『Z750FXのシートの上で…』
バカ野郎…
俺はお前を許さない
俺ひとりを置き去りに
黙って先に逝くなんて…
目の前に
アイツが愛したZ750RS
続いて走るZ750FX…
当たり前だと思ってた
でも今は
二度とは見えない光景…
行き場のないこの怒り
どこにぶつければいいのだろう?
何を憎めばいいのだろう?
わかっている…
でも何かに怒りをぶつけなければ
この胸に突き刺さった悲しみを
抜き去ることなど出来やしない
冷たく凍えたアスファルト
俺はメットを投げつけた
青白き光に照らされたハイウェイ…
Z750FXのシートの上で見た風は
いつだかセナが見たそれと
同じ色に映るのだろうか?