Excel2021 新関数 LET関数 “変数”を使って可読性と計算速度アップ | パソコン・テクニカル

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オートコンプリートにも対応

 

米Microsoftは11月16日(現地時間)、「Excel」の新しい関数

「LET」を一般公開したと発表した。

今年3月から“Office Insider”でテストされていた機能です。

 

「LET」関数は計算結果に名前を割り当て、

それを再利用できるようにするもの。

同じような処理を何度も記述して数式が

長く読みにくくなるのを避けられるほか、

計算量の多い処理を何度も繰り返す必要がなくなるため

パフォーマンスが向上する。

プログラミング言語の“変数”によく似た概念ですが、

それが利用できる範囲

(スコープ)のはその数式の中だけです。

 

「LET」関数の基本的な構文は、以下の通りです。

 


= LET (name1, name_value1, name2, name_value2, ……calculation)

 

・name:変数の名前。文字で始まる必要があり、

 数式の出力や範囲構文と競合してはならない

・name_value:“name”に割り当てる値

・calculation:変数を利用した計算。

 最後の引数はこれでなければならない

 

変数は最大126個が利用でき、その数だけ

名前と値のペアを引数に指定する。

最後の引数は変数を利用した

計算式(calculation)である必要があるため、

引数の数はかならず奇数個になる(最短の引数は3)。

 

たとえば以下の売り上げデータから社員名が

“Fred”のものだけを抽出したい場合は以下のようになります。

 

 

 

LET を利用しない場合:

=IF(ISBLANK(FILTER(A2:D8,A2:A8="Fred")),"-",
FILTER(A2:D8,A2:A8="Fred"))

LETを利用した場合:

=LET(filterCriteria,"Fred”,filteredRange,FILTER
(A2:D8,A2:A8=filterCriteria),
IF(ISBLANK(filteredRange),"-",filteredRange))

 

“Fred”や“FILTER(A2:D8,A2:A8=……)”を繰り返し記述する

代わりにわかりやすい変数名を付けられるので、

あとでフィルタリングの条件を変更する

必要が生じても容易に式を再利用できる。

計算速度も「LET」関数を

利用した方が2倍速いという。

 

正式版の「LET」関数では、“name1”“name2”などで宣言した

変数を“calculation”引数でオートコンプリートできるようになった。

データ参照の競合を防ぐため

変数の名前に“.”(ドット)を利用できなくしたり、

関数名のローカライゼーションが廃止されたのも、

“Office Insider”のフィードバックを取り入れた成果です。

どの言語の「Excel」でも

「LET」という名前で関数を利用できます。

 

 

「LET」関数は「Office 365」または「Microsoft 365」の「Excel」

「Excel 2021」で利用可能。Webを含めたすべての

プラットフォームの“Current”チャネルで利用できます。

 

 

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