7月10日 日曜日
6:22
人吉の早朝。
朝ごはんは、コンビニて調達し、球磨川を見ながら頂く。
ここは球磨川の中州。以前は公園だったのだろうけど、水害で被害を受けて立ち入り禁止となっていた。
さて、早朝から元気に走り回る。天気は悪くはないが雲がどんより。
しかし・・・
7:16
人吉から南下し、峠を過ぎると一気に快晴と雄大な雲海が目の前に。トンネルを過ぎるといきなりこういう景色が広がるので驚いた。この次に通ったトンネルはなんと”雲海トンネル”。てことは、ここは雲海で有名なのだろう。この眺めを見ながら峠を下っていく。
7:21
えびの高原、霧島連峰が見えてきた。とても爽快!!
7:34
えびの高原に降りてきてしばらく走り、踏切を渡る際に近くに魅力的な駅があることに気づいたのでUターンし、少し脇道へ。やはり私が思った通りの重厚な駅舎だ。大正年間に建築された鉄道開業当時のものとして貴重な文化遺産に登録されているようだ。肥薩線とかこの吉都線とか、この時代に建築された駅舎はよく似た構えをしている。国鉄(鉄道省)の規格だったのだろうか。
ホームは島式で、行き違い可能な配線。昔からあるローカル駅の象徴のよう。
肥薩線の駅と瓜二つだ。
切符出札口が二窓もあるし、小荷物の窓口も設けられている。往時は相当賑わっていたのだろう。
8:25
さて、その後はえびの高原から霧島目指して上る。その途中には、かつて霧島神宮があった場所が。神様がこの地に舞い降りてきた?いろいろ神話があるようだ。霧島神宮古旧祉というらしい。噴火のため消失した神社の跡だ。この更に頂上近くには大昔の神宮跡があり、そこが噴火で焼失したからこの地に再建、それも消失し現在に至る、というのだから凄い。
今でも年に一回はここで祭祀が執り行わるので、人気は十分にある。今では観光スポットだ。
霧島登山口がすぐ横にある。私は登山経験はないが、坂本龍馬もお龍と登ったとかいうし、ちょっと興味あり。
10:05
霧島を後にし、今度は錦江湾を目指して降りていく。綺麗なところ。遠くには桜島が。
パノラマ写真では、やはりなかなか雄大さを伝えにくい。180°広がる視界だ。
空気が少しかすんでいるが、桜島も見える。
見晴らし台のベンチには三毛猫が。私が近づいても全く動じないので死んでいるのかと思ったが、ちゃんと呼吸していた。こんなに近づいたら野生の猫ならすぐ反応して逃げると思うけど、この猫は目をつぶったまま耳をピクリともさせない笑。
10:33
さて、道路案内で黒酢の甕で有名なところがあるというので立ち寄ったら、凄いこと!しかもレストランが併設されている。ちょっとお昼には早い10時半だけど、折角なので。
なかなかおしゃれ―!
鹿児島で獲れたエビどんぶり。これに黒酢醤油とワサビを少々。黄身をつぶしてスプーンでほおばると、そこはもうパラダイス。美味しすぎ。この黒酢、なに?
このエビのプロプリ感!!
他にもいろいろ出てきて、デザート・コーヒーもついて2500円はお値打ち。
テーブルにも備え付けられている、このお店の黒酢。これを少し垂らすと、まさにアジ変。味わいがワンランクアップするのだ。これはお土産決定だ。
時間が早いので空席が目立つが、あとからお客さんが続々。観光バスとかでも来るようだ。さすがの黒酢。
私が座った席からは、黒酢の甕と桜島が。
なんともリッチなお昼を過ごすことができた。立ち寄って良かった!
11:49
お昼を済ませて、更に南下。日曜営業のガススタンドがなくて焦った。
燃費はやはり22.8km/リットル。なかなかいい感じだ。
11:55
さらに南下し、佐多岬を目指す。南国ムードたっぷり。折角なのでUターンし記念撮影。
13:24
錦江湾のシーサイドをひた走り、佐多岬が近づくと気分もあがるワインディングロードを駆け抜けて、やっと佐多岬到着。結構遠かった。しかも暑い!!
13:43
岬の少し手前にある撮影スポットで。
たまたまここにW1SA乗りがいて、少々W談義を。私のW3にはオイルクーラーを取り付けているので、それに興味を持ったようだ。ただ、今回のツーリングでは実はオイルクーラーはバイパスさせている。それで油温はせいぜい80℃どまりだ。全く問題ない。オイルクーラーを通すと約10℃くらい油温が下がる。となると高々70℃。これはあまりよろしくない。サーモスタットでオイルクーラーへの流路開閉を行っている場合、流路が開きとなるのが大体70℃。つまりこの温度以下ではオイルクーラーは通さない。どういうことかというと、それくらいの温度にならないとオイル本来の潤滑性能を十分発揮できないということと、油中に含まれるガソリン成分が揮発しにくくなって潤滑性能を損ねてしまうからだ。
とまあいろいろしゃべったけど、この方はどうしても自分のW1SAの油温上昇がとても気になるようだった。オイルタンクがチンチンに熱くなるし、ということだけど、私のW3もそれは同じ。油音計を付けておられなかったので心配なのだろう。やはり旧車には油温計は必須、と私は思う。エンジンの状態監視として。
ついでに記念撮影してもらった。ソロツーリングだと自分の写真は自撮りくらいしかないので、こういう写真は貴重。
さて、時間が14時に近づき、帰りのフェリーの出港時刻が気になってきた。17時志布志港発なので16時には港に着きたい。そうするとあと2時間。あまりゆっくりとはできないな。
ということで、走り始め、帰りは佐多岬半島の東側の県道を回るルートととったのが運の尽き。西側ルートと再び合流する地点の手前でなんと通行止めに。う回路もなく、引き返したため結局30分のロスタイム。これが後々大変なことにつながるとはこの時点では想像だにせず。
錦江湾沿いをハイペースで北上し、鹿屋まできて志布志まで残り約30キロ弱。このまま順調に行けば16時15分くらいには志布志港までたどり着けそうだなと。このまま順調であれば、とここで頭に浮かんだのは何かの予言か?!
航空自衛隊鹿屋基地を通り過ぎ、右折するさいに何かリアタイヤが滑ったような違和感が。道路の轍に足をとられたのかと思っていたが、何回かそういう違和感を覚えたので信号停止時にリアタイヤを見ると、ん?空気抜けている!!あちゃー、なんてこと。
すぐにガソリンスタンドでエアを入れようとするも、こういう時に限ってなかなかスタンドが無い。その代りほどなくオートバックスが。そこでパンク修理剤を調達し、直してやろうと思ったのが運の尽き。なんと、いくら補充してもエアがこもらないどころか、タイヤに残っていたエアまでも抜けてしまった。チューブタイプには効果が無いかもと分かっていたが、逆効果になるとは。急いでいるのになんてこった。
ほぼパンク状態で近くのガソリンスタンドまで何とか走り、エアを入れるも、全く充填せず。これは完全にパンクだ。志布志まであと18キロほど。パンクしたままノロノロ運転し、なんとか時速20キロ程度では走れるのでこのままなんとか港まで行けば間に合いそうと思っていたが。
道路がカーブしているところでリアが左右に大きく揺さぶられることに。あやうく転倒、あるいはガードレールにぶつかるところ、あえて何も操作せずバイクのなすが儘にさせて何とか減速し停車。事なきを得た。そしてまた更にノロノロ運転で動き始めたが、今度はリアからバタバタと異音がしjはじめた。もうこれは命に関わると、自走を断念。道路脇にバイクをとめてJAFに救援コール。以下はその後の時系列。
15:48 JAFに救援コール レッカー現地到着が1時間後くらいになるとのこと。それではフェリーに間に合わないという事情を伝えたところ、他にあたってみるとのこと。
15:54 フェリー予約連絡先に電話。予約を明日の便に変更。今日乗れそうならまた戻せばう良いということなので。今日のままにしていたら、乗れなかったときにキャンセル料全額になるので。
16:00 JAFから返事。レッカーの手配可能。30分後くらいに着くとのこと。
16:10 現地にレッカー到着。え?めっちゃ早い。それくらい近いところにこの自動車会社があったということ。これは超ラッキーとしか言えない。
16:15 現地出発。レッカーへのバイクの積載の手際がとてもよい。
16:16 予約連絡先に志布志港の電話番号を教えてもらう。
16:17 志布志港へ電話。事情を連絡し、16:45までに着くので待ってほしいと依頼。
16:32 予約連絡先に電話。今日の便に間に合いそうなので、再び予約変更を依頼したところ既に今日の便になっているとのこと。???だが、結果オーライ。
16:34 志布志港から電話。現在地の照会があり、志布志港まで6kmと回答。間に合いそうなことを相互に確認。
16:43 志布志港から電話。まもなく到着する旨連絡。
16:45 志布志港到着。係の方が乗船券を持ってきてくれた。なるほど、この方が予約変更してくれてたんだなと。
16:46 最初は地上でバイクを降ろそうとしていたが、バイクがパンクしていることを甲板員が認め、彼の指示でJAFレッカーごと乗船
私はレッカーから降りていたので、走る走る。甲板員も走る。
ここは写真要るだろう!と思って、頑張って撮影。
このまま京都の自宅まで運んでくれたら・・・・
16:47 レッカーからW3を積み下ろし、車両甲板に据え付け。甲板員さんに「お待たせしてすいません」というとニッコリしてくれた。
16:54 JAF車を船上からお見送り。手を大きく振ったら応えてくれた!ドライバーさん、安全運転で急いでもらい助かりました。
16:59 志布志港出港。電話で応対してくれていたと思しき皆様が手を振ってお見送りしてくれていた。私もそれに応えたが、気づいてくれただろうか。
ふーーーぅっと一息。なんとか船上の人に。
もう間に合わないとあきらめかけていたが、ギリギリで間に合った。ほんと1分1秒を争う事態だった。あの佐多岬での通行止めがなければここまで焦る必要は無かったし、おそらく志布志港まで完全パンクせずにたどり着けただろう。
翌々日には金沢に戻らないと仕事の都合上よろしくない。もしフェリーに乗れなかったら、面倒なことになるなあと思っていたので、ほっと胸をなでおろす。
しかし、大阪港に着いてからどうするか、が次の課題。シャワー浴びる前に大阪港界隈のバイク屋を調べるが休店日とか閉店時刻を過ぎてしまっている。JAFのレッカーサービス無料枠を使い果たし、明日は有料。1キロ700円ほど取られる。私のバイクの任意保険にレッカーサービスの付帯はつけていなかったと思いながら保険会社に聞くとやはりついていない。有料の金額はJAF以上だ。んー、バイク屋のHPではトラックでの引き取りも可能、ってあるので明日そこに改めてお願いすることにして、今日はおしまい。
シャワーを浴びて、レストランでキンキンに冷えた生ビールを飲み干すと、緊張が和らいできた。生ビールをもう一杯。そしてチューハイと飲み進み、気が付いたらラウンジのソファーで寝てしまっていた。時すでに午前3時。
寝室に戻り、爆睡・・・・ 疲れました。。
つづく