術支援センターでの試験は今回が初めてのこと。こんな施設があったんだーと驚き。

 

まず行ったのは、方形波インパルスノイズ試験というもの。

エネルギーの大きいノイズを与えるもの。JIS規格で定められているものらしい。電気製品として輸出するためにはその数多くのJIS規格を満たす必要があるとのこと。へーーっつ。メーカーさんもこの試験室を使っているとか。

 

その規格の一つがこの試験。

試験器から出されたノイズが製品にどのように影響するかを評価する。

試験の様子がこちら。

左には、私のセミトラ試験機とオシロスコープ。

セミトラの配線をインパルスノイズ試験器の発信部に通している。

発信部には様々なノイズを与えることができ、それがセミトラの配線にどのように影響しているかを、セミトラ側のオシロで観測するのだ。

 

試験条件をいろいろと変化させてみると、ある条件でセミトラの動きがおかしくなった。あきらかに本来点火すべきでないところで点火している。波形もみだれている。

セミトラは壊れなかったけど、この状態ではおそらく現車ではエンジンが吹けないという不調が現れると推定される。アイドリングも安定しないだろう。

 

 

ついで行ったのは、ファスト・トランジェント・バースト試験というもの。

ノイズを沢山あたえるというものだ。

中央の長いアルミ板の中にセミトラの配線を入れる。

そこにノイズを与えて、セミトラ回路への影響を調べるというわけだ。

 

 

結果は、このオシロの画面!

ノイズ乗りまくり。でも、点火波形自体は乱れずに安定している。つまり、点火には影響を及ぼしていないということが分かった。

 

この試験の規格。私は大学での専門は機械工学なので、こういう電気関係は実は詳しくない。いろいろと勉強になる。

 

更に、立ち会ってくれたセンターの方(この方は工学博士!)から、静電気の影響も試してみませんか?とのご提案をいただき、やってみることに。

 

中央のガンで、試験品に静電気を送り込む。

15000Vという高電圧だ。衣類等で発生する静電気がこれくらいらしい。電気製品は人が触ったときに壊れては困ることもあって、このレベルでの試験が必要だとか。なるほど。

 

セミトラ装置のあちこちにガンで静電気を打ち込むが、オシロの波形は一糸乱れず。

安定そのものだ。支援センターの方曰く、静電気は原因ではありませんね。

 

なるほど。

 

ということで、詳しは企業秘密にしておくが、ある波形のノイズのときに点火回路によろしくない影響を及ぼすということが分かったのは、今日の最大の収穫だ。

対策としていくつかの選択肢があるので、今後それを探求していく。

なかなか一筋縄ではいかないノイズ対策であるが、今回得られた知見により、更にレベルアップできる可能性がある。

わずか1~数%という発生確率を限りなく0%にするため、対策の実施につなげたいと思う。