柱状節理とは、火山から流れ出た溶岩が、ゆっくり冷え固まって規則正しい柱のような割れ目(節理といいます)をつくることがあります。

これは比較的厚い溶岩流が冷えて固まるとき、温度が下がって岩石の体積が収縮してできる角柱状の割れ目で、角柱の断面は六角形のことが多いですが、四角形、五角形、七角形、八角形のものもあり、時間をかけて冷えるほど太くなります。


では、なぜ多角形になるのでしょうか?

溶岩は冷えて固まるときには溶岩は収縮をしますが、たくさんの体積をもった溶岩が全体として同時に収縮をすると、均一に分布した中心に向けて収縮を始め、どの方向にも安定した形として、六角形の節理ができるのです。

いわゆるハニカム構造というやつですね。

ちなみにハニカムとは英語で蜂の巣という意味で、六角形のセルを隙間なく並べたものをハニカム構造と呼びます。 

自然界から学んだその構造は建築や航空に用いられていて、軽量かつ表面積が広くとれるために高強度であることや衝撃吸収性が高く断熱性能もあるなど、優れた性質をもっています。


日本で一番有名なのは世界三大柱状節理でもある福井県の東尋坊ですが、ここ九州の柱状節理といえば、宮崎県の高千穂峡ですね。

高千穂峡の溶結凝灰岩は、約20kmも離れた熊本県の阿蘇カルデラ火山から噴出した高温の火砕流が堆積してできました。

12万年前と9万年前の阿蘇山の噴火は、遠く離れた宮崎県の何十キロもの長さ渓谷に火山灰を100mも堆積させる凄まじい噴火でした。





ほかにも福岡県の芥屋の大門(けやのおおと)は海上にそびえ立っているので、観光船で内部まで見学できます。

岩肌が白いのは、海鳥のフンによるものです。



どちらも非常に美しい柱状節理です。

これらが形成される数万年単位の時間の流れや、まるで地球そのものが生きているかのようなものを肌で感じることが出来ます。