BNFとSBI北尾の会談
北尾:孫さんに会われたそうですね。孫さんが僕に言っていましたよ。孫さんは自分のお金を運用してもらおうと頼んだとか。
北尾:それで断ったそうですね(笑)
北尾:そうだよね。ネット証券の誕生とその売買システム 、例えばマーケット スピードのようにトレーディングルームにいる機関投資家と同じようなシステムを個人が持てるようになったのが、いわゆるデイトレーダー が生まれて
北尾:動きがわかれば「売り」から入ろうと「買い」から入ろうと、どちらでも大丈夫だからね。
北尾:だいたい「買い」から入ってるの?
北尾:ああ、そう(驚)?両方やるのかと思っていました。
北尾:なるほど。今は資産が大きくなりすぎてしまっているので、値動きの激しい銘柄、例えば新興銘柄は手を出さずに大企業に集中しないといけないだろうね。
北尾:そう、ライブドアショック までは良かったんですよ。
北尾:確かにライブドアショックが起こるまでの新興市場は、東証一部よりも儲かったと思うね。
北尾:そう。ジェイコムの時はかなり話題になったけど、よく気がついたね?
北尾:「おかしいな、これは誤発注だ」と思って、7,000株くらい買ってそれだけで22億円くらい儲けたわけですね。
北尾:もっといけた(笑)?なるほど・・・。では普段はどうやって銘柄は決めるの?やはりボリュームと値動きを主に見る?
北尾:ファンダメンタルズは基本的に見ない?
北尾:マクロ的なことは見ているわけだ
北尾:つまり、セミマクロの状況、例えば半導体がどうなっているかとか、そういうことまで見ているわけだ。
北尾:なるほどね。
北尾:今は昔と違って世界中の情報がインターネットを通じてリアルタイムで入ってくるからね。昔はインターネットなど無くて、テレックスで情報を仕入れていた時代だから、アメリカのマーケットの影響が出るまで時間がかかった。そういう意味では反応が早いだけ難しくなったのかもしれないね。
北尾:そうだね。あなたのようにアメリカの影響がどう出るのかが読めているのであれば、インターネットの情報を元に日本の市場の動きも読みやすくなるね。アメリカの影響で一時的に下がった株を買い、次の日に戻したら売る、そんな方法が考えられるね。
北尾:だいたいどの位のスパンで見るの?
北尾:160億円以上の資産の運用となるとかなりの流動性が必要になってくるね。
北尾:今は何時間くらい相場を見ているの?日本のマーケットだけを見ているの?
北尾:夜間取引が始まったらどうする?
北尾:我々が作るPTSでは結構な出来高になるかもしれません。ただ、出来高に関しては法律で上限が決められているので、取引が増えてきたらPTSから取引所 にならないといけないという状況になるかもしれないね。まあ我々のPTSは参加証券会社が多く、規模は大きくなる可能性が高いので、そういったことまで考えなくていけない。現在は5社で合意していますが、他にも入りたいという話が多く来ているのです。
北尾:ええ、ですから規模が大きくなる可能性は大いにあります。本当に規模が大きくなってきたら、やはり夜だけではなく昼も視野に入れなければいけないね。
北尾:新しくつくるPTSでは取引のスピードがもっと早くなるシステムを導入します。ですから今の東証のシステムでは対応できない ような取引が行えるようになるわけです。
北尾:そう、競争になるよ。ただ、問題は欧米と比較 して日本の取引所は東証、大証含めてあまり儲かっていないことなんです。そして収益力が低いために十分なシステム投資が出来ないという状況になっている。
北尾:だからといって場口銭を上げると大きな反発が出てくるでしょう。一方の我々は場口銭もなるべく下げて、イー・トレード証券 をはじめ各証券会社に利益を還元することで、それを手数料などで顧客へと還元できるようにしていきたいと思っている。やはりネット証券になって手数料が安くなったことは個人にとって大きいことだね。
北尾:今だって野村證券 とイー・トレード を比べたら10倍以上違うよ。大手の証券会社のようにリアル店舗を構えて従業員をたくさん雇ったらそのくらい手数料を取らないとやっていけないからね。
北尾:うん、でも個人の預かり資産で見たらネットに移行しているのは1割くらいしかない。これを変えていかないといけないね。
北尾:それも時間との関数で当然変わってくるね。それにしてもまあ、あなたはずっとこの世界で身を立てていくの?これがあなたの天命、いや天職 かな?
北尾:うん、なるほどね。
北尾:そうだね、やはり他人のお金を預かるということはそれなりに大変ですよ(笑)。そして今「無理をしない」と言っていましたが、僕も30年以上相場の世界を見てきたけど、やはり無理をしたらダメですね。無理をすること、欲をかくこと、この二つをやったらダメだと思うね。魚と一緒で頭と尻尾は捨てる、身の部分だけ食べればいいんです。ところがついつい「もっと欲しい、もっと欲しい」となってしまうと破滅してしまうんですね。
北尾:でもあなたの場合は自分のアセットだけでもどんどん増えてきてるから、それだけでもきつくなるね。目標はどれくらいですか?
北尾:では、どのくらいまで伸ばせそうですか?
北尾:短期売買で大きな金額を運用しようと思うと、小さな銘柄に投資すると自分の売買だけで値が動いてしまうから、大きな銘柄にしか投資できなくなるしね。そうやって制限されるようになってくると厳しいんじゃないかなって思うね。言われる通り。やはり金額が大きくなってくると長期投資が大事になってくるだろうね。
北尾:今、アメリカのマーケットを見ているとM&A関連が結構盛り上がっているね。
北尾:すごいよねえ、今回のマードックさんの一件とかは。
北尾:今回のような判例が出てしまうと、グリーン ・メーラーやそれに準じたような買収行為は難しくなってくるね。あのような結果になると予想はしていたけど、今回の司法の判決はきわめて日本的だったね。アメリカではあのような結果にはならない。
北尾:アメリカと比較すると、アメリカはお金が入ってくる国だからやっぱり強いね。中国を見ても中国は輸出超過型の貿易でどんどん外貨 をためていって、その外貨をドルに変える。そうするとアメリカにドルが行く。そのお金はまず債券市場に行くわけだけども、その債券市場が溢れ出してくる。今サブプライム ローンの問題があるけれども、こういったものが売れなくなってきます。そうなると、結果として株式市場 にお金が入ってくる。この流れが大きいですね。そしてオイルダラーもありますね。産油国にたまったお金はアメリカに行く。残念ながら日本には来ないんです。
北尾:それでも、昔なら日本にも来たんですよ。世界第二位のマーケットだった頃は。ところが今は中国やインドに行ってしまう。これは昔はなかった現象ですね。
北尾:先日ベトナム に出張に行ったのですが、ベトナムのマーケットを見ていたらどんどん上がっていました。ベトナムくらいになると、アメリカとか中国とかの影響を受けないんですね。マーケット自体が小さいから、他の国からお金が入ってきたらもう上がるしかない。
北尾:現状ではお金が出て行くだけで入ってこない。だから日本の市場は上がらないんだね。
北尾:商社といえば、今資源の値段が上がってるでしょ。私のところでも中国のチタンの会社を買いたいと考えていたのですが、世界中から引っ張りダコみたいでね。昔、世界中でチタンが枯渇するという噂が流れて、日本のチタン関連の会社の株がものすごく上がった時期があった。それと同じような現象ですね。商社株が強いのは、そういった資源系に関わっているというイメージ が強いからかもしれませんね。
北尾:日本の企業はそういったものに対してのアクション がものすごく遅いね。このままじゃ中国の企業のほうが力持っちゃいますよ。
北尾:びっくりするくらい早いよね。やっぱり華僑の伝統 からか、嗅覚がものすごく発達しているように感じますね、お金に対しての嗅覚が(笑)。 日本人はその点のんびりしてる。
北尾:この次くるのは、僕は食料だと思っています。
北尾:確かにバイオテック の関連で既に来ていますね。ところが、これからもっと健康ブームが世界中で浸透してくると、世界でもトップクラスの長寿を誇る日本の食事が見直されるようになる。そうなると魚類関係が来るわけです。それと、やはり水だね。
北尾:中国の黄河が、四大文明 の一つである黄河文明の中心となった黄河が、枯れてきているというのだから問題は深刻です。一方、水がある揚子江でも汚染のために飲むことはできない地域があるそうです。
北尾:食料に関してはやはり食料安保の考え方が基本的にあって、なかなか自由化しないんだよね。お米 にしても、それ以外にしても。
北尾:農業を発展させるという意味では、成長を早める薬とかが重要になるかもしれないね。例えば、林原生命科学研究所が開発しているトレハロースを植物に入れると物凄く成長が早くなる。そういう技術が脚光を浴びてくるのではないかと思うね。
北尾:現実問題として地球全体が異常気象に見舞われ始めているし、温暖化のために南極の氷も溶け始めている。そうなってくるとやはり省エネ も大事になってくるね。
北尾:そうだね。資源というと、以前ベトナムに紙の原料 をつくる大プランテーションを作らないか、という話があったね。物凄く広い土地 を使って紙の原料である木を栽培する。人類が生きていく上で紙は必要不可欠な材料だから、人口の増加に伴ってこれが不足する前に押さえておこうという話。是非とも出資して欲しいと言ってきてね。
北尾:でも、紙の原料は栽培はじめてから出来るまでに6年もかかるって。6年もしたら僕はもういないかもしれない(笑)。自分で責任の取れない投資はしないことにしているからね。でも、どちらにしても今は日本国内に投資するよりも海外に投資したほうがずっと効率がいいと思うね。
北尾:僕の考えではお金を儲けるということは全てアービトラジだと思っている。要するに鞘を取っていくことです。例えば日本は先進国なので後進国に行ってその鞘を取ってくる。後進国の方がお金がないので金利 も高くつくから金利の鞘だって取れる。これが僕のビジネスの発想の根幹にあるわけ。
北尾:そう。そしてインターネットの世界では、かつてアメリカが日本より5年先をいっていた。アメリカで成功したものを日本でやれば必ず成功するだろうという発想で、例えばヤフーやイー・トレードなんかも持ってきたのです。タイムマシン経営なんて言ったけど、これを利用してアビトラージで儲けていくっていうのは、ひとつの儲け方かもしれないね。
北尾:そうだね。個人で出来ることには限界がある。だから、如何に他の人と違う形でいけるか、というのが重要なんだろうね。さっき言われたように、市場に出て行くのが比較的早かったというのは良かったんだろうと思いますよ。