話は一昨年前の秋のW1箱根ミーティングの前夜祭で、セミトラが話題にあがったときに遡ります。

おはゆに61製セミトラユニットのキモとなる、MOSFETは耐圧600V仕様と耐圧250V仕様があります。両社の違いは、イグニッションコイル一次電圧のピーク値です。耐圧値が大きい方がより大きくなりますので、二次電圧のプラグ電圧も数千ボルトほど大きくなります。

実は、この二つの仕様のセミトラの両方をお持ちのW3オーナーがおひとりいます。

その方が両者の違いを語り始めました。すると、それを聞いていた方が、「走りながら仕様を切り替えられるようにできないか?」とおっしゃるのです。

 

それを聞いて、私は「面白い!」と思いました。

走りながら切り替えられれば、その違いをすぐに体感できそうです。それで試作してみたところ、本当に面白い製品ができたわけです。

この製品は、これまで国内で私ともうひとりだけ使っている、かなりレアな仕様の製品です。

かなりマニアックな製品です。現在世界で二人しか使っていません。その製品のユーザーがお一人増えました!ヤフオクで初めて落札されました!CB125JXの方です。私と同じですね。

 

私のCBでの動画をご覧ください。

もう一人は、W界では有名な北海道のW1Sさんです。

 

セミトラと一言で言っても、実は点火性能を左右する素子はメーカーによって異なります。

当方の製品は、東芝製の最新のMOSFETを使っていますが、そのMOSFETにしても性能はいろいろです。この製品は、そのMOSFETを二種類切り替えられるように作っています。具体的には、イグニッションコイルの一次電圧を250Vと600Vの二種類で切り替えできます。

さらには、セミトラ点火とポイント点火を切り替えられるようにもしています。

 

つまり、以下の3パターンの点火方式を走行時に切り替えて楽しめるという製品です。

①ポイント点火

②セミトラ点火一次電圧250V

③セミトラ点火一次電圧600V

 

①⇔②・③ を切り替えると、②③で①に比べてアイドリング安定性や、登坂能力などで、セミトラの効果を体感できます。

②と③では③の方がプラグ電極電圧では数千ボルト高いです。

ただ、耐ノイズ性能では②が③を上回っています。

③については、過去適合事例のある車両形式のみ有効です。

 

W系、CB系の1ポイント車は適合します。その他の車両が適合するかどうかは、ぜひお問い合わせください。

 

セミトラ点火ではポイントには数十mAしか流れませんので、少しの汚れでも導通不良となります。そのため適度に清掃することが求められますが、本製品でポイント点火に切り替えれば、その瞬間にポイントは数Aのオンオフを行うことになるため、汚れを焼き飛ばせます。よってポイント清掃の手間が省けます。

 

ポイント点火⇔セミトラ点火

耐圧250V⇔耐圧600V

これらを走行しながら行えるという製品です。旧車乗りの楽しみがまた一つ増えますよ。