Chrome互換に生まれ変わる次期Microsoft Edgeその実力 | パソコン・テクニカル

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現行のMicrosoft Edgeは、「EdgeHTML」と呼ばれる

HTMLレンダリングエンジンを採用しているが、

将来的にはGoogle Chrome(以下、Chrome)と

同じBlinkレンダリングエンジンを

ベースとしたものに切り替わる予定だ。

 

プレビュー版が公開されたChromium ベースのMicrosoft Edge

デスクトップに作成されたショートカットアイコンと新Microsoft Edge画面。

 

 

具体的には、Chromeのオープンソース版ともいえる

Chromium(クロミウム)をベースに現行の

Microsoft Edge風のUIを施したものだ。

ここでは、現行のEdgeHTML版Microsoft Edge

(以下、単に「Microsoft Edge」と呼ぶ)と区別するため、

プレビュー中のMicrosoft Edgeを

「Chromium版Edge」と呼ぶことにします。

 

Chromium版Edgeのプレビュー版をもとに、

外観や機能などについて見ていくことにします。

 

Chromiumとは

 

Chromiumは、オープンソースで開発されている

Webブラウザのプロジェクトならびに、

そのプロジェクトで開発されたWebブラウザ名である

(Chromiumのプロジェクトの詳細は、

The Chromium Projects」を参照のこと)

 

Chromeは、このChromiumをベースに、

Flash Playerを内蔵したり、自動アップデート機能を

追加したりしたものである。

そのため、Chromeは、Chromiumと大部分の

ソースコードを共有しているものの、

完全に同じではない。

 

Chrome/Chromiumは、Blinkと呼ばれる

HTMLレンダリングエンジンと、

V8と呼ばれるJavaScript実行エンジンを利用して

作られたWebブラウザである。

この2つは、ブラウザの基本機能であり、

同じエンジンを採用すれば、同一の

WebページやJavaScriptに対して同じ結果が得られる。

 

もともとChrome/Chromiumは、WebKitを

レンダリング/JavaScriptエンジンとして採用していた。

しかし、開発の方向性の違いなどから、

WebKitをベースに新たにBlinkとV8を開発することになった。

このため、WebKitを使うAppleのSafariなどの

ブラウザと挙動は似ているものの、

動作に違いが出るようになった。

 

いずれのレンダリングエンジンも、

HTML5に準拠しており、基本的な動作に大きな違いはない。

しかしWebブラウザは発展途上であり、

さまざまな仕様が現在も追加されている

(HTML5への準拠度合いも異なる)。

また、たとえ仕様が固定されたとしても、

ブラウザ同士の競合を考えると、速度や表示品質の改善など、

改良すべき項目はなくなることはないため、

常に開発し続ける必要がある。

こうした背景から、プロジェクトが異なれば、

同一URLにアクセスした場合の挙動が異なる可能性がある。

 

Chromium版Edgeとは

 

Chromium版Edgeは、Chromiumをベースに作られた

Microsoft Edgeだ。

HTMLのレンダリングやJavaScriptの振る舞いは

Chromiumと同じになるが、

ソフトウェアとしては別であるため、

例えば拡張機能や設定ページ、各種UIなどは、

Microsoft Edgeを踏襲したものになっている。

 

Chromium版Edgeのプレビュー版がすでに

Microsoft Edge Insiderのサイトでダウンロード可能となっており、

Windows 10 October 2018 Update(バージョン1809)などに

インストールして動作などを確認することができる

 

メニュー構成を見てみるとは、Chromeとは異なり、

Microsoft Edgeに似ており、

メニューアイコンも同じく横に点が3つ並ぶアイコンだ

(Chromeのメニューアイコンは点が縦に3つ並ぶ)。

拡張機能については、Microsoft Edge用の拡張が利用可能で、

Chrome用の拡張機能もインストールして利用できる

 

Chromeのメニュー構成

 

 

Microsoft Edgeのメニュー構成

 

 

Chromium版Edgeのメニュー構成

開発版のためメニューは英語表示だが、

メニュー項目の内容は上画面の現行の

Microsoft Edgeに近いことが分かる。

メニューにアイコンが表示される部分などで

EdgeとChromium版Edgeは似ているが、

リーディングリストがなく、

新しいタブ(New tab)がメニュー項目にある点では、

Chromium版Edgeは、Chromeに似ている。

 

 

Microsoft Edgeが持つ、タブ保存の機能などは、

執筆時点のChromium版Edgeにはない。

Microsoft Edgeの「メモを追加」や「共有」機能なども

いまのところ実装されていないようだ。

ただし、開発途上で未実装なのか、

搭載予定がないのかはまだ分からない。

 

GUI面にも、少々違いがある。Microsoft Edgeのタブは、

タイトルバーと同じ高さなのに対して、

ChromeやChromium版Edgeのタブは、

タイトルバーよりも少し背が低い。

ただし、Chrome/Chromiumのタブは角を構成する

曲線の曲率が大きいのに対して、

Chromium版Edgeはわずかであり、一見、

角張っているようにしか見えず、

この点ではMicrosoft Edgeに似ている。

 

触った感じ、Webページを表示する点においては、

EdgeやChromeとの違いは見つけることができなかった。

 

ChromeでWebページを表示

 

 

Microsoft EdgeでWebページを表示

 

 

Chromium版EdgeでWebページを表示

 

 

Chromium版Edgeのプレビュー版をインストールしてみる

 

Chromium版Edgeは、以下のMicrosoft Edge Insiderのサイトから、

インストールプログラム「MicrosoftEdgeSetuo.exe」を

ダウンロードして、インストールすることができる。

 

Microsoft Edge Insider (Microsoft)[英語]

 

 

Chromium版Edgeをダウンロードする

Microsoft Edge Insiderページを開き、

[Download Dev Channel]ボタンをクリックすると、

インストールプログラムがダウンロードできる。

 

 

3種類あるプレビュー版

 

3種類あるチャンネル

Chromium版Edgeの開発者バージョンは、

開発状態に応じて3種類の「チャンネル」で提供される。

原稿執筆時点では、

Betaチャンネルによる提供は行われていなかった。

 

 

ある程度開発が進んだβ版を配布する「Betaチャンネル」

 

1つ目は、「Betaチャンネル」で、ある

程度開発が進んだβ版を配布する。

ただし、執筆時点では、β版Edgeは配布されていない。

おそらく、大規模なβテストを行うまでは開発が

進んでいないと思われる。

実際、ちょっとした操作でクラッシュして

終了してしまうことがあった。

 

 

開発中のビルドの中から比較的安定したものを配布する「Devチャンネル」

 

2つ目は「Devチャンネル」で、こちらは開発中の

ビルドの中から比較的安定したもので、

Microsoftなどである程度の評価が行われたものが公開される。

取りあえず触ってみるという用途であれば、

これを選ぶべきだろう。

また、Webサイトがどのように表示されるか確認する、

といった用途もDevチャンネルを使う

 

 

デイリービルドをそのまま配布する「Canaryチャンネル」

 

3つ目は、「Canary(カナリー)チャンネル」で、

毎日行われている「デイリー」ビルドを

そのままダウンロードできる。

ビルドとは、ある時点のソースコードから

実行ファイルを作ることだ。

大規模なソフトウェアでは、

ビルド作業自体にも時間がかかるため、

1日1回程度にとどめる。

毎日行われるビルドを「デイリービルド」と呼ぶ。

 

デイリービルドは開発途中の状態であるため、

ビルドごとに安定度などがかなり異なる。

開発の最新状態を反映したものだが、

半面、不安定でクラッシュ発生の頻度が

高くなってしまうこともある。

Microsoft Edgeの拡張機能など、

Microsoft Edgeと強く関連した

ソフトウェアの開発などでは、

デイリービルドを使って評価を行うことがある。

 

カナリーとは開発関連の用語で、

かつて炭鉱などで有毒ガスの検出に

カナリアを使ったことに由来する。

評価したときに発生した問題が開発プロジェクトに

とって危険の兆候として利用できるという意味で、

評価者が「カナリア」の役目を果たすため、

「カナリア(たち)のビルド」という意味で

使われることがある。

本家ChromeにもChrome Canary Buildがある。

また、Windows10も社内で評価する

ビルドをCanaryと呼んでいるようだ。

 

 

Devチャンネルをインストールしてみた

 

Windows10の「October 1018 Update(バージョン1809)」

「May 2019 Update(バージョン1903)」

「20H1」に、Devチャンネルで配布されている

バージョンをインストールしてみた

(Betaチャンネルでの配布は開始されていない)。

現行のWindows10を含め、

3つの環境でChromium版Edgeのインストールが可能だった。

 

Microsoft Edgeは、Windows10の機能アップデートのとき

配布されていたため、機能追加なども年2回に限定されていた。

また、さまざまなWindows10の新機能(近距離共有など)に

対応している半面、Windows10への依存が大きかった。

 

そのため、あるバージョンのMicrosoft Edgeで

障害が発生したときに、Microsoft Edgeだけを

前のバージョンに戻すといった手段がなかった

(もちろんWindows 10自体を前のバージョンに戻すことはできるが……)。

その点では、扱い難いものといえた。

 

Chromium版Edgeは、複数のWindows10で動作したことから、

従来のMicrosoft Edgeに比べると、

Windows10自体への依存度は低く抑えられており、

一般アプリケーション並なのだと考えられる。

場合によっては、現行のChromeのように、

アップデートを延期したり、アンインストールして

前のバージョンをインストールしたりすると

いったことも可能になるかもしれない。

 

 

User Agentを調べてみる

 

短時間の評価では、HTMLレンダリングやJavaScriptの

細かい挙動の違いなどを見つけることは難しいため、

はっきりと分かる部分を調べてみた。

まずは、User Agentである。

これはWebブラウザが、Webサーバの要求に応じて送る、

Webブラウザ自身の情報である。一般にWebサーバは、

User Agentを見て、接続しているWebブラウザを識別し、

場合によっては、Webブラウザごとに

応答を変えるといった処理を行うことがある。

 

User Agentについては、接続中のブラウザからの情報を

表示してくれるWebサイトがあるのでこれを使ってみた。

これによると、現行のMicrosoft Edge、Chromium版Edge、

Chromeの3つのWebブラウザは、

下表のようなUser Agentを返している。

 

ブラウザ Windows User Agent(前方部分を省略*2)
Microsoft Edge バージョン1809 Chrome/64.0.3282.140 Safari/537.36 Edge/18.17763
Microsoft Edge 20H1 Chrome/70.0.3538.102 Safari/537.36 Edge/18.18875
Chromium版Edge 20H1*1 Chrome/75.0.3763.0 Safari/537.36 Edg/75.0.131.0
Chrome 20H1*1 Chrome/73.0.3683.103 Safari/537.36

各WebブラウザのUser Agent

*1 Windows 10 October 2018 Update(バージョン1809)でも同じ

*2 「Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) 

AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) 」は同じだったため省略

 

 

User Agentの先頭部分は、どのWebブラウザも全て同じで、

違いは後半部分のみであった。これは、Webサーバ側としては、

ブラウザのHTMLレンダリングエンジンが、

「Trident(IE)」「Gecko(Firefox)」

「WebKit系(Safari/Chrome/Microsoft Edge)」の

どれなのかを判定するだけで足りることが多いからだ。

 

先に来るのは、互換性があると想定されている

他のブラウザ名称とバージョンをスラッシュで区切ったものだ。

一般にUser Agentは、前方から一致を調べていき、

Webサーバ側は判定に必要なWebブラウザ名が

現れたところでバージョン番号を取得する。

このため、後発のWebブラウザは、

後に自分のWebブラウザ名とバージョンを置き、

前に互換性のあるWebブラウザ名とバージョンを配置する。

現行の全Webブラウザは、

User AgentでMozilla(Netscape Navigatorの開発コード名)と

互換性があると主張しているといえます。

 

Webブラウザの実際の名称やバージョンなどを含む。

やはり違いはここになったが、通常版Microsoft Edgeとの違いは、

Webブラウザ名を表す文字列が「Edge」から

「Edg」になっていること、

バージョン番号体系が変化していることだ。

 

Microsoft Edgeでは、「Edge」の後に

ピリオドで区切られた2つの数字があり、

そのうち2つ目は、ビルド番号に対応している。

これに対して、Chromium版Edgeでは、

「Edg」の後にピリオド3つで区切られた4つの数字がある。

この形式は、Chromiumの形式であり、

おそらく、ベースになったChromiumのバージョンを

利用して作られたバージョン番号であろう。

 

 

拡張機能はどうなっている

 

Microsoft Edgeの特徴として、拡張(Extension)による

Webブラウザの機能追加、機能拡張が行える点がある。

Internet Explorer(IE)では、

ActiveXと呼ばれるOLEを使ったバイナリコンポーネントにより

機能拡張を行っていたが、

これはセキュリティ面などで大きな問題があり。

いったんComコンポーネントに制御が渡ると、

何でもできてしまい、セキュリティ保護を行うための手段が

何もない状態となってしまうからだ。

ハードウェアとの連携や高度な機能などが実現できる手法だが、

Microsoft Edgeは、これを引き継がなかった

(実際には、その前に登場した64bit版IEが32bit ActiveXコードに

対応せず資産を引き継がなかった)。

 

このために登場したのがHTMLや

JavaScriptを使う「拡張」機能。

これは、Chromeの拡張機能を手本としたものだが、

Microsoft Edgeの拡張機能は、

Chromeのものにコンセプトが似ているものの、

互換性がなく、独自に開発を行う必要があった。

 

Microsoft Edgeの拡張機能の開発は、

盛況とは言い難い状況が続いていた。

Chromeにある拡張機能のうち、

Microsoft Edgeに対しても開発した人はごくわずかであった。

そのため、拡張する機能はあるものの、

肝心の拡張機能自体がなくて、

Chromeからの乗り換えを断念するといった状況もあった。

また、翻訳など主要な拡張機能はGoogle自身のもので、

Microsoft Edgeには対応していなかった、ということもある。

 

Chromium版Edgeは、従来のMicrosoft Edgeの拡張機能に加え、

Chromeの拡張機能に対応する。

ある意味、Chromiumをベースとした背景には、

この拡張機能というエコシステムが関係している。

いまのままでは、拡張のエコシステムは、Microsoft Edgeでは

大きく育つ可能性がほとんどない。

 

拡張機能の比較

Chromium版Edgeは、従来のMicrosoft Edgeの拡張機能も動作する。

Edge拡張を入れてみたが、動作に違いはなかった。

ただし、Chromium版Edgeはアドレスバーにサイト名を

表示する関係からウィンドウ幅を狭くすると

拡張アイコンがメニュー側に表示される

 

 

拡張機能を試してみた

 

拡張機能を試してみよう。

まず、これまでのMicrosoft Edgeの拡張機能だが、

いまのところWeb版のMicrosoft Storeからダウンロードを行う。

ただし、総数を数えてみたところ、

Windows 10 October 2018 Update(バージョン1809)の

Microsoft Edge拡張(Microsoft Storeアプリ上)は、

227個あるのに対して、Chromium版Edgeでは118個しか表示されない。

ライセンス的な問題なのか、技術的な問題なのかは、

不明だが、少なくとも現時点では、

全てのEdge拡張が利用できるわけではないようだ。

 

Chromium版Edgeでは、Chromeウェブストアからの拡張

(Chrome拡張)のインストールを行うことを

「Extension from other stores」(他のストアからの拡張)と呼ぶ。

これを行うには、URLとして「edge://extensions」を開き、

ここでページ左下にある「Allow extension from other stores」を

「オン」にする必要がある。

 

Chromeウェブストアからの拡張機能のインストールを許可する

extensionsのページには、「From Other sources」に

Chrome拡張が表示され、Chrome拡張は普通に動作できる。

 

その後、「Chromeウェブストア - 拡張機能」を開く。

 

Chromium版EdgeでChromeウェブストアを開く

上部にChrome ウェブストアからEdgeへ拡張が

インストール可能だというメッセージ(青地の部分)が出る

 

このとき、ページ上部には、

「You can now add extension from the Chrome Web store to Microsoft Edge」と

メッセージが表示される。

あとは、通常通りに必要なChrome拡張を探して追加すればよい。

 

Chromium版EdgeにChromeの拡張機能をインストールする

Chromeに拡張機能をインストールする際と同様の手順で、

Chromium版EdgeにChromeの拡張機能をインストールできる。

 

 

これでChrome拡張は、Chromeと同じように動作するはずである。

全部のChrome拡張を試したわけではないが、

幾つかのChrome拡張を試した限り、

問題が発生するようなことはなかった。

もっとも、これはChromiumベースだから当然ではある。

 

インストールした拡張(Microsoft Edge/Chromeの両方)は、

Chromium版Edgeでは、

アドレスバーの右側に拡張のアイコンが並ぶ

(これはChromeと同じ)。

また、「Edge://extensions」には、

インストールした両方の拡張が表示される。表示方法は、

Chromeとは違うが、機能的にはほぼ同等と思われる。

 

 

設定ページなどはどう変わる

 

アドレスバー右端に[メニュー]アイコンがあり、

そのメニューから[設定](Settings)を選択すれば、

いわゆる設定ページが開く。

またURLを使って「edge://settings」

(Chromeでは「chrome://settings」)で

設定ページを開くこともできる。

 

設定ページの構成は大きく異なる。

Chromium版Edgeの設定ページは、左側に大分類が並び、

選択した項目に関係する設定がページ右側に

表示される階層構造を取っている。

それに対してChromeは、設定と詳細設定に分かれるものの、

1ページの中に全ての項目が並ぶ構造だ。

 

Chromeの設定ページ画面

Chromeの設定ページは、設定項目が縦に並び、

クリックでページが切り替わる方式だ。

 

 

Chromium版Edgeの設定ページ画面

Chromium版Edgeの設定ページは、左側にカテゴリー項目が並び、

選択したカテゴリーの設定ページが右側に表示される方式だ。

 

 

例えば、Flash Playerの動作許可や

PDFファイルのブラウザ内での表示許可などを

設定する場合、Chromeでは[詳細設定]-

[プライバシーとセキュリティ]-[

コンテンツの設定]から行っていた。

Chromium版Edgeでは、ほぼ同じ設定が「Site permissions」の中にある。

 

ChromeのFlash PlayerやPDFなどの表示制御設定

Flash PlayerやPDFなどの表示制御は、

[詳細設定]-[プライバシーとセキュリティ]-

[コンテンツの設定]から行う。

 

 

Chromium版EdgeのFlash PlayerやPDFなどの表示制御設定

Chromium版Edgeでは、「Site permissions(サイト別の許可)」で行う。

 

 

設定で言語として日本語を選択可能だが、設定ページやメニューなどの

表記は英語のままで変化しなかった。

配布されているChromium版Edgeは、

まだ日本語のメッセージリソースなどが提供されていないようだ。

 

 

Microsoft Edgeの「再起動」

 

Setsは、複数の異なるアプリケーションの

ウィンドウをタブ形式で1つのウィンドウにまとめ、

タブ状態を記録できるというものだった。

そのタブ構造はMicrosoft Edgeのタブそのもので、

Setsの中でMicrosoft Edge上のWebページから

Windowsアプリケーションが起動可能になるなど、

重要な役割を果たしていた。

 

途中でSetsのプレビューは終了し、

バージョン1809にSetsは搭載されなかった。

いまから考えると、Setsのプレビューが終了した理由は、

Edgeの方向転換なのではないだろうか

 

Setsとは、Windows10のウィンドウを

Microsoft Edgeのようにタブ化するもので、

古くは、IE4で行われたWindows ExplorerとInternet Explorerの統合を

思い出させる機能だった。

ただ、Microsoft EdgeがChromiumベースになるという

決定を受け、Sets自体が見直しになった可能性がある。

 

Setsでは、「仕事」単位でウィンドウをタブとして

1つのウィンドウにまとめ、

これを使って中断した仕事を再開するような

使い方を想定していた。

現状、検索やさまざまなサービスの実行などで、

Webブラウザは、仕事でも重要な役割を担うアプリケーションだ。

 

Microsoft Edgeのタブ形式ウィンドウをベースに

Win32アプリやUWPのウィンドウをまとめるSetsという

コンセプトを考えると、Microsoft EdgeのChromiumベースへの移行は、

大きな影響があったに違いない。

もしかすると、Sets自体、このままお蔵入りする可能性もあるだろう。

 

Chromium版Edgeは、Windows 10以外にも、

Windows 7/8/8.1、macOS用が作られる。

 

Chromium版Edgeの開発

Edge Insiderのページでは、Windows 7/8/8.1、macOS版

 

 

 

これまでのMicrosoft Edgeは、Windows 10専用であり、

逆にそれが普及の足かせになっていたのかもしれない。

まだ、稼働しているWindows 7などは、IEを使う理由がなければ、

ChromeやFirefoxなど、Microsoft以外のWebブラウザが選択されている。

 

Microsoft自身がIEには今後メジャーバージョンアップがない

ことを宣言してしまったので、Windows10より前のWindows OSは、

他社製のWebブラウザが利用者を増やす

「草刈場」になっていた感がある。

そういう意味では、Microsoft Edgeは、

IEのユーザーベースを引き継ぐことにも失敗し、

Windows10でもユーザーを伸ばせず、

他のWebブラウザに追い付くどころではなかった。

 

Chromium版Edgeは、Edgeプロジェクトの「再起動」版ともいえるだろう。

なお、Microsoftは、スマートフォン向けにも

Microsoft Edgeブラウザを提供していることから、

おそらくこちらもChromiumベースになると考えられる。

 

macOSやスマートフォン向けにも展開することを考えると、

Chromium版Edgeとは、Chromeとの協調路線というよりも、

全面対決的な感じがある。

同じエンジンを使う同じ土俵なら

「良いものを作る自信がある」との考えなのだろう。

 

すでにChromeや他のWebブラウザは、

Microsoft Edgeよりも何年も先行して普及しており、

Microsoft Edgeの入るスキマがあるかどうかは未知数だ。

ChromeやFirefoxのユーザーには、

現行のWindows10でもMicrosoft Edgeに

乗り換えるべき強力な理由がない。

 

それぞれのWebブラウザに多少の不満は感じるだろうが、

乗り換えるほどでもなく、Microsoft Edgeに

強烈な魅力があるわけでもなかった。

 

WebサイトによってはいまだにIEでないとアクセスが正常に行えず、

Microsoft Edgeはその代用になることもできなかった。

例えば、国内でいえばマイナンバーを利用するようなサイトがこれに当たる。

 

サポートするWebブラウザを指定するようなサイトでも、

Microsoft Edgeに対応するところは少ない。

Microsoft Edgeが伸び悩んだ理由には、

この辺も影響していると思われる。

後発であるため、ユーザーに乗り換えを促す

必要があるにもかかわらず、

乗り換え理由となるような強力な理由に欠けたのである。

Chromium版Edgeは、まだ発展途上であり、

今後の開発に期待したい。

 

 

 

 

 

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