牛腸茂雄 写真展 ”生きている”ということの証
日程:2023年12月22日
場所:市立伊丹ミュージアム
今回初めて訪れた市立伊丹ミュージアム
JR大阪からは乗り換えなしで5駅ほどでJR伊丹駅へ。(福知山線・宝塚線)
阪急なら阪急伊丹駅が最寄り。梅田からであれば1回乗り換えが必要。
JRでも阪急でも、駅から徒歩8分ほどで到着できます。
私、JR伊丹駅って初めて降りた…。
駅前は出てすぐ右横にイオンモール、
ミュージアムは反対側の左をまっすぐ行くルートなんだけど、
石畳の道中、結構お洒落な飲食店とか、花屋さんとか、雑貨屋さん?とかあって
「こんなお洒落な開発が進んでいる街だったのか…」と再発見。(写真撮ればよかった)
古民家風の大きくてモダンな和式の美術館。
今回の展示【牛腸茂雄 写真展 ”生きている”ということの証】は写真撮影すべてNGだったので掲載写真ほとんどないのですが…
まず牛腸茂雄という人物について。
【牛腸茂雄(ごちょうしげお)】1946₋1983
新潟県出身の写真家。
3歳で胸椎カリエス(背中が曲がってしまう病気)を患い、長期間の治療で下半身を固定される生活だったため、その後成長が止まってしまう。身体にハンディキャップを持ち、さらに20歳まで生きられるかと言われながらも、10代でデザインの分野で才能を開花。高校を卒業後、デザイナーを目指して進学した桑沢デザイン研究所で大辻清司と出会う。大辻からの説得で写真の道へ。
本展でもそうだが、限られた命であることを自覚した牛腸は「生きていることの証」として写真集の製作に注力。
憑かれるようにレンズを通してみる世界、創造の世界に没頭。これは写真を通して自分と世界との関わりを探求し続けた彼のポートレートなのだ。
Wikipediaで牛腸茂雄について調べてみると、彼はコンポラ写真(※)の代表的な作家、と記載があった。
また「子供を撮ったスナップショットが多く、子供の世界に入っていくような作風で知られた。」(Wikipediaより)とも。
※コンポラ写真…《contemporary photographyから》日常生活の中に、現代的な何ものかを発見しようとする写真家の撮影態度。
たしかに、子供をはじめ、人物の写真が多い。
でも、子供の世界に入っていくような作風…?それはよくわからなかった。ごめんなさい。
ただこちらを見つめる子供
並んで見ている少女たち
少し微笑む老人
考え事をしている男たち
幸せそうでも、不幸そうでもないような、なんだか目の前の日常を押さえたみたいな写真だなって思った。
彼のバックボーンを確認してから作品を見ていくと、
身体にハンディキャップを持っているからこそ?彼は人一倍”生きたい”という気持ちが強い人だったのかもと感じる。
自分の日常・周囲を、自分の視点から見た光景を忘れずに残しておきたい、というような気持だったのかなぁ。
まさに彼が”生きていた”という証。
なんとなーーーーく浅野いにおさんの漫画の世界観に近いかも。(作品がモノクロが多いからというわけではなくて)
世界に希望も持っていないし、自身には何の期待もしていないけど、自分の痕跡を残したい!!という承認欲求が見え隠れする…みたいな。
彼はお姉さんや、友人たちにたくさんの手紙を送ったり、自身の半生を遺書のように残したりもしていたみたいだし…(その手紙の内容も展示されてます)
少し闇が見える感じがする。
自分も写真勉強中なので、いい勉強・いい時間になりました。
※館内すべて写真撮影禁止